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どんよりとした気持ちでも

憂鬱な気持ちを引きずって、それでも前に進みたくて。
重い足を一歩また一歩と進めながら、玄関を出た。
どんよりとした曇天だったけれど、外の世界はなんだかすごくまぶしく感じた。


地下鉄に向かう階段を下りて、駅のホームに立つ。
今日も朝のラッシュの影響で、電車は数分遅れているらしい。
ホームに滑り込んできた電車の中は、スーツを着たサラリーマンで満員だった。
スーツ集団の隙間に自分の体もねじこんで、目的の駅まで運ばれていく。


「通勤の満員電車がすごくつらい」


そんなツイートを打ち込んだところで、この状況が変わらないことくらい分かっているのだけど。


いつも変わらない、わたしのデスク。
お気に入りの魚の形の陶器のペン立てに、ディズニーランドで買った卓上カレンダー。
ThinkPadのパソコンをパカッと開いて、叩きなれたパスワードを打ち込む。
お休みしていた分の大量のメールが受信フォルダにあふれていたけれど、そのほとんどは先輩が代理で対応してくれていた。


「ありがとうございます」

「すみませんでした」

感謝と謝罪を各方面に言いながら、いつものように業務を進めていく。

仕事自体は、始めてしまえば何の苦もない。
そこまで楽しいわけではないけれど、うまくいっていないわけでもない。


もっとわくわくしながら仕事したいなって思うんだけど、今のわたしにはそんな気力もなく、ただただ淡々と目の前の業務をこなすマシーンのようだった。


今の仕事だって、きっと能動的に楽しもうと思えば、すごくすごく楽しいお仕事なんだ。
そんなことは百も承知だし、そこに向かえていないことは自分の責任なんだろうなってことも思ってる。


働くって、なんだろう。


自分の中での働く理由、今の会社で仕事をする理由を、わたしはちゃんと持っている。


でも。


そんなことをしっかり考える余裕もないくらい、どうやらわたしの心は疲れているらしい。
こんなときはほどほどに乗り切るに限るって思ってる。無理してもいいことないしね。


こんなにどうしようもない時でも、気にかけてくれる人がいたり、心配してくれる人がいたり、本当に周囲の人には頭が上がらない。事情を察してくれる上司と、仲良くしてくれる同期と、いつも支えてくれる彼には感謝の気持ちでいっぱいすぎる。


はやく充電し切って、また楽しく過ごせるように、無理しすぎず無茶しすぎず、なんとかやっていこうと思う。



今日もおつかれさまでした。




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