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山水画・花鳥画好き必見 中国映画「春江水暖~しゅんこうすいだん~」を観て
どうしてこの映画を観ようと思ったのか
コロナ禍に見舞われ早1年、海外へ行くことが難しい状況がここまで続くとかなりフラストレーションが溜まっていました。そこで映像からでもいいから異国情緒を感じたい!!!と思って行き当たったのがこの映画でした。この選択、大正解でした。また、映画の宣伝で「現代の山水絵巻のごとく中国新世代の才能が描いた驚嘆の傑作」と書かれていたので、絵巻のような映画なんて、どれほどの映像なんだろうと、美術館へ行くような気分で映画館へ行くことにしました。
美しすぎる映像
中国映画というと、スケール感のある豪華絢爛な映像を想像される方も多いかもしれませんが、「春江水暖~しゅんこうすいだん~」はそういった美しさとは違った、儚く甘美な美さの感じられる映画です。美しい風景映像の中で、中国の都市に生きる人々が経済成長に翻弄されながらも未来に向かって生きていく姿が、切なくたくましく感じられました。映像の一部では、どこまで長回しするの?というくらいワンカットのなが~いシーンがあるのですが、まさに絵巻を観ているようで圧巻でした。この映画は、絶対に映画館で観たほうがいいです。山、川、花、鳥、街、人が本当に美しい。
好きなことをやり続けていくこと
監督は32歳と若くしてすばらしい才能がある方だなと思ったのだけれど、なんとこの作品が初監督!これまでは、自主的に作品制作を続けていたそう。活動を続けていく中で、こうやって多くの方の目に触れる作品制作に辿り着くまでは本当に地道なことの連続だったのだろうと思う。でも、自分が好きだと思うことを続けていれば、想像もしてなかった場所に行けてしまうことがある。最近、そういう現象を見たり聞いたりすることが増えてきたので、どんな形でも「すき」を続けることが、生きてくための心の糧になったらいいなあと思いました。
+TOPICS
わたしが先日noteで書いていた「ヤクザと家族 The Family」藤井道人監督と本作のグー・シャオガン監督の対談記事が公開されているのですが、日本と中国の映画製作の裏側が垣間見れてとても面白かったです。また、お二人とも「家族」をテーマに映画製作されているので、その点も比較対象されるところがありとても興味深かったです。
この映画を観て、中国の絵画や美術の知識があったらより楽しめたんだろうなあと思いました。中国から日本に入ってきた花鳥画は、日本でも花開いています。近々上野で花鳥画の天才「渡辺省亭」の展覧会が開催されるようなので、こちらも眼福間違いなしと期待しています。
▶欧米を魅了した花鳥画渡辺省亭 2021年3月27日(土)~ 5月23日(日)(東京藝術大学大学美術館)
執筆者: 谷 綾花/Ayaka Tani (ライター)
PR会社などで多岐にわたるブランドマネジメント業務を経験。会社員として企業のブランドマネジメントに携わりながら、ライター・編集としても活動中。書くことを通して、書籍・映像・音楽など形に残る作品製作に携われたらと思いnoteをはじめました。[Instagram]atnf428
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