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きまぐれな君に感謝


体調不良が重なり鬱屈としてるとき、

ついついため息が多くなってしまう。


気持ちもネガティブになって、家でも下を向いてしまう始末。

「はぁ…」

本日何度目か分からないため息をついて、文章を書こうかとパソコンの前に座っていると、


トコトコトコ


と、当たり前のように
いつものように
足元に背中を向けて座ってくる存在。


そう、我が家の愛猫だ。


さぁ
マッサージしたり
撫でたりしてもいいのだよ。


と言わんばかりのその背中。


どんな日でも関係なく、
ほぼ毎日見る光景。


構っているヒマはなくて、うっとうしくなるときもあるけれど、

今日はなんだか愛おしくなってついつい笑みがこぼれた。


「しょうがないな~」


そんなことを言いながら、構いたおしていると

イヤそうな声を出しながら一度その場を離れては

また戻ってくる。


ここにいたいのか、いたくないのか、

どっちなのか分からないのも、猫あるあるだ。


それを何度か繰り返しているうちに、気づけばそろそろ寝なければいけない時間になっていた。


結局使うことのなかったパソコンの電源を切り、寝る準備をしていると再びネガティブな感情が戻ってきた。


「はぁ…」


明日という新しい日を迎えることを憂うつに感じつつ、ベッドに横たわった。



すると、いつもはそんなことをしないのに、


よいしょ


と愛猫がベッドの上にのってきたのだ。


まるで、

「今日は一緒に寝てあげてもいいわよ」


と言ってくれているようだった。


嬉しくてすり寄りたい気持ちをグッとこらえて
(そんなことしたらすぐに逃げられてしまうから)

少し幸せな気分で目を閉じた。


朝起きたら、もちろん隣には誰にもいなかったのだけれど、

目覚めたときの気分が悪くなかったのは、昨日の夜のおかげかもしれない。


猫はきまぐれ。

よく聞く言葉だ。

落ち込んでいるときに、寝る場所に自分のベッドの上を選んでくれたのはただの気まぐれかもしれない。


今日もやっぱり一緒になんて寝てくれないし。


それでも、あの日は鬱屈とした気持ちを少しでも忘れることができた。


たとえ気まぐれであっても、


ありがとう。


君がいてくれて、よかった。


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綾野花南(あやのはな)
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