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娘の成長と変化
わたしには娘がいる。夫との離婚が決まった当時、8歳だった。
小学校に上がるまでは、ママがいないとダメな子で。何をするにも、ママに見ていてほしいし、ママと一緒にいたい。
もっと遡ると、幼稚園に上がるまでは、パパと2人でお留守番のときは、ずっと泣いている子だった。
娘が幼稚園にあがってから、それまでは控えざるを得なかった週末のアルバイトや、地方出張で学びたいコースや講座にも、わたしは出かけるようになった。
夜になるとやっぱり娘は泣いてしまうので、パパや手伝いに来てくれた実母は大変だったと思う。家族のたくさんの協力のお陰で、わたしは少しずつやりたいことをやれる環境ができていった。
そんな娘も、小学2年生に上がるころには、ママがいなくても(寂しいけど)泣くことはなくなり、親よりも友達と遊ぶことの方が楽しくなった。成長を感じる。
お互いのちょうどよい距離感
わたしとのコミュニケーションに不具合が生じるようになったのもそのころから。どんな不具合かと言うと、会話が口論のようになってしまうのだ。
娘がわたしに話してくれる内容が、そのままだとわたしには言葉が足らず理解ができない。だから質問するのだけれど、娘は質問されるとイライラしてくる。
私への答え方もめんどくさがってするから、必要な内容が盛り込まれていない。何度か質問しないと、話の内容が見えてこないので、どうしてもやり取りが長くなる。するとますますイライラする娘。
娘が話してくれる話の内容がわからないままでは残念だから質問している。それなのに、答えてもらえないどころか、イライラをぶつけられるわたしも会話の途中から嫌気がさしてくる。
こんな具合だ。
わたしと娘の脳内の言語処理の仕方が違うのだろうか。しかも違うだけじゃなくて処理の仕方の相性がよくないのではないだろうか、とわたしは分析している。
娘もわたしとのコミュニケーションにストレスを感じていると訴えていて、あるとき、
「ママは、週に2~3日家にいてくれればそれでいい」と言うようになった。
母親が8歳の娘にそう言われたら、どんな感情を抱くのだろうか、わからないけれども、わたしはショックを受けることはなく、わたしもそれは好都合と感じたのが正直なところ。
わたしは、どちらかというとお世話好きなママではなく、娘を子どもとしては扱わず、1人の人として関わり、子どもであっても「自分のことは自分でやる」が前提。そうは言っても、できないことだけは手助けするけれども。
娘にそんな風に言われるようになったころ、わたしはわたしで、夫と夫婦でい続けることに違和感があるのを自覚し始め、わたしの中には離婚の文字がチラつき始めていた。
娘はわたしのサポーター
わたしは、自分の中に離婚したい意志があることがわかってきたときから、夫よりもまず娘に打ち明け相談した。
娘に何と言われようと、わたしの意志は変わることはないのだけど、普段から相談相手として頼りにしていたし、彼女を傷つけてまで離婚することは望んでいなかったから。
離婚は大人だけのテーマとして扱われやすいのかもしれない。でも、わたしは娘を子どもというよりは、家族の一員だと思っているし、離婚のときに一番傷つけたくない人でもあったから、隠さず、誤魔化さず、いろいろ話した。女同士として。
彼女を傷つけずに、わたしの意志を形にするにはどうしたらよいかと、考えたかったからだ。
娘がわたしにどんな関わり方を求めているのか知るために、説明や質問をたくさんした。8歳の子どもにもわかるように、言葉を変えたり、いろいろな場面を想定したりして、何度も彼女の気持ちを確認した。
娘は、離婚しても自分の希望どおり週に2~3日ママが家にいるのであれば何の問題もない、と最初から離婚に乗り気だった。そうは言ってもまだ8歳だ。夫や親は、8歳の子にそんな判断ができるのかと最初は疑心暗鬼だった。
わたしもそれは気になっていたので、本当に離婚が娘を傷つけやしないのか、念には念を入れて繰り返し確認した。後半は「ママしつこいよ」と言われたほど。娘は8歳だけど、こちらが思っている以上に理解しているし、家族の【形】に、わたしたちやわたしたちの親世代のようなこだわりがないのだとわかった。
娘は「ママがやりたいことをやったらいいし、一緒にいたい人といたらいい」と言ってくれていた。そんな娘だったから、8歳というこのタイミングで夫に離婚の意志を告白することに踏み切ることを決意できた。
わたしと娘の間では、この離婚は【わたしたち家族の挑戦】という捉え方で不思議と一致してもいた。
実際に離婚して、わたしが家を出て別に住み、娘のリクエストどおり週に2~3日通う生活が始まった。寝るときにママがいないのを寂しく感じるときもあるようだけれど、今の距離感がちょうどよいと娘は言う。楽しいと言う。
離婚する家庭すべてが不幸なわけではないんだと今、確信して言える。
お互いに大好き。だけど、べったりそばにいることを求めなくなった自立心が高く自由でいたい娘と、母や妻という枠から羽ばたいて生きていってみたい、わたし。
わたしたちは、そんな母娘。よいコンビだ。いや、サポーターであり、パートナーだ。
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