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11年前も晴天

介護の真っ只中に居た頃は、終わりなんてこないんじゃないか。私が先に死んでしまいそうだと重苦しい感情を抱えながらの日々でした。

今日は姫(母)の命日です。

私は小さな頃から過剰なくらい地震に反応する子供でした。例え真夜中だろうと、地震が起こる数分前にはパチっと目が覚める。震度1でも2でも大騒ぎ。とにかく苦手だったんです。

そんな私、姫が亡くなる少し前に「なんか最近地震多くない?そろそろどかんときそうで怖くて仕方ないんだけど」と呟いたところ

「来ないわよ」

と妙に自信ありげな返答が。そのあと「私が生きてるうちは大丈夫」と付け足し、心の中で盛大にズッコケました。(姫には余命を知らせておらず、当人は亡くなる近くまで自分の命が短いなどと微塵も思っていなかったのです。)

『じゃあすぐ来るかも知れないじゃん!!!』

と激しくツッコミました、これも心の中で。

そしてわずか半月後、あの東日本大震災が起こったのです。姫の故郷は総世帯数の60%が全壊しました。

この先も必ず大きな地震がこの地域を襲うからと先祖代々(は大げさ)、家を建てるなら高台でなくてはならぬとの掟があった姫の実家。全員無事でした。

姫が亡くなるのはこのタイミングだったんだなぁとつくづく思います。故郷が大好きだった姫。生きてあの映像を目にしていたらどれほどの衝撃を受けたことか。

11年前の今日も、東京はこんな穏やかな晴天だったことを思い出しつつセブンイレブンへ。お菓子を買って仏壇に供えたところです。多分猛烈に怒り狂っているでしょう。

「私を誰だと思ってるの?!コンビニのお菓子って何よ!虎屋とか鶴屋吉信とか、たねやに決まってるでしょう。いい加減にしなさいよ!!」って。

近頃のコンビニお菓子のクオリティは素晴らしい。仏壇にあがっただけでも感謝して。(今なお不仲 笑)



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