Red Toms Shoes (赤いトムズの靴)
少し前ですが、シンガポールであるイベントに参加した。
もともとシンガポールに来たら教えてねと言われていた友達に行くよと言ったら、じゃあ気が合いそうな人達を皆を集めるからって言われて気軽に「Ok, sounds good!」と言った。その日にメールできたカレンダーのスケジュール招待には「Social Crypto with Aya & cool people 」(ソーシャル・クリプト、Ayaとクールな仲間)っていうまたまた気軽なタイトル。どんなとこ行きたい?と聞かれて、「ルーフトップ!」と答える。サンフランシスコは高いビルもないし、寒くて屋外ルーフトップは無理なので(一軒くらいしかない)、ルーフトップのある街に行くとワクワクする。そんなことで、アメリカでいうところのハッピー・アワー的にバーで友達と集まる感じと思っていた。
前日に、明日迎えに行くからと連絡がきた時に発覚したのが、行き先が予定と違ってGoogleのシンガポールオフィス。しかも何故かイベントのページもあるちゃんとしたイベントになっていて、声をかけてから3日で300人の参加者が集まったと言う。近隣のアジア圏から飛んでわざわざ私に会いに来る人もいるよって楽しそうに言われて、おいおい話が違う。。私のルーフトップ&ワインタイムが。。
まあそうは言っても、わざわざ企画してくれて、面白い人を集めたと言うので、大人になって気持ちを入れ替えて参加した。
イベントは私の参加ということで、イーサリアムの社会への影響、そしてそのインパクトを増やすためにどうやってメインストリームに進んで行くか、などを多岐に語る会になっていた。もう一人のパネリストはグーグルのクラウドとAIのエンジニアがAllen Day。グーグルは個人のプロジェクトを応援する体制があるが、彼が個人でやったプロジェクト、イーサリアムのスマートコントラクトのデータ分析をちょうど発表する前だったので、それについて話しつつ、ブロックチェーンがもたらす透明性について。
(因みにこれがその後彼が出したもの。
https://cloud.google.com/blog/products/data-analytics/ethereum-bigquery-public-dataset-smart-contract-analytics )
透明性が無いことで世の中の不均衡や不正が生まれている。それをブロックチェーンがどう解決できるか。
パネラーのトークがそれぞれ終わり、パネリスト同士語った後、Q&Aの時間になる。これがとんでもなく質問が多岐に渡り、結局一時間以上のQ&Aになった。そんな長いQ&A初めて。。先日会った、ミスター・トイレットのJack Simも来てくれたので、更に話が違う方向にも白熱。時差ボケだった私は質問の嵐に途中から頭が朦朧としていたが、最後に「国とか政府が無くなる時が来ると思うか」という面白い質問が出たので、頭がスッキリして質問に応えて終了。
このイベントを企画した友達のDorjee。実はどこで会ったかというと、昨年の11月にメキシコ・カンクンであったイーサリアムのDevcon3。その頃は私はもちろんEFのメンバーではなく気軽に参加したが、なんと会場で同じ赤のTomsの靴を履いている人を発見する。それがDorjeeだった。彼がスピーカーの一人だということは知らず、とりあえずそこで靴に盛り上がって写真を撮る。そして帰りの メキシコカンクンの空港でもバッタリ会う。ちょっと疲れていたのだが、同じ靴だからしらばっくれる訳にもいかず、世間話をした。そして残ったメキシコペソをちょうどきっかり使い切りたいから水を買ってやると言われ、ちょうどきっかりの値段の水のボトルを求めて歩き回りながら、お互いの話をする。私のその頃考えていた自分のビジネスのアイデアを話すと、彼もソーシャルアントレプレナーでもあり、環境問題解決に貢献してきたタイムズ誌でHeros of Environmentに選ばれた一人と分かる。これから何か一緒に関われそうだったらまた会おうと言って別れた時は、彼には私がEFに入るということは全く予想できず。
これが去年のDevconで撮った写真(笑):
ご存知トムズは一足靴を買うと、靴を買えない貧しい子供に靴が一足届くというone for one のシンプルな仕組み。ファッションとしても有名になってしまったので、履いてる人が全員ちゃんと考えているかというとそうでもないが、良いことをしているという気分にさせて、実際にいいことをするのは悪いことではないと思う(しかも軽いから旅行で暑いところ行くのに役立つ)。オタクなDevconで トムズ の同じ赤を履いているというのは、そんなに無い変な場面なので、こういう偶然はちゃんと楽しむようにしている。楽しんだ結果また色んなことに繋がった。そして今年はDevconを企画する側にいる。あの時のDevconがマイルストーンではあって、その後自分にとって大事な大きな変化が素早く起こっていった。
ここで思うのは、みんな赤い靴履いた方がいいよ!ということではない。赤い靴という分かり易いきっかけがなくても、私は道端で面白い人に出会うということがなぜかよくある(ジミヘンの弟とか)。ラッキーと言ってしまえばそれまでなのだが、最近はラッキーだけではない気がしている。ラッキーとか面白いものが近くに転がっている時、それを敏感に感じて掴むことができるか。それには柔軟な心と、鋭い直感と、何よりもどんな状況でも楽しいということが素直に感じられる心が必要だと思う。その結果私が自然にできていることの一つが、見た目や他の人の言っていることで判断ぜず、自分にとって面白そうな人や物を見つけるということ。有名かどうかとかではなく、相手が例えばホームレスの人でも、自分の心を真っさらにして、その人が面白いか知的かを判断できる人間でいたい。クリプト業界に早くから入ったのも結局はそれだったと思う。みんなが見向きもしない時に、本当の才能や隠れた宝石 (hidden gem) を見つけられるかどうか。それが今までの私の人生に確実に影響を与えた。
そしてそれは無理して頑張るのではなく、自分の面白いと思うことに正直になること。私はずっと子供みたいな好奇心を大事にして来た。大事にしたというか捨てられないまま大人になっただけとも言える。去年のDevconを思い出しながら、そして今自分が運営する立場になって、ちょっと今年は一大事になっているのでなかなか大変なんだけど、やっぱり自分らしいところに戻って来たことを不思議に、そして嬉しく思っている。色々自分らしくないことをした時に、自分の心の叫びを聞ける力と、負けない好奇心があったことに感謝している。これからも自分に正直に生きようと、今日も赤いトムズを履きながら思う。
前回ので期待されてるのもあって、今日の名言はジャニス・ジョプリン ❤️
"Not bullshit myself, not bullshit anybody else" - 自分にも他人にも正直でいること。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?