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カウアイ火災

13年前当時、私はサンフランシスコのレストランでマネージャーを勤めていて目まぐるしい日々を送っていました。ある日、開店準備とケータリングオーダーの手配で頭がいっぱいの私の目に、オフィスのコンピューター画面の津波映像が飛び込んできました。東北大震災。祖国日本で未曾有の大災害がたった今、この瞬間起きている。大勢の人の命が失われている。それなのに、当時私の頭は店の切り盛りで一杯。津波被害は遠く離れたところで起こっている、スクリーンを通して知った事件として、共感どころか現実感もない、恥ずかしくも薄情なものでした。

人の心って、無知と、余裕のなさでそこまで鈍りくもってしまうものなのだと、今では自戒を込めて思い返します。

昨年、マウイで大火災がありもうすぐ一年が経ちます。そんな中、数日前からまた火の手が上がり、ようやく80%は鎮火されてほっと胸をなでおろしたのもつかの間、今度はカウアイで火災が拡がっています。

祈りが必要です。海を隔てた遠い南国の島で起きていること。でも、そこには同じ血を分けた日本人が住んでいる。明治の頃、日本各地から移住してこの地を開墾し、子孫の幸せを願った私たちの先祖が、ハワイ人の魂と共に眠っている。遠い昔、私たちは海洋民族として、ラピュタ、あるいはレムリアやムーの民として繋がっていた、同じルーツを持っている。

そんな思いを胸に、水の祈りを今、カウアイに向けています。
 

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