弁護士さんに依頼してから 夫から直接連絡が来ることは無くなった それだけで日々の不安が和らいでいた しかし弁護士を付けられた事で 徐々に苛立ち始めた夫は モラハラサイクルの蓄積期に入っていた クリスマスプレゼントを用意したのに 私のせいで贈れなかった等 再び私を責める発言が増えてきたのだった 婚姻費用に関しては 夫は理解出来てないが生活費は必要と考え 最初の頃は自主的に送ってくれていたが 私が帰って来る見込みがないと判断した途端 勝手な理由を付けて減額して送ってくる様に
別居から半月を過ぎた頃 私は住所の変更や子供の転園などの手続きで あちこち車を走らせていた 転出届は後々夫に行き先がバレない様に 転居先を全く関係の無い場所にした 転入届時には 配偶者暴力相談支援センターで発行した DV証明書を提出して 住所秘匿にする支援措置を受けた これで夫は私がどこに住んでいるのか分からない 娘の幼稚園は夫の在職証明が用意出来ない為 別居状況を説明する必要があったが ひとり親と同等の扱いで手続き出来た 1番厄介だったのは児童手当だった DV証明
別居後は夫からの反省や謝罪のLINEや手紙が届いたが一切無視した 精神的に返答する気力は残ってなかった 今の夫はモラハラサイクルのハネムーン期というやつらしい 別居して距離を取って 冷静に夫の行動を見ると モラハラの典型的な行動である 私は実家に帰ってからは 数日間ゆっくり心を休めていた 母の食事はとても美味しいと感じられたり 父が選ぶテレビ番組が面白いと思えたり 何気ない事が私には涙が出るほど幸せに感じられた 気持ちが落ち着いてきた頃 女性電話相談で教えてもらった
夜逃げをしてしまった たった一晩で決断してしまった 夫は最高潮に怒り狂っている 帰りたくない 「いや、これ離婚でしょ」 私より先にその結論に至り 言葉にしたのは母だった 早朝から事情を聞き 証拠品の手紙を床に置いた 離婚 それは何度か脳裏を過ったことがある その度、娘の為と飲み込んできた 私が我慢すれば、 私が努力すれば、 私が完璧であれば、 家族は上手くいくと心に怒鳴られたからだ 「今日連れ返しに来るって?家にはあげないぞ。追い返してやる。」 父は夫に言いた
朝起きるとテーブルに手紙があった A4のコピー用紙11枚 乱雑な文字は夫のもの 私をひたすら責める内容だった 普段なら傷付いて、 泣いて、 過呼吸にでもなる様な、 酷い言葉ばかり だがその日の朝は 不思議と客観的に捉えることが出来た これは夫が私に酷い言葉を言い続けてきた 証拠品 静かにクリアファイルに入れてタンスの中へしまうと いつも通り子供を保育園へ送り出し 週5のパートへ出かけた 仕事中もグルグルと手紙の事を考える こんなに相手は怒っているなら 帰ったら