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《聖書-2》ノアの方舟

こんにちは。
Ayaです。
今日は聖書第二回として、『ノアの方舟』を取り上げます。

ノアの方舟

アダムとイブの三男セツの子孫によって地上は満たされていきます。しかし、世代が下るにつれて神への信仰心がなくなり、人々は快楽のままに生活する様になりました。神はその様子を見て、人類を滅ぼそうと決めました(どうやら怒りっぽい神様のようです)。しかし、一から作り直すのは面倒だったので、善人の一家だけ助けることを決めます。こうして選ばれたのが、ノアでした。
ノアは当時600歳の信仰心の強い人間で、妻と息子たち、その嫁たちと慎ましく暮らしていました。神はそんな彼を見込み、生き残させる家族に選びます。神はノアに『大きな舟』を作るように命じました。ノアはその言葉通り、家族と一生懸命舟を作ります。神はさらに行いの良い動物のつがいを選び、舟に乗れるように命じました。神の言葉を聞いた善良なつがいたちがぞくぞくと、ノアの方舟に集まってきました。

ヤン・ブリューゲル(父)『ノアの方舟への乗船』
ブリューゲルの息子で、『花のブリューゲル』と言われていた。息子・孫と代々画家になっている

ついに始まった雨。最初はたいしたことないとタカをくくっていた人々も、逃げ惑うこととなります。この場面もミケランジェロが描いています。こちらです。

ミケランジェロ『大洪水』

ミケランジェロがシスティーナ礼拝堂天井画に着手しはじめて最初に描いた作品です。この作品を完成させたところ、「天井が高すぎて、細かく描いても見えないやん!」と気がつき、以降は大きく描くようになったのだとか。意外と天然?なエピソードですね。
脱線してすみません汗。話をもとに戻します。
大雨は40日間続きました。方舟に閉じ込められ、その最中も動物たちの世話に追われてストレスばかりの日々だったでしょう。
しばらく経つと水位も下がってきたため、ノアはカラスを離します。しかし、すぐ戻ってきてしまったので、まだ水がひききっていないと判断しました。
さらに7日経つと、今度はハトを離します。ハトは舟から飛び立ち、オリーブをくわえて帰ってきました。ノア一家は喜び、下船する準備をはじめました。このエピソードからハトは平和の象徴とされますが、有名な作品があります。ラファエル前派のミレイ作『鳩の帰還』です。描かれているのはノアではなく、彼の息子の嫁たちです。実際に動物たちの世話をしていたのは彼女たちだったでしょうから、やっと外に出られる歓びに溢れていたでしょう。

ミレイ『鳩の帰還』

神からも許しが出たので、ノアたちは舟から地上に降り立ちました。ノアは神に生贄を捧げ、神もよろこびます。一組のつがいしか乗せてないはずなのに、一種類の動物を滅ぼしてない‥??と思ってしまいますが、信仰深いノアのことですので生贄用の動物もつれていたということにしましょう(ちょっと強引やな)
こうして洪水を生き残ったノア一家でしたが、後日談のエピソードが伝わってます。
被災後、葡萄の栽培を始めたノア。初めての葡萄ができたとき、調子に乗って酔っ払い、全裸で寝てしまいます。息子のハムはその姿を兄たちに告げ口し、兄たちはノアの裸を見ずにそっと布をかぶせました。酔いが覚めてこのことを知ったノアはハムに激怒し、彼を呪いました。これは同性愛(キリスト教などでは大罪とされる)を隠喩的に記述したエピソードとされていますが、息子を呪うってヤバい父親にしか見えないのですが‥。ノアは『信仰深い人物』とされていますが、首を捻りたくなります。

さて、本日の話はここまでです。大洪水の話はギリシア神話でもデウカリオン(火を人間に授けたプロメテウスの息子)のエピソードとして取り上げられていますし、ギルガメッシュ叙事詩にも謳われているので、本当にあったことなのかもしれません。人類共通の記憶に染み付いているのでしょう。
さて、今度はノアの子孫が地上に栄えていくこととなります。

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