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プレママからポスト更年期の波に乗り切るための中医学の知恵

女性は7の倍数で変化すること、時期に合わせた心と体のケアは、
中医学の歴史の中で、すでに対応策が出ていると言っても過言ではないと思います。

プレママの養生

21歳(7x3)~35歳(7x5)の激変期
仕事や結婚、妊娠出産など人生が翻弄されます。

就職して仕事に慣れた頃、結婚や妊娠適齢期にかかります。
プレママとしての準備は結婚を意識する頃から考え始める方が多いようです。

女性の健康のバロメータは生理です。
生理の状態を観察すると体質が見えてきます。
生理周期に合わせた養生があります。

妊活は年齢のリミットがあります。
35歳以上は高齢出産といわれ、女性の体のピークの28歳頃までに出産することは、母子ともに健康に乗り越えられると思います。

最近は晩婚となり、仕事を頑張っている女性が、妊娠を希望した時に産めるように、カラダつくりをサポートしたいと、漢方相談でいつも思っています。

妊活にはストレスが大敵と、周知のことですが、これをどう乗り越えるかはひとそれぞれ。

PMSで思春期から産後まで悩む方は多く、体からのサインを対策していくと、快適に過ごせます。
PMSは性格のせいだと悩まず、体からのサインで体質改善することが、心も体も元気になり、性格も穏やかになり、生理を整えることが出来ます。

アラフォーの養生

35歳(7x5)から42歳(7x6)のいわゆるアラフォー世代の漢方相談が多いです。
変化はまだ緩やかで、自覚することがあるとしたら、少し疲れやすくなった、顔にシワができた、生理の変化がでてきたなどで、まだホットフラッシュや生理周期に変化が大きくないかもしれません。

最近は、目の疲れや視力低下はアラフォー世代よりも前から感じます。
目の酷使を防ぐことと、なかなか現代では難しいと思います。眼科の定期健診が歯科検診と同じくらい必要だと思います。

アラフォー世代は、美容だけでなく体の中からケアすることに目を向けて欲しいです。ケアすればすぐに結果が出るほど簡単ではないですが、まずは睡眠、そして食事、簡単な運動習慣を取り入れてみると、3か月後には何かしらの変化を感じられると思います。

妊活も考えているが、結果が出にくい時期がアラフォー世代です。
老化を考えるにはまだ早いと思いつつも、老化を感じざるを得ない時期で、心身ともにストレスフルです。

妊活について、私自身も悩みながら続けましたが、結果が出る出ないに関わらず、悲しい辛いだけの妊活にしてほしくないと願います。

プレ更年期の養生

42歳(7x6)から49歳頃(7x7)は、体の変化を相当に自覚してくる出来事が増えます。
肌、髪、目、筋肉の衰えはあるのは承知ですが、ケアをする時間の余裕がなくなりがち。
特に生理の変化を感じる時期で、ホルモンバランスの崩れを自覚しますが、婦人科で相談してホルモン治療をと考える前に、漢方薬でホルモンバランスを整えたいと考える方も増えました。

妊活も終盤を迎える時期。頑張るより力を抜いて、授かるための心と体を整えていただきたいと思い、漢方相談をしています。
妊活を終え、育児をして思うのは、妊活以上のエネルギーが必要なこと、
妊活が辛くなるのは心のケアが出来ない時、まずは心を開放する術を身に着けるために、色々なことを試してほしいです。
育児のためのエネルギーを養うためにも、心も体もエネルギーチャージを目指したいです。

更年期は必ず通る道。プレ更年期のうちに対策が必要です。
具体的には、今まで以上に体を労わる時間が必要になってきたということ。
昔はこうじゃなかった!という考えは捨てましょう。
今の体の状況確認が必要です。老化は毛細血管からという考えが、現代医学で注目され、中医学は2000年以上前から瘀血(おけつ)という考えがあり、毛細血管の劣化(ゴースト血管)が万病のもとであることに気が付いていました。

更年期の養生

49歳(7x7)から56歳(7x8)のいわゆるアラフィフ世代は、更年期の真っ最中です。
閉経というはっきりとした現象が、自覚させてくれます。

閉経前後10年が更年期と表現されます。
思春期と更年期はゆらぎ世代。
体調の大きな波で翻弄されてしまいます。
波に乗ることを考える思春期、波を避けることを考える更年期としたら、ゆらぎ世代をどう乗り切れるのでしょうか。
体の変化に目を背けず対応していくべきです。

体を労わることは、自分を大切にすることで、自分を大切にできなければ、他人にも大切にできなくなります。

人生の春夏秋冬に例えたら、更年期は秋、詫び寂びを知り心を落ち着かせて過ごす時期だと思います。
収穫の秋というと、人生の秋は実りを味わえる時期ともいえるかと。
今までの頑張ってきた人生を一旦見直す、そして次の英気を養うメンテナンス時期です。

最近、トイレが近くなった、夜中のトイレで目が覚めるなど、
腎の弱さを感じることが、更年期に多いです。

更年期の症状でよく言われるホットフラッシュは、自律神経失調とされ、交感神経優位で発汗や動悸などがあるからです。
中医学では陰陽バランスが崩れることが自律神経失調と関係すると考え、腎精(腎に貯蔵する精、いわゆる生命エネルギー)の減少が陰陽バランスに影響します。

特に腎陰の減少はホルモン減少と大きな相関性があります。腎陰が減ると陽を抑えられず陽亢して交感神経が優位になります。陽は上向きで体の上部に熱が溜まり、ほてりや動悸を感じます。

腎陰が減ると、潤いが減ることに直結します。ドライシンドロームとして、ドライアイ、ドライマウス、ドライスキンなどを感じる更年期。
唾液の減りは、明確に更年期から感じる症状ではないかと思います。

ポスト更年期の養生

56歳(7x8)から63歳(7x9)の更年期の後半、閉経後5年ほどはポスト更年期となり、関節や骨のケアを心しておくと良いと思います。体の乾燥は関節も同じく、関節の潤い不足により、こわばりや関節の変形など骨や関節の症状が出てきます。

ポスト更年期は閉経後5年以内であれば、卵巣を意識して漢方薬を選びます。閉経後5年以上は女性ホルモン分泌は卵巣からでなく脂肪や副腎から分泌されます。エスロトゲン活性は1/10程度といわれます。

卵巣の萎縮予防に婦宝当帰膠がとても良いと思います。卵巣が少しでも長く働いてくれることで、自前の女性ホルモンを守っていくことが出来ます。

注射でプラセンタ(胎盤エキス)を更年期で推しているドクターもあります。漢方薬の紫何車(しかしゃ)のことで、更年期からの強い味方です。
特に関節痛や肌や髪の衰えにも良く、美容と健康にとても助けになるものです。

関節の変形、軟骨成分の減少が関節痛に繋がります。
日ごろからカルシウムの補給、軟骨成分の補給はもちろん、中医学では補腎が大切と考えます。

女性の平均寿命は87歳(令和5年)で、ポスト更年期からの人生は20年以上です。更年期からの第二の人生を花咲かせていただきたいと願い、日々漢方相談をしています。

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