吉見町日本酒計画②
前回に続き、昨年9月下旬の話。
日本酒醸造計画を役場に相談しに行く。
①まずは、どこからお米を調達するか。
吉見町内の農家さんも、米ネットという協会に属している人とそうじゃない農家さんがいるなど、私の知らない農家情報から始まる。
こちら、まいねっとサイト貼っておきます。
個人でお米を売るサイト、JAを通してお米を売る方法、などあるようです。
米農家関係は、農政課が間に入って頂き情報を得る。
9月末の時点で、農家さんやお米の流通経路はほぼ決まっている時期だと。
1tのお米を調達出来ることが、果たして可能なのかなんなのかも全くわからない。
酒作りのことも、米作りのことも、全くわからない人間が動き始めている。
②酒の販路について。
役場としては、作るなら売り切らないといけない。
在庫を残してはいけない。
20年ほど前のことなのか、吉見町でも「いちごワイン」というものを作ったようです。3年ほど作り続けたようですが、それこそ一度に1500本程の製造、売り続けること、販路、宣伝、苦難の過去があったようで、その記憶で在庫を抱える重荷があるとのことでした。
まぁ、前向きなスタートではないことは確か。
米の調達と並行して、販路の確立。
そして、酒を売るには酒税がかかるので酒販免許がないと売れない。
まずは販売店を探さないといけない。
昔は20〜30軒ほどあった酒屋も今や3軒ほど。
役場の人たちが、
「あそこの酒屋は大丈夫だよ、何でもやってくれるよ」
と言うのでお話しに行くと、
「味がわからないお酒は置けません。」と一蹴。。
オーマイガーーー
一筋の光、唯一の希望が、1発目に途絶えた。
そりゃ、このご時世、酒を酒屋で買う人がどれほどいるものか、と思いますよね。
スーパーでもドラッグストアでもコンビニでも買える、この時代。
町の酒屋が減る理由もわかりますよ。
世の中を知ります。学びます。
他2件の酒屋も、1軒はほぼ酒の取り扱いはしていない商店、で
もう一件は、中々オーナーさんに出会えず連絡取れず。
問い合わせる酒屋もうないので、他スーパーなどへ。
町内にあるスーパーは、ナカムラストアー(以下ナカスト)とベイシアのみ。
また、突如ナカストさんへ。
偶然、社長がいらっしゃり相談。
相談も何も、まだ作るかどうかも決まってない酒の営業をされても、って感じですよね。
しかも、吉見のお米で食米で、今年のお米の出来が悪かったと言われていて、やめたほうがいいよ、と言われて。
でも、そんなこと言ってても、来年いいお米が出来るかなんてわからないし、ずっと暑いこの町で米の出来がいい年に日本酒を作るなんて呑気なことも言っていられない。
まぁ、出来たらおきますよ、とは言ってくださり、唯一の酒販出来る店を確保。
その後、出来るか出来ないかわからない日本酒の営業をしに、町内の飲食店や吉見観音さんなどに出向く。
吉見観音さんで御神酒などで使うよと言ってくださり、また一つの光。
しかし、作るかわからない商品を営業に行くほど、謎の行為はないですよね。
謎の人物。謎の営業職。
でもこれは全て、売り先が決まらなければ作れないと言われたからで。
役場からの「絶対に失敗しない為に」石橋を叩きまくる、という洗礼が故。
松岡醸造さんとメールのやり取りを続ける。
わからない事しかなく、次から次へと質問を投げかける。
商工会に相談に行き、可能なのか?不可能なのか?とリサーチ。
それこそ、また20〜30年前?川島でも日本酒を作ったが、売り続けられず、製造販売を辞めたというお話を聞く。
日本酒はおじさんの飲み物っていうイメージだからねー。と。
私も滅多に日本酒は飲まないけれど、おじさんのお酒、というイメージも特になく、時代、世代によって違うんだなと思う。
余談ですが、小川に行った際に見かけた日本酒に引っかかったのは、都内で友人と偶然あった日本酒居酒屋に入ったのも少し伏線かかっている部分もある。
9月頃、日本酒が私の周りにウロウロしていたのだ。
そして、11月の吉見祭りにて、農家さんブースがあると役場担当者から聞き、
それは教えてくれないと!!と、役場からの情報が来ないトラップ。あるある。
一気に農家さんに会える場所があるなら、直談判が早い!と、前日に急遽チラシ作り、宣伝営業の根回しを要請。
とりあえず1tのお米を確保&売ってくれる農家さんいらっしゃいますかー?という、ざっくりとした営業。
何の品種?とか、私も答えられないのも問題だったが。
急がないと間に合わない。
そんなこんなで、11月。
作るか作らないかのデッドラインが近づいている。
松岡社長との連絡の中で、品種は「彩のきずな」のほうが作りやすいと聞き、農家さんに問い合わせをするが、その時期「彩のきずな」1t確保と金額が見合わなかった為、諦め。
出来ないものは出来ないし、手に入るものしか手に入らない。
これは人生の教訓であり、極意です。
必要なものしか手に入らないし、必要なものは手に入る。
人生とは。
なので、絶対諦められないもの以外は、与えられたもの目の前のものを有難く選ぶのも人生。
そして後日、「吉見まつりで、酒造りに熱弁してたから協力するよ」
「彩のかがやき」ならあるよ、と米農家「大室さん」と連絡が取れたと役場から連絡が来て、何とか、ギリギリ米確保。
感謝!!!!
ありがとう、大室さん!!!
熱弁したつもりはなかったけど、熱弁が伝わってたみたいだから、熱弁と自ら書く。
米1tを確保し、次は販路と販売本数と、本当に計画決行出来るのか。
そろそろ期限です。
役場は、本当に勝負をかけないのが当然なので、安パイを狙う。
先行き、不明瞭なものはやらないほうがいい。
売れ残ったら、買い取れるのか。
お店も在庫は抱えたくない。
責任取れるのか。
役場もみんなで売れるように協力するよ!一緒に頑張ろう!
とは言わない。
本当に、私にしか負担かかって来ない案件。
そして、私が売れないので利益もない。
本当に、町おこしにならなければ、自己満足案件でしかない。
空き家問題解決も、何か新しいことをやることも同じで、無理な確率が上がるように考えるのは簡単だし、不安要素を増やせば増やすほど、怖くなり、諦める方向に流れやすくなる。
辞めるほうが安全。
博打は打たないほうが身の為。
無くても誰も困らないから。
この、負の連鎖というか負の圧力は、協力隊の立場でバンバン感じていた。
結局責任を負うのは役場なので。
諦めたら試合終了ですよ、と安西先生の名言はその通りだけど、
諦めたほうが楽ですよ、はこの世に蔓延っていると思う。
ということで、デッドラインまであと半月。
次回に続きます。笑
伸ばす!!
吉見町地域おこし協力隊
あやめ
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