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カシミール旅行記⑨「映画『バジュランギおじさんと、小さな迷子』のロケ地をめぐる」

今年の3月にインドのカシミール地方に旅行に行った時の記録…

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前回の記事で紹介したように、私がカシミールに興味を持つきっかけともなったボリウッド映画『Haider』のロケ地”Martand Sun Temple”を十二分に堪能した私は、本日の目的地であるカシミールの中で最も人気のある観光地、パハルガムに向かった。

が、しかし!

インド映画好きの私だ。
先ほどのロケ地でテンションが上がったためさらに欲が出た。

実はパハルガムに行く途中もう一つ大好きなボリウッド映画作品のロケ地があったのだ。

それがこちらだ👇 

こちらは日本でも公開された「バジュランギおじさんと、小さな迷子」の音楽シーン”Bhar Do Jholi Meri”!!


「バジュランギおじさんと、小さな迷子」公式サイトより画像を引用

作中ではパキスタンの街として描かれているこの緑色の寺院がある場所は実はインドのカシミール。
しかも私が今から行くパハルガムの近くだった。

ドライバーのアクバルに尋ねる。

「バジュランギのBhar Do Jholi Meriのロケ地って近い??」

「お!ちかいぞ!なんだ寄りたいのか??」


もちろん!めっちゃ寄りたい!!!!


ということで私は目的地のパハルガムに行く前にまたもや寄り道をすることにした。

このAishmuqam Shrineは丘の上にあり、車は丘を上がる手前の繁華街で止まった。

上記の「Bhar Do Jholi Meri」のMVでバジュランギおじさんことサルマン・カーンがバスから降り立った場所と同じだ。


ムンニをおぶったサルマーンと同じように私も一歩一歩階段を昇っていく。

こういうなんでもない所でも、映画のシーンで使われた場所というだけでワクワクしてしまうのがオタクの性である。

途中フェラン(Pheran)と呼ばれるカシミールの伝統的な衣装を着た人がパラパラといてすれ違う。

カシミールではこのフェランを着た男性をよく見かけた。

そして皆寒いからか一様に手を袖の中にしまって着ているのだ。

なんだかこれがとってもかわいくて素敵で、私はこの旅の帰り道のお土産屋さんでフェランを買って帰るか真剣に悩んだ。

しかも男物のこのおじさんが着ているような地味目の色のものが欲しかった。

フェランは女性物もあるのだが色はもう少し鮮やかで刺繍が入ったものが多い。

Kashmir Villaより画像を引用


女性物ももちろんかわいいのだけれど、映画「Haider」でシャーヒドが来ていたような男物のフェランをあえてダボっと着こなすことになぜだか強い憧れがあった!!

まるで彼氏の家で彼の大きなTシャツを着てしまう小柄女子のように…。

ちなみに私は身長167cmでガタイも結構いいので、日本の平均的な体格の男性の服を着たとて普通にぴったりサイズだ…。

そういうこともあって変な憧れがあったのかもしれない…。

最終的にお土産屋で男性物のフェランを試着までした。

しかし、3月の時点でまだストーブが必要なカシミールと違い私が住むデリーは既に30度越え。

そんなデリーにウール素材のフェラン(しかも男物)を買って帰っていったいいつ着るねん⁉と購入一歩手前できちんと冷静になり結局今回は買わなかった。

Haiderでシャーヒドも来ていたフェラン。indicine.comより画像を引用 


さて、丘の上の寺院を目指し黙々と階段を上っていく。
この階段がなかなか長い。なかなかしんどい。
調べたら560段あるらしい。


コロナの影響か、はたまたオフシーズンだからなのか階段の両端にあるお店はシャッターを下ろしているところが多かったが、こんな大きなプーリー?のようなものを売っている屋台も見つけた。


ちなみに寺院に近づくにつれて、おそらく寺院とは関係ない人が「寺院に行くならお布施が必要だ!!」と声をかけてくるので注意が必要だ。

私は寺院入り口付近で話しかけてきた男に少し払ってしまった…。


息も絶え絶えになりながら階段を登り続け、ついに到着した!!

まずはお参りをするために三角屋根のモスクへ。

色んな国を旅してきて思うのは、いわゆる無宗教といわれる日本人はこういう時どこにでも入っていけて変な感じがする。

仏教寺院も、神社も、教会も、モスクも、ヒンドゥー寺院も、シーク教のグルドワラも…特に何の感情もない…というと言い過ぎだが躊躇することなく入っていける。

今回私は突然のアクシデントで1人でこの寺院やパハルガムに行くことになったが、元々は友人と友人のインド人旦那さん(敬虔なヒンドゥー教徒)と一緒に来る予定だった。

おそらく彼と一緒だったら今日このモスクには来れなかったと思う。

そう考えると無宗教の日本人はラッキーというかいいとこどりというか…

でも、真剣に信じる対象がないというのはなんだか寂しいし、私たち日本人のアイデンティティはいったいどこに…?とも思ったりする。



モスクの中はとても静かで、私が行った時にはムスリムの女性が1人だけぽつんと座っており、真剣に祈りをささげていた。

あまりじろじろ見たわけではないが、その女性は少し泣いているようだった。

何かあったのかな…救いの手が差し伸べられますように。



お参りをして気持ちばかりのお布施をした後は、いざ!ロケ地画角探し!!

上記のバジュランギおじさんと、小さな迷子の音楽シーンBhar Do Jholi Meri” でアドナン・サミー・カーンがハーモニウムを演奏しながら歌っている場所を探すミッションが私にはあるのだ!!

前の記事でも書いたのだが、映画好きにとってのロケ地というのは無条件にテンションが上がる聖地である。

そして、

「このシーンはどの画角から撮影されたのか?」

「あのスター俳優が座った場所、通った道はどこなのか?!」

というのを探すのが何よりも楽しく、ロケ地の巡りの醍醐味である!!・・・と私は思う。


スマホの画面にMVを流しながら同じ写真が撮れる場所を探しウロウロと歩きまわった。

そして、見つけた!!

”Bhar Do Jholi Meri”より1シーンを引用

フェンスの感じなどを見てもまさしくココである!!

アドナン・サミー・カーンが演奏した場所、サルマーンがムンニを抱えて座ったのはまさにここだ!

一人想いを馳せながら写真や動画を撮りまくった!!

ムンニのお母さんとお父さんが祈りながらヒモ?を結んでいたフェンスも発見した。


帰り道には来るときに上ってきた階段でもロケポイントを発見!!

新聞記者であるナワーズッディーン・シッディーキーがバジュランギの動画を投稿したインターネットカフェと、追っ手に気づいて駆け上がった階段。


Bhar Do Jholi Meriより1シーンを引用



朝から2箇所の大好きなボリウッド映画ロケ地を堪能した私。

時刻はすでに13時!

寄り道ばかりしてしまったが、いよいよやっと本日の一番の目的地、カシミール1の観光名所、パハルガムに向かうのだった…。


«続く»

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