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「警察官になるのも、警察に捕まるのも、似たようなもんですから」 『池袋ウエストゲートパーク』(2004年)より
宮藤官九郎の脚本のドラマに長瀬智也主演の『池袋ウエストゲートパーク』(2004年)というドラマがある。
その18分20秒あたりで、警察官のリクルート場面が描かれている。
真島フルーツの店先で
吉岡
「どうですか、リツコさん。このさい息子さんを私どもに預けてみては」
誠
「なに言ってんだよ」
吉岡
「お前、高校出てんだろう。一緒に東京の治安を守らんか。人間の格があがるぞ」
誠「もうそれ聞きあきたよ」
誠の母
「えー、この子でもなれるんですか?」
吉岡
「ま、警察官になるのも、警察に捕まるのも、似たようなもんですから、はっはっはっは…」
という会話がかわされている場面だ。
きたろうが演じる池袋西署の吉岡刑事の
「警察官になるのも、警察に捕まるのも、似たようなもんですから」
というセリフが素晴らしい。
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このセリフと『うぬぼれ刑事』(2010年)の
「あなたを僕と結婚するの刑に処す。」というセリフは、警察官と警察官の家族(組織内では警察家族などと呼んでいる)の悲劇を物語る秀逸な表現である。
宮藤官九郎は、この二言のセリフで、警察官と警察官の家族の不幸な人生を見事に表現しつくしている。