サイモントン療法のビリーフワーク
大学院統合医療講座後期の授業でサイモントン療法という
アプローチを学んでいます。
わたしがこの統合医療の大学院講座に出会ったのはホリスティックな感覚からのですが、わたしのホリスティックに出会ってからの考え方はおおよそホリスティック医療の第1人者の帯津良一先生に影響されています。
(もちろん他の先生方にも多大な影響を受けていますが笑)
そのわたしのホリスティックな感覚の畑を耕してくれた帯津先生は希望を大切にしていると感じました。
患者さんのベッドサイドを一緒に回っていても、「うんうん」と話を聞き、拝まれたり、握手を求められたりして(もはや仏のよう😆)その患者さんが元気になったり、気持ちが明るくなったり、希望であるのだなあと感じることが多かったです。
生きる哀しみと生きる希望、これはとても相反するようなのですが私たちがこのいのちを生きていく上でとっても大切な感覚であると感じています。
その帯津先生とサイモントン先生は親交があったのことで
今まで帯津先生の考え方に共感していたわたしは、もちのろんでサイモントン療法への親和性も感じたわけです。
サイモントン療法とは
こちら統合医療の講座でもお世話になっている川畑先生です。
川畑先生のフラットで愛のある人柄のおかげもありサイモントン療法を興味深く学んでいます。
サイモントン療法とは
サイモントン療法は、米国の放射線腫瘍医で心理社会腫瘍医であるカール・サイモントン博士 ( O. CARL SIMONTON, M.D.)により開発された、がん患者さんとご家族(または支援者) のための心理療法です。 近年では、がんのみならず、ストレスに起因するさまざまな病気に対してサイモントンのプログラムが提供されています。
サイモントン先生は、診断と治療が同じでも、成果が出て健康を取り戻す患者さんと、全く成果が出ずに死を迎える患者さんとに分かれるという矛盾に直面します。
ここで、患者さんの精神・心理状態、またそれにともなう生きる姿勢が、病気や治癒の過程に影響を与えることを認識します。
希望をもって治療や日常生活に取り組む患者さんと、
絶望感に苛まれながらそうする患者さんとのあいだに、大きな回復の差を見たとのことです。
このような体験からサイモントン療法が開発されてきたようです。
サイモントン療法のプログラム
サイモントン療法は
・私達の本性について
・喜び・生きがいのワーク
・ビリーフワーク(認知行動療法)
・ストレスのパターンと病気の恩恵
・イメージの力
・希望・信頼・内なる叡智
・スピリチュアリティー
・死生観
・サポートとコミュニケーション
・遊び
・2年間の健康プランの作成
・リラクゼーション・メディテーション
などのアプローチが含まれています。
サイモントン療法はイメージ療法というイメージがあるようですが、実際には上記の様々なアプローチを組み合わせ6日間のリトリートで行われます。
(2023年1月現在はコロナの影響により、半年間のオンラインプログラムへ移行中)
この中のひとつ
ビリーフワークがとっても興味深く面白いものであると感じています。
まさに生きるには希望が必要というのにつながるワークのよう。
しかもぶっ飛んだような希望ではなく、フラットに自分を見つめることができるワークです。
私たちを悩ませるものの本質とは。
「なぜわたしばかり次から次へと悩みが降りかかってくるのだろうか。」
と思わざるを得ないようなこともあります。
私たちは、いったい何によって悩まれさているのでしょうか。
私たちは何かが起きた時、その出来事に対して悩まされると考えがちです。
でも、実際にはその出来事そのものではなく、その出来事をどのように捉えたかによって悩まされているのです。
その出来事を私たちがどのように解釈したかによって、
狼狽したり悲しむと言った感情が沸き起こってくる。
その私たちの感情を生み出す思考や思い込み(信念)を事実に基づいていない不健全なものから健全なものに変えることワークのことをビリーフワークと言います。
本来は、病気の時などはいざ必要な時のみに行うこのビリーフワークですが、今回私たち学生は練習とのことで、日々のモヤモヤや否定的な感情をキャッチし自らのビリーフワークを行いました。
わたしの感情は「焦り」
カウンセラー役のお仲間に引き出してもらった
わたしのビリーフたちはこちら(公開!笑)
・孤独になったり働きづめの未来が来るに違いない
・自分には実力がない
・結婚すると自由がなくなるので結婚するべきでない
・時代の流れが速くてついていけないから取り残される
・職場で新しいポジションがつくれないしその道は厳しい
これをモルツビーの5つの質問で見ていきます
1この思考は事実に基づいていますか
2この思考は自分の健康や生命を守るのに役立ちますか
3この思考は自分の短期的・長期的目標を達成するのに役立ちますか
4この思考は自分の悩みや問題を解消・解決するのに役立ちますか
5この思考は望ましい気分をもたらしますか
この質問で3つ以上がイエスの場合、健全思考と考えます。
例えば一つ目のビリーフ
「孤独になったり働きづめの未来が来るに違いない」だと
1この思考は事実に基づいていますか
→NO そうとは決まっていない
2この思考は自分の健康や生命を守るのに役立ちますか
→NO
3この思考は自分の短期的・長期的目標を達成するのに役立ちますか
→NO
4この思考は自分の悩みや問題を解消・解決するのに役立ちますか
→NO
5この思考は望ましい気分をもたらしますか
→NO!!悲しくなる。
となるわけで、
このビリーフは不健全だということを客観的に認識します。
そこから、健全な思考へ解釈を書き換えていきます。
孤独になったり働きづめの未来が来るに違いない
→孤独になったり働きづめの未来がくるとは限らないし、
むしろ大家族になるなどして働かなくてよくなるかもしれない。
・自分には実力がない
→自分には実力がないとは限らないし、これからますます開花する可能性もある。すでに実力はある。
結婚すると自由がなくなるので結婚するべきでない
→結婚しても自由がなくなるとは限らない。
結婚しても自由にすごせる。新たな喜びを発見することも可能だ。やりたいことをやって生きていける。
時代の流れが速くてついていけないから取り残される
→時代の流れが速くてもついていく必要はない。助けを求めてよい。助けを得ながら時代の流れについていくことは可能だ。私の周りには必要な仲間がいる。
職場で新しいポジションがつくれない。その道は厳しい
→やってみないことにはわからない。ポジションが作れる可能性もある。今のポジションにいても私なりの役割がある。
・体力がないので働くことが苦しくなる
→体力がなくても働ける仕事はあるし、今の体力をつけていくこともできる。
というような感じです。
この書き換えたビリーフを読んでみてスッキリしたり、楽になったと感じられたら適切な状態となります。
スケールで言うと焦りを抱えていた状態が7/10以上だったとしたら
これを読み終わったときに半分以下になっている状態を確認します。
そして大切なことは、
このビリーフは書き換えただけでは自分の信念は変わりないということです。
これを毎日3回読み上げること、自分が不健全思考を感じたときにまた読み上げることが大切になります。
私たちにはこの思考を選択する権利があり、この思考を獲得する過程が必要になります。
個人差はありますが、3−6週間続けると
新しい健全思考が自分のものとして定着すると言われています。
今まで信じていないことを信じる作業はとてもエネルギーを要するプロセスになりますが、非常に効果の高いワークとなります。
と、長々書きましたが、
サイモントン療法の考え方・根本は病気にならずとも
私たちの生きるにおいてとても有意義なアプローチだということを感じております。
ぜひ、ご興味ある方HPを覗いてみてくださいね。
こちらの本もおすすめです!
(今回の投稿はこちらの本からの引用がほとんどです)
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