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日本とスペイン「4回目のデート」の謎

つい先日、日本語を教えているスペイン人の生徒(男性・40代)に「どうして、日本では4回目のデートで付き合うんですか」といきなり聞かれた。
 
4回目のデートで付き合うなんて話は聞いたことないし、すっかり日本のデートシーンから遠ざかってしまった私は一瞬考え込んでしまった。よくわからないので、どういうことかもう少し深掘りしてみると、こういうことだった。
 
自分が京都に短期滞在したとき、男友達が「4回目も」デートしたから付き合うと言っていた。自分はその逆で、女友達と4回ほど飲みに行ったが、彼女のことは友人としかみることができないので、何も行動を起こさなかった。そしたら彼女が怒って自分に連絡をよこさなくなった。
 
「4回」というのが、付き合うか付き合わないかの分岐点なのか? 会う頻度にもよるけれど、あかの他人と4回しか会っていないのに恋人になるというのは、リスキーすぎないか?──と思ったけれど、そもそも日本とスペインでは付き合うまでの過程が違う。
 
日本では、何回か会って、もしくはお互いいい感じかもと思ったら、わりとすぐに付き合って(その「いい感じ」になるのが難しいんだけど)、そこからどんどん関係を深めていく。一方、スペインでは適当なわりに恋人選びとなると慎重に慎重を重ねる。飲みに行ったり、遊んだり、もちろんセックスまでして性格だけでなく体の相性もきちんと確認し、さらにそれを乗り越えて、友人や親に紹介されるようになったら「私たちは恋人関係なのね」と、なんとなくことが進んでいく。だから、4回しか会っていないのに「付き合ってください!」ということは、基本的にはまずない、と思う。
 
そもそも、「付き合いましょう」という宣言がない。もちろん「エクスクルーシブな関係になろう」とか「僕はほかの人と会ってないよ」という、ほのめかしはあるけど、ザ・告白はほとんどの場合ない。逆に「僕は真剣に付き合う気はない」とか「恋人は探していない」と最初から言ってくる人もいる(最初は、何様? とも思ったけど、よく考えてみれば自分が勘違いすることがないから、最初から宣言してくれたほうがありがたい)。もちろん、いわゆるセフレから恋人になるパターンもある。
 
と、こんな感じでストレートに「お付き合いしましょう」とはならないので、恋人関係になるまでが結構大変(と個人的には思う)なのだけど、それだけの吟味期間があるだけあって、一度付き合うとわりと長い。1ヵ月で別れたとか3ヵ月で別れたとかいう話は、あまり聞かない気がする。

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