「何 その顔」 「私の事は、忘れてもいいから」 彼女は目に涙を浮かべつつ、笑いながら言った。その言葉にはうまく笑えていない僕に対する彼女なりの優しさが詰まっていた。僕が抱えている不明瞭かつ薄暗い感情はきっと彼女に見透かされているのだろう。 「また笑って誤魔化してるでしょ、嘘つきだなあ」 彼女の口癖が脳裏によぎる。 お互い様なんだよな、いつも。僕は笑って誤魔化している彼女の涙をそっと拭いた。
毎年苦しむはずの目の痒みはなく、今年の自分はどれだけ外の空気と無縁の生活を送っているのかが分かる 去年までは桜を見て春を感じて心を弾ませていたのに今年は桜が咲いているのに何処にも行けないむず痒い気持ちに全部押し潰されてしまったな いまCDプレーヤーから流れる大好きな音楽が大きなスピーカーで聴ける日が早く来ますように、あの人たちの演奏と笑顔が早く観れますように
幼い頃からピアノを習っていた所為か音楽に苦しめられることが多々あった。 中学校の吹奏楽部でも高校の合唱部でも「音色が良くない」「思うように声が出せない」「あの子はできるのに」… 散々なほど音楽に悩まされた。 でも、苦しい時に救ってくれるのも音楽で 結局は音楽に助けを求めてしまう。 高校生になってから音楽の聴き方が大きく変わった。真っ直ぐ向き合えるようになった。 中学の時のように 「 救われるためだけの道具 」にしなかった。 中学の時と比べると高校に入ってからは何も頑張
「 今日が明日になる 」と「 今日が昨日になる 」
あのライブハウスに君はもう立たないし荒っぽいギターの音と照明に照らされていた汗は時間に呑まれて消えた