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念願の

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日曜日の朝。電車に乗り、以前住んでいた街を過ぎ、働いていた場所を過ぎ、そしてたどり着いたのは京阪三条駅。文学フリマ京都へ行ってきた。

到着早々、文フリ独特の空気と会場の熱気に面食らったものの、ゲストシールを貼りつけて、少し呼吸を整えて会場の中へ向かった。

1番最初に訪ねたブースは、垂井真さん。昨年の初めから(つまりかみつれ文庫が始まってすぐから)ずっとお世話になっている作家さんであり、わたしが初めて個人で連絡を取って仕入れさせていただいた本(さらさちささんと垂井さんの『植物園』)の著者さんである。
SNSのDMで何度も連絡は取っていたけれど生活拠点が離れていることもあって、今回ようやくお会いすることが叶った。

実は文フリにゆく少し前あたり、わたしは心も身体も調子を崩していて、言葉は書けないし、本の紹介文も苦戦したり、しまいには貧血でふらふらになりお店を1日休むなど、なんだかぐったりしていた。いつもだったら諦めてしまう状況だったけれど、それでも文フリに行きたいと思えて重い腰を上げることができたのは、垂井さんに会ってお礼を伝えたかったからだった。

その想いがぶわっと膨らみ過ぎて、感謝もお客さまの声も、他の作家さんの垂井さんの作品への感想も、全部込み込みで話したので、もうてんやわんや。ほんとすみません...。

垂井さんはそのわたしの話を聞きながらずっと恐縮されていたけれど、全部本当のことなので、信じてもらえたら嬉しい。

何よりもきちんとお会いしてお話して、作品のことを聴いたりもして、そのお人柄にわずかでも触れて、改めて垂井さんの作るものへの信頼がわたしの中で厚くなったように思う。この方のつくるものなら大丈夫という直感はますます確信に変わった。

やはり会うというのはとても大事だと改めて思う。そのひとの持つ空気感とか、声のトーン、声色、所作。そういうものを感じながら作品に触れると、作品への愛はより一層深まるんだろう。

他にもお世話になっている作家さんや出版社さんにご挨拶したり、本を買ったりして少々腕に負荷をかけながら帰りに鴨川へ寄る。

二条から四条まで、鴨川沿いを歩いたり立ち止まったりしながら、和歌山に来るまでのこととか、かみつれ文庫を始めるまでのこととかを思い出していた。

鴨川の水音に耳を澄ませ、香りを吸い込み、ひととき眼を閉じる。いつか垂井さんの表現を展示やイベントのようなかたちでかみつれでできたら良いな〜、なんて妄想まで膨らんでいった。

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かみつれ

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