7月に読んだ本/本の話
7月に読んだ本たちがこちら。
読み終わった順にそのまま積んでいった。なので7月の一冊めは内田樹「寝ながら学べる構造主義」だったらしい。合計15冊。私にしてはハイペースで読んだ方。ちなみに理想は一月で20冊。でもまだできたことはない。20という数字は、私がこの人本読んでるな〜って思う人何人かの口から出た数字だから。15冊読んで思ったけど、20冊は結構ハードル高い。もちろん、ページ数やどの分野かにもよるけれど。
以下、特に印象に残ってる6冊の感想を書く。
★内田樹「寝ながら学べる構造主義」
寝ながら学べるというほどやさしい内容ではなかったけれど、口語体で読者に話しかけるように、講義みたいな雰囲気で書かれているので、読みやすかった。構造主義とはなんぞや?という大枠と、構造主義が生まれた経緯の要所がかいつまんでまとめられている。
内田先生の本を読むたびに思うけど、ほんとに筆が上手上手いんだこりゃ。例えのチョイス、それを踏まえてだからつまりこういうことだよっていう言い換えがドンピシャ。だから小難しいこともなんかちょっと分った気にさせてくれる。テキストだけで、こんなふうに言葉の周りにある余白とかニュアンスとか雰囲気とかも説明できるもんなんだなって、もうそっちに感嘆してしまって、内容が薄れてしまうほどに上手いのです。
★ブレイディみかこ「ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー2」
安定してよかった。やっぱりよかった。ちょっと泣けて、切なくて、日常にはままならないことがたくさんあるけれど、明日からも歩いていこうと、そう前向きになれるノンフィクション。
これは数年前に出た「ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー」の続編にあたる。それがよかったから、文庫本が出たのをきっかけに2があるのを知って迷いなく購入した。1(無印)の時よりちょっと成長した息子さんの成長が他人ながら感慨深い。
よその子とゴーヤは育つのが早い!って博多華丸・大吉さんの言葉が頭をよきった。
★ガブリエル・ガルシア=マルケス「百年の孤独」
一旦ここで書いたけど、長かくなったので別記事にて↓
★マーク・ボイル「ぼくはお金を使わずに生きることにした」
これはいろいろと思索が広がって、今も考えているので、また後日、別記事で書きたい。
★恒川光太郎「無貌の神」
恒川さんの短編、面白い。現実とゆるやかに繋がっている別世界。ファンタジーなんだけど、夢物語ではなくて、ふとした拍子いつもと少しだけタイミングがずれてしまったら誰しもぬるりと入り込んでしまいそうな、そんな世界。ホーラーっぽいけど怖くはなくて、ファンタジーだけど夢ゆめしくはない。私は恒川さんの世界感とても好き。他の作品も読みたいけど、勢いで一気に駆け抜けるのはもったいなく思うので、折をみて手に取りたい。
★藤沢周平「蝉しぐれ」
夢中で読んだ。「恋」でも「愛」でもない。どの言葉を使ってもこぼれ落ちてしまうようなその二人だけの心の糸のつながりがある。長い月日の雨風にさらされても消えることなく、胸の奥の一番深いところで灯り続ける誰かを思い慕うこころ。その悲哀が美しく描かれていた。
読後感がとてもよかった、あぁいい物語を読んだなって、そう思った。
「蝉しぐれ」より先に読んだ「たそがれ清兵衛」は、もう一つハマらなかったのだけど。蝉しぐれはほんとによかった。「たそがれ清兵衛」も「蝉しぐれ」の後に読んだらまた印象が違ったかもしれないと今は思う。というのも2つは同じ世界線(江戸時代の架空の藩である海坂藩が舞台)で描かれている作品だからだ。長編の「蝉しぐれ」でしっかりと海坂藩の世界に浸ってから、短編の「たそがれ清兵衛」を読むと、奥行きを感じて面白かったかもしれない。
「たそがれ清兵衛」の短編は、詳細こそ違えど、主人公の設定と話の筋はほとんど同じで、要約すると「仕事や家庭ではパッとしなくてちょっと軽んじられている主人公だけど、実は剣の達人で密かに(または密命にて)剣技で悪党を成敗して世直しする」だ。なので、世界観知らずに読んだ私は、なんか同じような話が続くな、、、と言う印象だった。
さらに言えば「たそがれ清兵衛」って映画化もされてるやつ=人気作なのでは?それが面白くない名から藤沢周平が合わないのか、、、とまで思っていたくらいだったので、「蝉しぐれ」が楽しめてなんかちょっとホッとした。
以上、読書の感想でした。
現在8月14日で読み終わったのは3冊くらい。併読してるのが4冊?くらい。7月ほどペースは良くないけど、楽しみながら読んでいるのでよしとしている。