真鴨を捌いて食べ尽くしてみた
※記事内に捌く前の丸ごと真鴨の画像があります。
捌き途中の内臓などの画像はありません。
私、とりあえず食べたことないものは食べてみたいという趣向からジビエにもあれこれ手を出していて、今やジビエ卸の業者さんなどから個人的に時々肉を仕入れるようにまでなってしまいました。
で、先日(と言ってももう冬のことですが・・)真鴨シーズンに一羽仕入れてみたのです。丸ごと。
流石に毛付きは面倒そうだなぁ・・と思って、毛抜きでお願いしたのです。
そして到着を待つことしばらく・・
真鴨、到着
配達されたのは紙袋(正確には米袋)。
もちろんクール便だけど、段ボールではなく紙袋。
そしててっきり全身丸裸の状態で届くのかと思っていましたが、いざ開けてみたら・・・
・・そうですか。まあまあ毛がついてますね。
こんな丸ごとで羽付きの鳥を触ることなかなかないので撫でてみたり匂いを嗅いだりしてみましたが、手触りは羽がすべすべだし匂いも意外なほどに臭みとか変な匂いはしない。
ひとしきり観察させてもらったら、いざ解体へ。
手羽のあたりがそのまま切って捨てるにはもったいなかったので、もう少し羽をむしることに。
調べたところお湯に浸けるとむしりやすいとかの情報はあったのですが、腕のところだけなので特に何もせずにそのまま手でむしりました。気をつけないと細かい羽毛がふわふわ飛んでしまうのでなるほどそういうことかと。
インターネットの集合知に頼り、鴨の捌き方を丁寧に説明してくれているサイトを参考にしながら解体し始めたところ、なんと内臓も入っていたことが判明。確かに毛抜きとは書いてあったけど、丸抜きとは書いてなかったな。
というわけで使えそうな内臓(とりあえず今回は砂肝とハツ)をどうにか取り出し、食べられなそうな部位を除いた結果がこちら。
胸のあたりは細かい羽毛を除くために少しバーナーで炙ってあります。
(アルミが敷いてあるのはそのため)
あと左腿のところが切れてるのは腿を切り離そうと包丁を入れた後に全体像を取るの忘れたのを思い出し慌てて撮ったからです。
さて、ここからさらに、部位ごとにバラしていきます。
解体完了
細かい経過は省きまして、結果がこちら。
胸肉2枚、腿肉2枚、砂肝・ハツ、手羽。
鴨は鶏と違って腿肉が小さめですね。そして色が濃い。
いざ、調理
さあ、いよいよ調理に入ります。
まずはすぐに消費したい内臓から。ということでやはり・・
解体で余った皮も一緒に。
これらは魚焼きグリルで焼きます。
皮とハツ・砂肝の串焼き
鴨出汁
骨はなるべく残った身を削いで、首肉も入れて水から煮て出汁を取ります。
鴨つみれ鍋
続いて、皮の一部と、骨に残った肉を削いだものを叩いてミンチにし、団子にします。
捌いた当日はここまで。
串焼きはハツが食感が良くてが美味しかった。
しかしなんといってもやはり骨からとる出汁は格別。鴨油で焼いたネギもネギの食べ方の最高峰じゃないかと思うくらいです。
残った身は一旦冷凍して、後日↓こんな感じで楽しむことに。
鴨出汁うどん、鴨雑煮
胸肉は表面を香ばしく焼いてからスライスし、鴨出汁うどんや鴨雑煮にトッピング。
鴨もも肉のタイム煮
腿肉の方は、タイム煮込みに。
鶏と違って小さめなので、2本ぺろっと平らげてしまいました。
やはり野生だからか、かなりしっかりとした肉質。
三種の鴨生ハム
そして極め付けは、何を隠そう私ほぼ毎年、鴨生ハムを自宅で仕込んで自家消費しているので、せっかくだからと真鴨・合鴨・マグレカナール(フォアグラ用の鴨の胸肉)で生ハムを作って食べ比べスタイルにしてみました。
間抜けなことにちょっと失敗して塩分が強めになってしまったのと、真鴨は身が小さすぎて乾燥がかかりすぎてしまったのが反省点。
うーん、真鴨はあまり生ハムには向かないかな・・。
他と比べると、クセも強めです。玄人向け。
この三種の中では、今回は合鴨の出来が最も良かったです。
脂身が透き通ってとろける味わいになるのがいい出来の証。
というわけで、捌いた真鴨は無事ほぼ食べ尽くすことができました。
まとめ
まずは、図らずも若干の毛むしりからすることになって、毛ってこうやってむしるんだ・・ととても勉強になりました。
あとは気道ってホースみたいだな・・とか、関節ってひねれば簡単に外れるんだな、とか。
食べて一番気に入ったのはやっぱり骨からとった出汁と焼いた胸肉&鴨油で焼いたネギの組み合わせかな!鴨出汁はほんと〜〜に美味しい。
来シーズンも取り寄せるかはわからないけれど、もしやるなら全部毛をむしるところから始めてみようかな・・いや、それは後悔しそうな気もするな。