「ほーんの少しだけ寂しかったけどねっ!」

びしょ濡れ。
朝は雨なんて降っていなかったのに、駅を出たらどしゃぶりの雨が空から降り注いでいた。
ううう、寒い。冷たいけど行きたい...。ということで川崎ロック座へ。
辿り着いた時には、髪の毛ぐしゃぐしゃ、アウターびしょびしょ、スカートぐっしょりでしたがスタッフさんは暖かく出迎えてくれました。
名物の亀さん2匹は「やってられまへんわー」と言わんばかりに、屋根つきの場所に既に避難。
さて、10月結の川崎も大変熱く推し踊り子さんのおひとり、木葉ちひろさんの3周年という特別な週で、そして年内で引退を表明された星崎琴音さんがおられました。


今回は結構、はじめましての踊り子さんがお二人いらっしゃいました。
聖京香さんと須王愛さん。聖さんはパンキッシュなイメージ、須王さんはお嬢様というイメージがありましたが、果たしてイメージは演目などを拝見して変わりましたでしょうか...?

1:広瀬あいみさん

私にとって初浅草の際が「Wonderland 2nd」の時で、6景のチュシャ猫のイメージが凄く強くて、あのにゃーんという月越しのポーズや、ふわふわの紫色のマラボー、そしてベットでの曲転換の際の真っ赤な照明でのポーズなど、今でも目を瞑っても思い出す鮮やかな風景。
あいみさんは川崎では出しておられる演目は、どちらも和物の演目で本当に日舞の技術と扇を持つ指先の美しさ、和服を解く際にも浅草ではやはり距離があって分からなかった、魅せながら解くということが川崎の距離の近さだからこそ分かったと思います。細身のドレスも良くお似合いでした。
あとすっごくスレンダーですっごく綺麗、すっごくばっかり言ってますが、すっごく綺麗なんです、本当に。女性が憧れる女性なんですよ、ポラ行っちゃいました。
浅草しか知らなかったのですが、優しいお声でフレンドリーな方でした。でも気品もとてもあってやはり行ってよかったなぁーって。もう月並みですが。
綺麗な踊り子さんを見ると自意識も美意識もやはり上がるし、上げなきゃって思い知らされます...。


2:聖京香さん

今回、はじめましての踊り子さんの京香さん。
「天獄」
もう登場した時から、真っ白な布を抱いて、重ね抱いていた何かを取り出しそして歩く、もう最初の漂うような視線と表情に圧倒されてしまって...。
静かに盆に「何か」=いくつもの何かおどろおどろしいお面、を積み重ねている。無言で真っ白い面だけ残すと、共に抱いてきた白い布を引きずりながら舞台へ戻っていく...。
はい!もうこのくだりを見ただけで、その世界観のどこか漂うアングラ感が凄い。私は70年代、80年代の混沌とした新宿の熱が大好きなのであの時代の赤テントとか、寺山修司とか大島渚とかの個性的な香りが凄くして、目を奪われたんですよね。
ストリップを見にきたのに、性的でありながらどこか演劇的で。出されてた2演目ともその感じがあって好みだったんですよねー。
手に残る真っ白な無垢を形にしたような面を手に、顔に被せたり、かと思ったら、ものすごい鋭い表情で這うように盆へ進み出てきたり...。ひとつ、ひとつ面をまた手にもつごとにポーズを取られるのですが、表情が段々豊かになっていってやっぱりお面は自分の様々な一片なのかなと想像させられたり...。凄く考えさせられる演目でした。

3:須王愛さん

はじめましての踊り子さんでした。出しておられた2演目ともストーリー性が高くとても面白く心揺り動かされました。
1演目目は、アラビアの女王様を表現した演目だったらしく煌びやかな舞台に張られたキラキラの布から登場。豪華絢爛な格好をしたお姫様が訳あって捕縛される。布から伸びる手首には痛々しげな鉄の手錠。すると姫はランプの精にお願いをして姫という立場も身に纏った贅沢なドレスも脱ぎ捨て手錠もなくなり、本当に裸一貫で盆へと躍り出るという凄くドラマティックなお話でした。裸一貫になっても前を向く姫は実に凛々しくて綺麗だった。
布に最後は下がるように「ご機嫌よう」と去っていくのも余韻が残って良かったなぁ...。
そして、2演目目は恋するヴァンパイヤをモチーフにした一作を。少しゴシックな世界観で愛さんはヒロインと、ヴィランの役を。
これねぇ...もうねぇ...ヴィランの男性役の格好が、私の性癖に突き刺さって抜けないの!!!!!(叫)髪型、雰囲気、踊りにモノクル...そう、私はすっごく綺麗な顔立ちのメガネに弱いんですねぇ。だから心の中で大絶叫。ふうぅ、ご馳走さまでした(?)
ツボすぎました。


4:武藤つぐみさん

この度のむとさんは「夢遊病」と高崎美佳さんのハロウィン演目とご自分のハロウィン演目を合体させた演目、こういうと実になんだかめちゃ強そうな演目だな...。
夢遊病では、夢か現か目が開いていない(実際、奇数回だったので朝は眠そうでした)お嬢様が盆から目覚める?ものの、まだ夢みたいでよたよたと、時にはふっと踊り出し、洋服を脱ぐとセクシーなドレスに衣装変えしてエアリアルリングに、しかも床からこう足をくっとひっかけるように眠りからまだ醒めてない感が凄く「どっちの世界なんだろう」と思わせて、目が離せませんでした。
そしてハロウィンハロウィン♪黒猫ちゃんのむとうさんが堪能できるめちゃめちゃゴシックーな大好きな演目です。
途中で飴ちゃんサービスのお時間があるのですが、多分盆横の私にも狙いを定め後ろからシュート!したのですが、肩にぼんっと当たり後ろへ...。その後、普通にふっとくれました。優しい、まだもったいなくて食べられないむとさんペロキャンが家に溜まっていく。。
とにかくふにゃふにゃダンスや、エアリアルのにゃんこ感(でも相変わらずリング凄い、勢いも凄い)がうまく混じり合っていて、これは毎年のハロ演目になって欲しいなーと凄く願った一作でした。ハロウィンハロウィン!
ポラの時、ああ、何だかバスタオル巻いてきて銭湯みたいでしたよ!(むとさん腰巻き)

5:木葉ちひろさん

我らが推し!木葉ちゃん!三周年!
その前の週にはくまあゆさんSNAに行っていましたが、同期である木葉ちひろさんも三周年。
これはぜひ足を運ばねばと行ったがおもっきり雨でしたよ。それでも行くよ、推しのためだもの。
周年作を含む2演目でした。
「オレンジ」
制服姿ではじめから笑顔全開で華麗なステップで川崎の広い舞台で踊りまくる、初めからベット、そして立ち上がりの最後の最後まで踊りまくる。満面の笑顔、力強いステップ、そしてゆっくりと足を上げてLポーズで、足を抱きしめるように微笑む顔に生きる力もらってます。木葉ちゃんと言ったらお尻も可愛いですが、全体的にスタイルがしゅっとしてて本当に憧れるんですよね、性格もさっぱりしてて話しやすいし、っとこれはポラの話だ。色々混ざりました。
そして三周年作「Rainbow shower」
ネタバレ厳禁で最終日までぼやかした見事な周年作。
ロックダンス、ジャズダンス、バレエ、様々なダンスが踊れるスキル高い木葉ちゃんの挑戦となった本作は...

「タップダンス」

でした!まさか川崎の地で大好きなタップダンス見れるとは思わなかった!しかも、リズムに乗せつつ見事なステップ、これはかなり練習したんだろうな...と。だってほぼ一曲ずっと踊ってましたからね。あとでポラで聞いたら、リズムをひたすら聞いて頭と身体に叩き込んだらしいです。凄い、音を掴む力が強すぎる...。
そのあとに靴を履き替えると、再び激しいロックダンス。とにかくこの演目は運動量が物凄くて、夢の国のショーを見てるどころじゃなくて、もう夢の国にむしろ行っている!という感覚で見てました。どんどん新しいこと、面白いことを笑顔で汗だくで踊る彼女を見て、本当に進化しているんだなと思うし、ベットひとつにしてもそのキレの良さやお客さんの顔をじっと優しく見守る姿を見ても「本当に推したい、もっと彼女は進化する」って思わせてくれるんですよね。
というか、また見たい。というかまたみて頭に叩き込むぞ、この演目は情報量が多すぎるー!

そしてポラの時間、既に「おはようございまスコティッシュ!」の木葉ちゃんとあんちゃんの写真集は買っていたので、その話題ととにかくタップダンスの感想を...。もう木葉ちゃん凄いよ!あれはエンターテイメントだよ!むしろ木葉ちゃん=エンターテイメントだよ!と思わず力説しちゃいました(若干噛みながら)
そしてSNAのしおりーぬさんと、あゆくまさんのコメントを少し伝えると、感慨深げに頷いて
ち「ほんとはね、くまちゃんとも一緒にお祝いしたかったんだけど...でも、場所は離れてても3周年迎えられましたよー、まぁ...ほーんの少し寂しかったけどね!」
ア「いやいや、ほんとはもーっとでしょ?」
なんていう一幕もあって、場所は離れてても大切な「ちぃくま」なんだなぁと感じられて、めちゃ心がほっこりしました。
ぜひ、お互い目指せ!踊り子30年っ!!

6:星崎琴音さん

先日、年内での引退が表明されてちょうど横浜の色々があったので私はとても動揺していました。ですが、前向きな引退であることと、引退までにきちんと様々なコースもあることから「まだことにゃんさんに会えるぞー!」という有り難さとお礼を伝えるために、とても楽しみにしていました。
今回は「レイン」「新作」
レインは相変わらずのカッコいい琴音さんで、特にベットの少し挑発的な黒いドレスからの脱ぎ、ポーズは大好きです、ベリーショートもよくお似合いでした。
そして「新作」
きっと引退作になるかもしれない演目。その楽曲を聞いた時に息を飲みました。
「私が大好きなあの作品じゃないか!!!しかもその中の一曲は今年の夏、頭が擦り切れるほど聞いた!」
ものでした。だからもうその作品で固められた時に、私も足を運んでその作品を見て体感してきたので、主人公を取り囲む物語を知っていて、この歌の凄さを感じてきたので、あえてその作品縛りで選んできた琴音さんの気持ちにぐっとはじめから涙が。
ゆっくりと、まるで踊り子さんの技術を研ぎ澄ましてキラリと光らせるようにシンプルながら魅せてくる琴音さん
そして、ベットに入る時に聞こえた楽曲で思わずハンカチを取り出しました。
ダメだった、この曲はどうしても弱い。涙が溢れ出しました。
そうか、この曲を持ってくるのか...。歌詞を死ぬほど読んで配信まで実は待ち望んでいた曲が盆から立ち上がりでした。
大好きな曲、忘れられない曲、そんな綺麗な楽曲で静かに穏やかにまるで悟りを開いたかのように光溢れるポーズを切る琴音さんを見て、ぼろぼろと涙が止まらなくて、どんな気持ちでこの新作を作ったのかと思うと涙が本当に止まらずに。

ああ、なんて優しい歌詞。

最後に綴られる歌詞、新作では入っていませんでしたが、これはきっと互いに客と琴音さんが願い合いたいことじゃないかなと勝手に思いました。

少なくとも、私は琴音さんに贈りたい。
語り継ぐわ、いつまでも、と。

ポラの時、泣き腫れたボロボロだった私の顔を見て、琴音さんが一言。
「あ、アヤメさん、ハンカチ出してたの見えてたよー」
と気づいたらしいです。めっちゃ泣いてるの気づかれてますやん...。

そんなこんなの川崎ロック座でした。雨も降られて、寒かったけど木葉ちゃんの写真集も買えたし周年作も素晴らしく、これからの希望や気概が回見えたし本当に何度でももっと見たいし、新しい踊り子さんや毎度お馴染みの方々も見れたし、何よりことにゃんさんの新作が言葉にならないほど美しかった。

みなさん、元気ない時はスト見て元気出しましょう。
きっと、生きる力湧くから。


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