見出し画像

『心緒物語』お取引をはじめます

昨年の今頃、かみつれ文庫はまだ生まれていなくて、商標登録をしたり、オープンと同時に発刊したzine『ただ、わたしを待っている』の校正に勤しんでいた。

▼拙著『ただ、わたしを待っている』はこちら

正直まだ1年しか経っていないのかと驚くほど、2024年は濃い時間を過ごしている。

そのzine『ただ、わたしを待っている』、そして日記zine『風立つ日』(こちらは有難いことに完売)は、かみつれ文庫のみで届けている。

ぴゅーんっとすぐ売り切れる!みたいなことはないけれど、1冊ずつ誰の手に渡っていったのか、その表情もしくはお名前をきちんと知っているのが嬉しい。この安心感が欲しくて、そのような届け方をしているのかもしれない。

そのうえ『ただ、わたしを待っている』に詰まっている言葉たちは、約2年ほど前のわたしの感情や考え方だ。時が経るにつれ、その内容はわたしから少し離れたり、今のわたしとは少し考え方が違ったり、そんな変化の可能性を内包しているはず。さらにたくさんの共著者の方がいるのではない本でわたしという人間が濃く現れるものだからこそ、『この本=わたし』という方程式が出来上がることは避けたかった。何よりも、ささやかな刹那的な作品であってほしいという願いが濃く滲んでいる。

もしも遠く100年後とかに、100冊のうちの1冊だけでも残っていて、「こんな考え方をしていた人間がいる」という記録や資料の一部になれたら、この上なく嬉しいな、なんて思ったり。なくなっていたとしても、この時代の人だけが知っているという良さがある気がしていたり。原本はないけど、その本についての感想は残っている、というのもいいかもしれない。そんな妄想を繰り広げている。

話が逸れたが、刹那的なものへの渇望がわたしの中には存在していて、それらに支えられて今の届け方を貫いてきたわけだけれど、文学フリマ大阪にて初お披露目した小説『心緒物語』、この一巻を書き終えた時だけは違った。ごく自然に今までしてこなかった届け方を試みてみたいと思ったのだった。

それは1冊の本、7月末、かくれんぼパブリッシングという素敵な出版社から1冊目の本として出版された『生=創×稼×暮』というエッセイ集がなければ考えてもいなかったかもしれない。

この本は今年の初め頃、zine『ただ、わたしを待っている』を読んでくださった、かくれんぼパブリッシングの佐々木さんから、この企画に参加してもらえないかと、お誘いいただいて寄稿を寄せた本である。19名のうちの1人に選んでいただいて、大変光栄が過ぎた。

この本は出版されてからというもの、全国津々浦々の書店で並んでいる。そのひとつ、地元山口県宇部市に新しくできた素敵な本屋さん、工夫舎さんで取り扱いが始まった時は、思わずお店へお礼のDMをするほど嬉しかった。お盆休みの際に母と夫と一緒に訪ねさせていただき、わたしの名前が載っているところを見つけて母が嬉しそうにしていたことが忘れられない。(店主さんとは同じ高校出身でそれも嬉しいサプライズ!)

書店さんとの繋がりだけではなく、有難いことにこの本を読んでかみつれ文庫に足を運んでくださる方や、SNSでご連絡くださる方、文フリで声をかけてくださる方もたくさんいらっしゃった。

このようにある1冊の本によってひとりでは見えなかった景色を見せていただいたことで、他の書店さんやお店に取り扱っていただく機会を作ることを、ごく自然にやってみようと思うことができたのだと思う。

どのような出会いがあるのか、はたまた傷を負うこともあるかもしれないけれど、新しく試みてみることにします。

もし取り扱っていただけるお店の方(書店さん、雑貨屋さん、ギャラリーさんなどなど...)、ご興味を持ってくださった方がいらっしゃいましたら、下記の条件にて取引させていただきますので、かみつれ文庫InstagramのDMもしくはメール(kamiturebunko@gmail.com)までお問い合わせしていただけますと幸いです🕊️

【取引条件】
・買切のみ 65%(10冊以上は60%)
・最低3冊〜
・送料はこちらで負担いたします
・当月締め、翌月末までに振り込みにてお支払い。恐縮ですが、振り込み手数料はご負担くださいませ。

個人でのご購入をご希望の方はこちらからぜひ☺️✨

いいなと思ったら応援しよう!

郁 香
ZINEの制作費や、表現を続けるためのお金として使わせて頂きます🌱