災害を未来につなげる。僕は支援先に学生ボランティアを推す
いつからか、この国は「想定外」と呼ばれるクラスの天災がひっきりなしに起こるようになりました。
その被害の大きさはメディアが取り上げるように甚大で、これまでの日常が想像できないほど姿を変えるさまをみるたび、学生時分の当時、直視したそれを振り返ります。
液晶の画面に目をやれば、否応なくインプットされる「被災」に「なにかしたい」と考えた方に、寄付先として学生のボラティア団体を選択肢に入れてみて欲しいと思い記事を書くことにしました。
被災地支援から離れて5年経ったいま。
長くなりますが、学生のときの自分の話をします。
2011年。僕が大学1年生のとき、東日本大震災が起きました。
当時、災害救援活動も手がけるボランティア団体「IVUSA」で活動していた僕のところには、その日のうちに安否確認の連絡が届き、自分が被災している状況にあることをリアルに感じさせられました。
数日後、この震災に対する災害救援活動についてアナウンスがありました。
僕が最初に被災地の東北に赴いたのは4月後半でした。「IVUSA」では継続的な活動の回数を示すとき「〇次隊」という言い方をするのですが、このときは4次隊で50名ほどが参加していた記憶があります。
ライフラインの復旧は不完全で僕たちの拠点は岩手の山間にあるキャンプ場でした。4月とはいえ東北の山中はそれは冷え込んでいます。しかも準備できたテントは夏用のもので、何枚毛布を重ねても寒さから逃れられなかった状態だったのを記憶しています。
当時の僕は災害救援に関わるのは初めてで、正直何もわからない。自分にできることがあるのかどうかもわからない。でもこの想いが止められない...と行動に移したタイプでした。そんな学生がたくさんいたと思います。
そんな被災地で痛感したのは、マンパワーの総量の大きさと同じか、それ以上に、知識や経験といった質的な要素が求められる活動なのだということです。普段、そうしたリソースを最適に活用するという視点はあまり語られないように思います。
当然、マンパワーが絶対的に必要です。
しかし、どれだけ集めてもリソースは限られても、それ以上にやるべきことは溢れています。過酷な現場で「ひとり」の力は無力にも思えるほど矮小に感じられるのですが、これをできる限り最大化していくことが大切に思います。
最大限の結果を出すためには、ボランティアセンターとの関係構築や情報集約能力、併せて被災された方の大切な「家」や「土地」にできる限りの処置をする技術や資機材が用意できるかどうかなど多要素です。
「IVUSA」は30年近く災害救援活動を続けてきた団体で、豊富な知識とスキル、リソースの蓄積がなされており、学生に対する研修やトレーニングが行われているため、実効性も高いレベルで保たれています。
4次隊以降、何度も東北に行き、伊豆の豪雨災害などでも活動をしてきましたが、そうして参加を重ねていくことで「災害」という非日常の環境に対する耐性やノウハウを多少は持った人材になったのではと思います。
災害を未来につなぐ
僕はIVUSAが災害救援を続けてきた理由を先輩や事務局に聞いたことがあります。彼らが口を揃えて話すのは「将来、自分が被災者となったときに、その土地のリーダーとして動ける人材を育てる」ということです。
目の前にある困難や解決すべき課題に向き合うのは当然のこと。
そこから何を学び、どう活かすのか。
どんな分野でも言われていることですが、災害という偶発的な環境に意図的に身を置くことはこうした活動でもしないと難しいですから、彼らが話した言葉は、僕が災害現場で学べきことの解として心にとどめています。
IVUSAを支えてくださる企業・団体はたくさんあって、さまざまな協賛をいただきながら活動をしています。しかし、活動を行うにあたってかかる費用すべてをまかなうことは難しく、学生たちはその一部を自分たちで支払うことになります。
実は、学生たちは災害救援以外のボランティア活動の準備をしています。
なかには数百人規模のプロジェクトもあって、その対応をするだけでも学生のキャパはほぼ限界です。
しかし、災害はいつやってくるかわからない。いくつものプロジェクトの準備を進めながら、起きてしまった問題に対して即応性が求められます。
IVUSAの被災地派遣が決まるたび、勇気ある学生たちに心から応援したい気持ちを抱き、同時に彼らのリアルを知る身として、彼らの活動がしやすくなるように費用負担を減らすことはできないかと常々思います。
もし、被災された方々に少しでもできることはないか?と思われる方は学生ボランティア団体IVUSAを応援することで、現場の1日でもはやい復興を祈るとともに将来の天災リスクに応えられる人材育成にお力添えいただけたら嬉しいです。
よかったら下記サイトもご覧になってください。
※本記事はIVUSA21期OB山崎が個人で書いたもので、団体からの依頼などは一切ありません。寄付によって僕が得られるメリットはありません。
なにかご関心をお持ちいただけましたらご支援お願いします。文章書いてよかった、誰かの支えになれたと励みになります。