発達障害で不登校の子どもを2人持つ母親が、ライアー作りに挑戦した話し
うちには、発達障害の子どもが2人いる。
1人は五月雨登校の小6。
もう1人は、ほぼ不登校の小1。
そんな感じなので、子ども達は一日中ほとんど家にいるし、毎日のように、学校の先生が迎えに来たり、電話がかかって来たりする。
土曜日は、子ども達を療育に連れて行ってるし、夫がシフト制の仕事の為、土日休みとは限らないので、日曜日は朝から晩まで子ども達の世話に追われる。
そう…私には、ほぼ自分1人の時間というもがない。
だんだんと体調が悪くなり、今や、精神科に通い、処方された薬を飲み、とにかく常にだるくて眠くて、最低限の家事しか出来なくて、少しでも時間があったら横になっているので、家の中は足の踏み場もないほど散らかってるわ、テーブルの上も、常に、なだれが起きる程、物が乗っかっているようなところでご飯を食べているわ、もはやゴミ屋敷。
そんな中、友達に「ライアー作ってみない?」と誘われた。
ライアーとは、自分で木を彫って、弦を張る楽器のこと。
友達がライアーを持っていたので、前から存在は知っていたけれど、私には無縁な物だと思っていたので、今までは全く興味がなかった。
だけど、友達に誘われた時、なぜだか「作ってみようかな。」という気持ちが湧いて来た。
しかしライアー作りは、4日間、朝から晩までの時間を要する。
今まで4日間も、自分の時間を持った事がなかったので、まずは、夫に休みが取れるよう聞いたら、4日間のうち、何とか前半2日間は休みが取れた。
後半2日間は、1日を放デイに子どもを預け、もう1日はママ友に子どもを預ける事にした。
他にもたくさん諸々の準備と手配をして、何だかライアー作る前から、いっぱいいっぱいの状態で、何とかライヤー作りの初日を迎えた。
1日目、一緒にライアーを作る人達の中に、知っている人もいたけれど、とにかく人見知りな私は、まずは人と場所と慣れない作業というだけで緊張。
全くうまく彫る事が出来ず、しまいには先生に「もっと自然を良く見て。」と言われる始末。
めちゃくちゃ落ち込んで帰宅し、2日目の翌朝は、アトリエに行く前に、少し寄り道をして自然を堪能してからアトリエへ。
それでも迷走…先生に「少し散歩しておいで。」と言われ、アトリエから出て少しお散歩。
こんなに自然を1人で眺める事をしたのなんて、何年ぶりだろう。
それでも、どうして良いやら全く分からず、でも限られた時間しかないので、とにかく彫った。
普段使わない、腰やら手やらが痛くなって来た3日目。
ようやく先生に「少し良くなって来たね。」と言われながらも、とにかく彫る作業を続けた。
明日が最終日で、間に合わなそうだったので、ライアーと彫刻刀を借りて持ち帰り、帰宅してから、子どもに邪魔されながら何とかできる限りの事をやり、ついに最終日を迎えた。
最終日は、ニスだか何だかを木に塗って乾かし、好きな天然石があれば石を入れて、弦を張る。
石を入れるのにも苦労した上に、弦を張るのはもっと苦労したけれど…何とか出来上がった!!
12月だというのに、4日間とも汗だくでの作業。
仲間達と一緒にライアー作りをしながら、こんなに笑ったのは、いつぶりだろう?って思うほど、笑ったり、泣いたりしながらのライアー作り。
彫りながら、自分が幼かった時に、母から怒鳴られたり叩かれたりして辛かった事や、今現在の子ども達の不登校の事など、色々な事を思い出したけど、だんだんと、そんな事はどうでも良くなり、自然の恵みや、木に感謝の気持ちが出て来た。
それと同時に、もちろんライアー作りの鬼塚先生、ライアーを心地よく作れるようアトリエを提供してくれたお友達、一緒にライアー作りをした仲間達、ライアー作りを勧めてくれたお友達、子どもを預かってくれたお友達、4日間全く家事をしないでも何の文句も言わず、むしろ応援してくれた家族。
みんなに感謝の気持ちでいっぱいになり、胸が熱くなった。
体はめちゃくちゃ疲れていて、腰や手も痛くてぐったりしてるけど、感動とスッキリ爽やかな感じが、まるで産後直後の感じと似ていた。
ともかく、子ども達や家族の事以外で、こんなに時間を持つ事が出来たり、何かに集中したり、たくさん笑ったり、自然を堪能する事だったりなんて、何年ぶりだろう。
もう、子どもを学校に行かせるとか、こだわらなくてもいいや!
学校に行きたくないのなら、子ども達と一緒に自然を堪能しに出かけよう!
そんな風に思えるようになったライアー作りでした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました🙇