欲しい言葉をくれた歌
誰の真似もすんな 君は君でいい
生きるためのレシピなんてない ないさ
Mr. Childrenの「終わりなき旅」の歌詞の一節。
この曲自体が「背中を押してくれる言葉の詰め合わせ」のようなものだ。
その中でも私はこの「言葉」にとても思い入れがある。
言葉の力を知った
大学受験で志望校に落ちた時、私はどん底にいた。
当時の私は、レールの上を歩いていく人生の方が幸せになれると思っていた。それを前提に想像してしまっていた未来。そのレールが途切れてしまい、途方に暮れるしかなかった。しかも仲の良い友人たちはみんな志望校に受かったという事実がさらに私を追い込んだ。その時はとてもじゃないけど笑って「おめでとう!」と言える精神状態ではなかった。
事実は変えられないのは分かっている。これからどうしようか考えないといけないのも分かっている。だが、なかなか頭や体が動いてくれない。今思うと、前を向きたくなかったんだと思う。前を向くと現実を認めてしまうから。
何をするでもなく、ひたすらぼーっと音楽を聴いていた時の事。
何度も聴いていたはずの曲なのに、不思議な感覚だった。
「音」よりもこの曲の「言葉」が耳を通り抜けて心にスーッと入ってきた。
誰の真似もすんな 君は君でいい
生きるためのレシピなんてない
気づけば泣いていた。私が初めて「言葉の力」というのを知った瞬間だったのかもしれない。
これがまさにその時私が欲しかった言葉だった。
「他人と同じ人生じゃなくてもいいんだよ。」
そう言われている気がした。
ひととおり涙した後、私は自分でレールを敷きなおすことを決め、少しずつ歩き始めたことを覚えている。
あれから10年以上の月日が流れた。
その間も何度もこの曲に励まされたことはあったが、今もまさにその時。
仕事を辞め、人生の分岐点に立っている。
この言葉に支えられながら立っている。
大丈夫、自分の道を進んでいこう。今はそう思える。
歌詞以外のすごいところ
3年ほど前、関ジャムという音楽番組でMr. Children特集があった。その時に、音楽プロデューサーの杉山勝彦さんが「終わりなき旅」に関してこうおっしゃっていた。
“この曲は9回も転調している。
一般的にはあまりしない転調をあえて入れることで
「終わりなき旅」である「人生」の紆余曲折を表しているのだと思う“
人生の上り下りを転調で表現しているなんて考えてもみなかった。
このことを聞いてからさらにこの曲が好きになった。
NO LIFE NO MUSIC
「欲しかった言葉をくれた歌」
そう思えたのはこの歌が初めてだった。
言葉じゃなくても、元気をくれる歌、楽しい気分にしてくれる歌、そんな歌にたくさん出会ってきたし、これからも出会うだろう。
出会う度に音楽を好きになってよかったな、と実感できる。
ありがとう。色んなもののおかげで今日も私は生きている。
ここまで読んでいただきありがとうございます。 「スキ」だけでも嬉しいのに、サポートまでいただけたら泣いて喜びます!!