想いに羽があったなら
「早く直接会いたいね。」
遠くに住む友だちと画面越しで会うときに毎回出てくることばだった。
最初の頃は、
「夏になったら・・・」
「来年はさすがに・・・」
と、何となく日程を予想していたのだが、収束の見通せないこの状況が続き、
「いつ会いにいけるかなぁ」
と、ことばも弱気になってしまった。
もちろん悪いことばかりではないのは分かっている。
こんな状況だからこそ、遠くに住む人とはオンラインでこまめに連絡をとるようになったし、外に出ないぶん家族との時間を大事にできている。
それに最近ようやく同じ地域に住む友だちとは十分に気をつけながらランチくらいは行けるようになったし、好きなアーティストも有観客でコンサートをするようになったみたいだ。
ほんの少しずつ以前のような日常を感じることができている。
とはいえ、地域を離れて移動するのはまだ怖い。
だから、
「会いたいね」
そんなふうに声に出してもどうしようもないため、最近では口にしないようにしていた。
友だちとは不思議なもので、ふとしたときに思いだす。
共通の好きなものやアーティストの話題を見たときに楽しかった思い出がよみがえる。
「元気かな」
「これ見てるかな」
「体調崩してないかな」
「幸せでいてくれたらいいな」
空を見上げながら、想う。
そんなときに思ったこと。
想いに羽があったらいいのに。
目に見えなくてもいい。
自分が宛てたものだと分からなくてもいい。
想う気持ちが、その人のもとに飛んでいって元気づける力になってくれたなら。
この想いも無駄にはならないのになぁ。
この1年半の間のおかげで、
同じ時間や空間を共有できることでどれだけ力をもらっていたか、
それがどれだけ幸せなことだったかが身をもって分かった。
なかなか会うことができない
友人 家族 恋人 など
遠く離れていても空はつながっているのだから。
想いに羽が生えて、想う人のもとに飛んでゆけ。
そして、次に会えるときまでのお互いの力になりますように。
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遠くに住む友だちと直接会えなくなってから、もう1年半が経ちます。
時々こみ上げる淋しい気持ちを、肩の力を抜いて素直に表現してみました。
我ながら子どもっぽいことを考えるなぁ、とも思いますが、
想いは自由だからいいですよね?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。