生きる。ということ🌿
長野県上田にある
無言館、という美術館。
ここは第二次世界大戦中に
20代という若さで命を落としていった
美大画学生の方々の遺作が展示されています。
先日、ご縁があって行ってきました。
当時を生きていた、一人の命が宿った作品。
力強いタッチ。美しくて優しい色彩。
家族を描いた絵。自分自身の姿を描いた絵。
出征の直前まで筆を握っていた、
描き終わることのなかった故郷の景色。
21歳で戦地へと旅立った、
画学生のお母様の手記が鮮明にありました。
「絵を描くことだけに夢中だったあの子。
ずっと遠い異国の場所で、筆のかわりに
慣れない銃をもって今も戦って・・。
ただ、ただ無事に帰ってきてほしいだけ」
・
平和な日々、というものが
どれほどにかけがえのないものなのか。
生きていること。生かされていること。
とても大事にしてはいるけれど、
生と死をこんなにも間近に感じるとき
あらためて深く考えさせられるものがあります。
先人の言葉に、想いに、耳を傾けて
未来を歩んでいかなければ繰り返される歴史。
・
清々しい朝を迎えられることも。
ご飯を美味しく食べられることも。
やすらかに一日の夜を眠りゆくことも。
生きては、生かされて、また今日を生きる。
自分一人のチカラでは、はるかに
どうすることもできない大きな恩恵に
いつのときも優しく守られているのだと。
・
自分の未来を、自由に夢見れる喜び。
愛する人とともに元気に生きていける幸せ。
かけがえのない今というこの瞬間
“有り難う”だけでは表し尽くせない心の音。
今を生きる私たちの想いはきっと
命を繋いでくださったご先祖様に通じていく。
そして未来の子供たちへの希望の光になる。
この世界の一瞬一瞬に息吹くのは
かけがえのない一つ一つのいのちの物語。
それは誰にも、神様でさえ奪えないもの。
争いのない平和な日々に
生かされていることの意味を深く見つめて、
私という魂が息吹いてゆく絵画を
描き続けていこうと思えた出逢いでした。
無言館の展示は写真撮影NGでした。
長野県上田、別所温泉の方面にいく機会がありましたらどうぞお立ち寄りください。
静かに魂が息吹く絵画がそこに在りました。
from. あそうあやか
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