今回、上梓する小説について


今回、上梓する小説は、脳死臓器移植をテーマにドナー家族視点での一人称で書いているのだが、実際に臓器移植コーディネーターをされていた方に取材をして、その現場やコーディネーターとしての注意点など、かなり細やかなことを教えて頂いた。
最近、脳死臓器移植が行われ、それが1000例目という記事を読んだが、この話を書いたときは、まだまだ実例が少ない頃だった。
そんななか、脳死判定に立ち会った緊張感や、ドナー家族に説明をする際は無用な圧を与えないような配慮など、人の生死を判定する厳しさを強く感じたのを覚えている。
実際のマニュアルを見せて貰い、各承諾書のチェックの進め方や立会人の署名など、フィクションの中に落とし込んだ。
今、その話を世に出すのに当たって、自分の知識が劣っていないかを確認しようと思い、臓器移植ネットワークのホームページから行える「グリーンリボン検定」を受けてみたところ、なんとか合格。
(やり直しができそうなので、誰でも合格しそうだが)
しかし、あくまでも小説であり、ドキュメントでは無いので、タイトルにもした神社の由縁とその土地の伝承を絡めている。
そして、「あえて」という点がある。
読んで頂ければ解るのだが、書くのは多少の苦労があった。
脳死臓器移植が、是が非かは解らない。
残される家族が苦悩するのが解るから、脳死臓器移植は受けられないという医療関係者もいる。
そんなことを考えながら、書いた話です。