1万人の、音楽の力。
先日、12月2日。
大阪城ホールにて、サントリー1万人の第九コンサートに出演してきました。
1万人の第九コンサートとは、一般公募によって結成される1万人の合唱団がベートーヴェンの「交響曲第九番」を歌う、世界最大規模のコンサートのこと。
合唱団の一般公募は毎年6月頃。
そこから厳正なる抽選の上、合唱団メンバーが決まるのが7月頃。
(噂によれば、この抽選で7割ほどが落選するエリアもあるのだそう)
そして、全国各地でレッスンがスタートするのが8月中旬。
練習期間は、本番の12月2日までの約3ヶ月間。
その期間のレッスン数は、初心者クラスは全12回、経験者クラスは全6回。
そのうち初心者は3回、経験者は2回以上欠席してしまうと、本番への参加の権利は無くなってしまう。
この3ヶ月、真剣に第九に取り組んだ人だけに出演権のある本番は、歴史紡がれる大阪城ホール。
第九初心者だったわたしは、東京・中野クラスで全12回のレッスンを一度も休むことなくフル出席。日を追うごとにどんどん歌えるようになっていく、高音が出るようになっていく、そんな成長を感じながら、厳しくも楽しい12回を終えました。
当日、観客ではなく、出演者として初めて訪れた大阪城ホール。
スタンドまで埋め尽くされる1万人の合唱団は、その光景だけで圧巻の一言。
世界的指揮者、佐渡裕総監督による指揮。壮大なオーケストラ。ソリストの方の歌声に、有働由美子さんの朗読。
前日リハにゲネプロ、本番までのあの時間は、なんだか本当に一瞬で過ぎ去ってしまったよう。
決して楽ではない練習を3ヶ月積み上げた1万人の合唱団が、同じ場所で、同じ歌を歌う。
それだけでも奇跡なようなことなのに、自分がその1万人の中の1人として参加しているなんて。
早く歌いたい。でも、どうか終わらないでほしい。
1分でも1秒でも長く、この時間が続いてほしい。
本番は、本気でそう思うくらい、感動で、圧巻で、全身が興奮で震えるような時間だった。
「言葉にできない」
って言うのが一番正しいんじゃないかって思うほど、本当に素晴らしい時間で。
なんでこんなに月並みな感想しか述べられないんだろう!ってもやもやするくらい、なんだか身震いしてしまうほどの壮大なものを、わたしは確かに全身で感じた。
このコンサートの地上波での放送は、12月29日。
でも、その日までの期間限定で、合唱部分の第4楽章がこちらのサイトで配信されてます。
音楽に興味がある人も無い人も、ぜひ、見てほしい。
このコンサートは、本当に全人類に見てほしいって思うくらい、素晴らしいものだったから。
画面からでも伝わる音楽の力。
どうかそれを、感じてほしい。
***
人の心を揺さぶるものだったり、言葉に表現し難い感情を抱くことだったり、アートと呼ばれるものにはそんな不思議な力があるなって思ってる。
わたしが幼い頃から音楽に触れながら生きてきたから、余計にそう思うのかもしれないけれど。
歌も、ピアノも、プロでもないしただの趣味のレベルだけど。
でも、誰かを包み込めるような世界を、わたしも作り出したいなあ、なんて思ったりして。
次の本番は1月20日。ピアノの発表会。
曲目はジョプリンのメイプルリーフラグ。
できることから少しずつ。
本番で最高の演奏ができるように、もっと練習しよう。
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