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好きなものほど自分と遠い
好きな服を買おうとすると、似合わない自分がいることにいつもがっかりしてしまいます。
昔は、自分が好きだと思ったものに素直に手を伸ばし、身に着けたり使ったりすることができていた気がします。それが、今ではなぜか、好きなものに手を伸ばすたびに「本当にこれでいいのかな」とためらう自分がいます。
最近は、パーソナルカラーとか、骨格診断とかを利用して、他人から見た「自分に似合う服」を見つけるのが主流になっていますよね。
自分を魅力的に見せる手段を知ることはとても大切だと思うしステキだなと思うのですが、その自分を自分が好きになるかはまた別で。
だからと言って、好きなものを着ている自分を好きになれるかと言われると、必ずしもそうでもない。
そこが、なんだか難しく感じてしまいます。
昔はもっと自由だった
学生の頃、服を選ぶときの基準はとてもシンプルでした。
「これ可愛い!」「この柄が好き!」そんな直感で選んでいた気がします。似合うか似合わないかなんて、あまり深く考えなかった。それでも、気に入った服を着ている自分を見て「これでいい」と感じていたし、どこかで自分に似合っていると信じていた部分があったのだと思います。
母親は、それちょっと派手じゃない?とか、色々コメントしてくることもありましたが、「ふーん、そう見えるのかな」程度に聞き流していました。
また、学生の頃は、好きなものに対して、自分を寄せていく努力をするのもそこまで苦ではありませんでした。
おそらく、素の自分には似合いそうもない服などでも、一生懸命メイクしたり、ヘアスタイルを変えてみたり、そういったもので自分のなりたい雰囲気に近づけていたのではないかと思います。
フェミニンな服が好きだったのですが、自分はがっしりした体型です。一時期断食にハマってとんでもなく体重を落としたことがあったんですが、それでも痩せてみえませんでした。
それでも、少しでも華奢に見えるように、ずっと肩甲骨を寄せて肩を下げて華奢に見えるようにしたりしていました。体が痛くても、時間がかかっても、自分の好きな世界観に近づくために努力ができたんですよね。
単純に歳をとったということもあるのですが、自分にすごく似合っていると感じていた服も、今の自分が着ても全く似合わなくなっていたんですよね。
そのとき、自分の好きな世界観から遠ざかっているんだな、と改めて感じさせられました。
自分の好きな世界観から遠ざかる自分
最近の私は、昔のように好きな世界観に自分を寄せていく努力をあまりしていないように思います。
以前は、似合わないかもしれないと思っても、メイクや髪型を工夫して、自分をその服に合うように変えていました。
しかし、今では素の自分に違和感のない、無難な選択肢ばかり選ぶようになってしまいました。もちろん、それはそれで大切なことだし、自分が楽に過ごせるための選択かもしれません。
でも、素直に「好きだ」と感じたものを手に取れなくなってしまった自分を感じるたびに、少し物足りなさを覚えるのです。
また、他人にどう見られるか」を気にするようになってきました。
特に、仕事やプライベートでの人間関係が広がる中で、TPOに合わせた服装や周囲の反応が気になることが増えたように感じます。
昔なら「これが可愛い!」と感じたものをそのまま着ていたのに、今では「これ、ちょっと派手すぎるかな?」とか「この服、無理してるって思われるかも?」といった思いが先に立ってしまいます。
好きなものに自分を合わせていく努力もできなくなってしまったし、それ以上に、好きなものを着ている自分を他人に批判されたくないという気持ちが強くなっているのです。
なので、自然体の自分でも似合うような、無難な服ばかりになってきてしまっています。
自然体でいることと「好き」を忘れないバランスを探して
自分の「好き」を維持しながら、「無理のない自分」でいられるバランスってあるんでしょうか。
最近では服にかけるお金や時間を少し抑えたいという気持ちも出てきました。
学生の頃は、好きな服のために時間もお金も惜しまず使っていましたが、今は服以外にも投資したいことがたくさんあります。だからこそ、どんな場面でも使えるような「無難な服」を選んでしまいがちです。
昔のように、自分を好きな世界観に合わせるためにあれこれ工夫することは少なくなったけれど、だからといって「好きなものをあきらめたいわけじゃない」という気持ちが、どこか心の中に残っているのです。
自然体でいることは、ある意味で楽ですが、同時に「好きなものに囲まれる喜び」も大切にしていきたいと感じます。その両方を満たすバランスを探し続けることが、今の自分のテーマなのかもしれません。
完璧に自分に似合うものばかり選ぶのではなく、好きなものに無理せず寄り添いながら、心地よく過ごせる自分でいること。
それが、私にとって一番しっくりくる生き方のように思います。