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フランスには黃信号がない

「今まだオレンジだったよね?」

赤信号に変わる直前で交差点を通り過ぎたフランス人夫は助手席に座る私にこう尋ねた。

「え?は?待って、黄色じゃなくて?」

と驚いて答えた私に

「いやだから今通り過ぎた時まだ赤になってなかったよね?ここの交差点はわからないけど場所によっては赤で通り過ぎると自動で撮影されて捕まる事があるんだよ」

いや、待て。そこではない。
今私が絶対的に聞きたいのはさっきの信号をオレンジと言った事だ。

ここでややこしいのがこれらのすべての会話が英語でなされている事である。
日本語で信号は「赤・黄・青」だが英語では「レッド・イエロー・グリーン」なのだ。
確かにどう見たって緑色の信号を日本人はなんの疑問もなく青信号と呼んでいて、それはそれでたいへんおかしいのだが、オレンジ信号なんてのは聞いた事がないからほんとうにびっくりした。


私と彼は一緒に暮らして7年、フランスに住み始めてからは半年以上になるのにこんな基本的な事にも新しい発見(筆者が無知なだけ)があるとは思いもよらなかった。
この時初めて私はフランスの信号が「ルージュ・オランジュ・ヴェール(赤・オレンジ・緑)」である事を知ったのだ。

ところで筆者は7年もフランス人と暮らしているくせにフランス語ができない。それは単純に英語で夫婦間のコミュニケーションが成立してしまっているからに他ならないが、フランス語の難しさも理由のひとつである。

先の「オランジュ」ひとつ取ってもカタカナの字面の通りに読んだのでは全く通じないのだ。
「orange」と書くのでスペルは英語のオレンジと全く一緒だが、その発音は結構難しい。

2文字目のRがたいへん曲者で、喉に痰でも詰まってるのかという音を出さなければならないのだ。
そしてこれは日常のありとあらゆる言葉に含まれていて、かの有名な「メルシー」もそのひとつである。

「Merci(ありがとう)」なんてすっと自然に言いたいのに未だに自信がない。

最近困ったのは「ルノー」
フランスの自動車メーカー「Renault」だ。正直他の言葉はRの発音が多少曖昧でも全体の雰囲気で伝わるが、ルノーは一番最初のRがきちんと発音できないと全く伝わらない。

「ルノーだよルノー!フランスの自動車メーカーの!日本で言ったらトヨタ?ほら、シトロエン、プジョー、ルノー、のルノー!」
とここまで言ってもポカンとされたのでさすがに心が折れた。

こんな調子では現在4ヶ月の息子の方が上手に喋りだすのは時間の問題であろう。
それこそ将来息子に通訳してもらうために私は日本語を教えないといけないからなんて言い訳まで付いてくるんだからたちが悪い。

ともあれ話があっちこっちへ行ってしまったが今日もフランス語の勉強はしないで終わりそうなので、せめて締めの挨拶だけでもフランス語で。

Salut!

サリュー!

これはカタカナ読みで伝わるし
「やぁ」とか「じゃあね」とかみたいな感じで会った時にも別れる時にも使える便利な言葉なので、身近なフランス人の友達に使ってみると良いと思います。

現地からは以上です。

前回の初noteに思ったよりたくさんのスキをいただけてとっても嬉しかったのでまたこちらの暮らしで気になった事なんかを書いていこうと思います。


記事画像出典 https://fr.m.wikipedia.org/wiki/Feu_de_circulation
↑一番オレンジ色だから載せたけどFarmaciaってイタリア語...?

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