
【甘い戦争】 ザッハートルテ "オリジナル"を巡って7年/9年裁判の行く末は・・・
昔、ホテル「 ザッハー」と王宮御用達のカフェハウス「デーメル」が、どちらがオリジナルかを争って7年間の裁判がありました。
この裁判はオーストリアの菓子業界で最も有名な法廷闘争の一つとなりました。
ザッハートルテの起源
ザッハートルテは、1832年に当時また16歳だったフランツ・ザッハー (Franz Sacher) によって考案されたチョコレートケーキです。
当時、オーストリア帝国の宰相メッテルニヒの宮廷で働いていた彼が、「特別なデザートを」との命を受けて作ったのが始まりとされています。

食後にサプライズで、ザッハートルテをプレゼントして頂きました。
後に、フランツの息子、エドゥアルト・ザッハー(Eduard Sacher)は、ウィーンの有名な王宮御用達 カフェ・デーメルで修行し、父フランツのレシピを改良し、ザッハートルテはデーメルで販売されるようになりました。
エドゥアルトは後に「ホテル・ザッハー」を創業し、そこでもザッハートルテを提供し始めました。
これが後の法的争いの火種となります。

裁判の発端
1907年にエドゥアルトが亡くなると、ホテル・ザッハーの経営は妻のアンナ・ザッハー(Anna Sacher)が引き継ぎましたが、ホテル・ザッハーは次第に経営が悪化し、1934年に倒産します。その後、ホテルは新たな経営陣によって再建されましたが、エドゥアルトのレシピを受け継いだとされるデーメルもザッハートルテを販売し続けていました。
1950年代になると、デーメルが「オリジナル・ザッハートルテ(Original Sacher-Torte)」という名称を使用し始めます。
これに対し、ホテル・ザッハーは「自分たちこそが本家であり、デーメルの主張は不当である」として、1954年に裁判を起こしました。
和解と裁判の決着
最終的に、1963年に裁判は和解に至りました。
ホテル・ザッハーが「オリジナル・ザッハートルテ(Original Sacher-Torte)」の商標を正式に取得する
これにより、ホテル・ザッハーは「オリジナル」の名を使える唯一の店となりました。
デーメルもザッハートルテを販売できるが「オリジナル」の表記は使用不可
デーメル・ザッハートルテ(Demel's Sacher-Torte)という名称で販売を継続しました。

1954年に裁判が始まり、和解が成立したのは1963年なので、単純に数えると9年間になります。
しかし、この裁判が「7年戦争」と呼ばれる説はいくつかある様です。
ウィーン地方裁判所で始まったのは1955年であり、その後7年間、激しい争いが続いたとされています。
そして、1961年頃に基本的な決着がつき、1963年に正式に和解が成立したため、主要な争いが続いた期間として「7年戦争」と呼ばれるようになった可能性があります。


中にはスポンジの間にアプリコットのジャムが挟まれています。
上には丸いロゴのチョコが載っています。

上には三角形のロゴのチョコレート

スポンジの周りをアプリコットジャムでコーティングしてあります。
(写真がボケていて 判らないと思います・・)
甘いものが苦手な私には、どちらも甘すぎて、味の違いも感じられません。
カフェハウスでは生クリームが添えられるため、最初は驚きました。
しかし、生クリーム自体はほとんど甘くないので、一緒に食べることで甘さが中和され、むしろ食べやすく感じました。


いいなと思ったら応援しよう!
