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#母と娘に拘る理由
親愛なるジュンコへ 8/8話
8 母親になった純子
前回のお話はコチラ↓
純子は5回目の妊娠で母親になった。
出産して暫くは、赤ちゃんの世話についてなど頻繁にメールが来るようになったが、逆に出産をして純子の病気の症状は落ち着いたように見えた。
ある日電話がかかってきた。
私はまだ、純子の病気に対して偏見や恐怖もあったので、恐る恐る電話に出ると、
「アヤP、あの時はびっくりしたでしょう?ごめんね。せっかく来てくれたのに
親愛なるジュンコへ 7/8話
7 変わり果てた純子
前回のお話はコチラ↓
目の前の光景はゴミ屋敷そのものだった。
純子は、散乱するゴミをかき分けながら部屋に入っていった。
「お茶入れるからそこに座って」
と言われたけど、もはや座るところなんてなかった。
「お、お茶は大丈夫。も、持ってきたから」と私は純子に言った。
相変わらず純子の目は虚ろで無表情のまま、清潔とは言えないマグカップにペットボトルの紅茶を入れて持ってきた。
親愛なるジュンコへ 6/8話
6 純子の病気
前回の話はコチラ↓
純子から「子供が出来たから結婚する」というメールが来てから数か月が過ぎた。
私が知ってる限り、4回も堕胎した純子はこれ以上子どもを堕すわけにはいかない。
年齢も35歳を過ぎていたから尚更のことだった。
私は純子の様子が気になっていた。
結婚すると決めたのに、全く明るい兆しがない。
「おめでとう!遊びに行くよ」
とメールをしても返信が来ることは無い。
親愛なるジュンコへ 5/8話
5 純子の変化
前回の話はコチラ↓
私は、純子からのメールも電話も全てシャットアウトすることにした。子どもを産んだばかりの私にとって、4回も堕胎した純子のことがどうしても許せなかったからだ。
どうして純子はそうなんだ?
どうしてそんな事が出来るのか?
わからない
わからない
わからない
地元では、私と同じ時期にミカもメグも出産したと聞いた。
ミカなんてアメリカから帰ってきてから相当荒れた
親愛なるジュンコへ 4/8話
4 消えた純子
前回の話はコチラ↓
純子が消えた
携帯に電話をしても「ただいま使われておりません」とコールされるだけだった。私は純子の自宅に電話をしたが、お父さんや弟が出て素っ気なく「いません」と言われるだけだった。
純子はどこに行ったのか?
私は宮沢とイケに電話をした。
2人からは「おまえが知らないなら俺たちが知る訳ないだろ」と言われた。アフロカズヤにも電話をしたがアフロカズヤは「ハァ?
親愛なるジュンコへ 3/8話
3 私の青春と純子
前回の話はコチラ↓
純子はイケをボロ雑巾のように捨てた
若い男女の仲良しグループでよくある話だと思うが、こういう時に男は男側に立ち、女は女側を擁護しなければならない。
私たちのグループの男女比は私と純子、そしてマキさんの彼女のスーさん以外は全員男子だったので、純子はたちまち男子側から「悪女」のレッテルが貼られた。かつて純子の事が好きだったアフロなカズヤですら、イケをボロ雑
親愛なるジュンコへ 2/8話
2 魔性の女
前回の話はコチラ↓
純子と2人でいると、とにかくナンパされた。
昼間に繁華街で買い物をしている時、駅で待ち合わせをしている時、近所のコンビニにちょっと寄った時でもナンパされた。
純子は男を惹きつける何かがあった。
それはナンパだけに留まらなかった。
20歳の時、私は地元の男友達に純子を紹介した。
紹介と言っても小学生時代は同じ学校だったから久しぶりといった感じだけど、男子達は
親愛なるジュンコへ 1/8話
「アヤP、おはよー」
「アヤP、おやすみー」
最近、純子からの連絡が頻繁に来るようになった。今は体調がいいのかな……
*
3年前の2020年の春
コロナ禍で学校が一斉休校になり、私は小学生の娘と近所を散歩していた。
歩いていると前から、車椅子に乗った中年女性とそれを押す老女がやってきた。女性の口は半開きで目は虚ろだった。
私は、車椅子に乗る中年女性と、ゆっくりゆっくりそれを押す老女を見て「