男らしさ女らしさ特集

三崎に遊びに行き、アタシ社という出版社を知り、30代のための新しい社会文芸誌「たたみかた」を知り、第2号「男らしさ女らしさ特集」を読みました。男女をテーマに色んな方にインタビューしていく内容で、結構分厚いけどもあっという間に読んでしまいました。最近、考えたってどうしようもないじゃん?と思っていたテーマについて、人の話を聞いてみるということに興味がありすぎるので、引き込まれました。

私自身、女でも男でもどっちでも良いと思いつつ、区別はしてしまってはいる。「らしさ」てのはよくわからないけども、なんらかの「らしさ」を求めてるし、求められることにプレッシャーを感じてはいる…気がする。

この「たたみかた」で印象に残ったのは…小さい娘を持つお父さん、助産師のお婆ちゃん、AV監督さん、のお話しです。

小さい娘を持つお父さん

このお父さんは、娘が初めて髪の毛を結った時に、ニッコリする彼女の表情をみて、娘が持つ女の子らしさを感じたという。娘のDNAから「これこれ、この私」感を感じ、娘が女の子であることを認識したような気がしたそうな。

なるほど。私には一歳半の超絶可愛い姪っ子がおり、いっつも可愛いお洋服を着ていて、どー見ても女の子なんですが、髪の毛はまだ短くて結べない。このお父さんは、今の姪っ子みたいな頃じゃなくて、もっと後に感じたのか。たしかに、姪っ子はまだ女や男を意識していなさそう。ほよ、自分が女であることに気がつく時がくるのか。いや、男なのに…と思うかもしれない可能性はまだあるのか。

助産師さん

80代のおばあちゃん助産師さんは、命はなるようにしかならん、というとりました。男女の大きな違いといえば、女の人は子供を産める場合があるということ。昔の方が本能に忠実で、子供も自然な生活の中で産まれる場合が多かったそう(だから子供も多い?)。今は子作りもシステムのようになってしまい、なんだか人が操作してる感がある。けども、命は決して操作できるものではない。とのこと。

ふむ。本件、男女らしさとはあまり関係のない話だけども、私的にタイムリーな話題だったので気になりました。先日不妊クリニックに行き、体外受精は倫理的にどうなの?という話もあって実施するには専用書類の提出が必要なのだという話を聞きました。ふーむ。操作…難しい(考えたくない)。

あと、最近思うのは…生物学的に子作りは可能なのに、法律的に駄目なのって、動物としてどうなの?て思う。その法律を越えたいとは全く思わないんだけども、子孫を残すというのがこの星の命ある全てのものに与えられた能力だとしたら、なんだか勿体無いというか、重力に反してるように何かに反している気がした。精子提供で身ごもる方もいるけども、男女共にそれってすごい生物って感じするなぁ。子孫を残すが偉いとかは全く思わずですが…説明は色々と省くけども、みんな何らかで子育てに携われたらいいよなって思います。まぁ、広義的には携わってますね。税金とか。

AV監督さん

「たたみかた」は、複数人のインタビュー記事の集合体ですが、前から順に読んでいくことで、話がどんどん奥に深まってきます。そこで、男と女という話が、自分と自分以外というような話になっていきます。

で、つまるところ、人は自分というものを誰かにも自分にも肯定されたい、というシンプルなところに行き着くみたい。そのためにはさらけ出さなければ、本当の自分てのは出てこないんだけども、監督さん曰く、ずっとさらけ出せばいいものでもないらしい。ちょこっとさらけ出すくらいがいいんですと。

そこ、あまり理解できなかったんだけども、心に書き留めておきたいと思いました。

上記の私の感想には出てこないですが、男と女というカテゴライズに関する「怒り」が今回のテーマでした。怒りとは、はらわた煮えたぎるようなものではなく、寂しさや悲しさも含めたものとのこと。
本誌は2018年刊行です。当時は能天気な私でさえもフェミニズムに関してのワードをよく聞いてました。強い女性が主人公の海外ドラマをよく観ていたし、「Girls!!」と叫ぶビヨンセ様にどハマりしていたし。翌年は82年生まれキムジヨンも読みました。

男らしさ女らしさは、時代によって「らしさ」が決まってくるのかと。価値観と共に変化していくのかな。
一方で、自分らしさとは、どうなるんでしょ。
自分の声を聞いてみるというの、してきたのかしてこなかったのかも、近頃よくわからなくなってきたのです。
そんな31歳なう。

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