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香席初体験レポ お香を愉しむ日本文化 香道はじめの一歩~あなたの知らない世界を体感あれ

お香と聞くと何を思い浮かべますか?

香りというと今はアロマの方が
むしろメジャーになっていますよね。

昔からの日本っぽい香りというと・・・

線香、におい袋、防虫剤とか?

非日常と言うか
ちょっと古臭いと言うか・・・

(おっと失礼)

あまりメジャーではないものに
なりつつあります。

香道に興味を持つ方は
よほど日本文化に興味がおありの方
ではないかなと思います。

私も日本文化に興味を持ってから

『香道』

という道があることを
しばらくしてから知りました。

香道とは・・・

貴重な香木の香りを
優雅な心持ちで鑑賞するもの。

作法に乗っ取り、その修練を通して
人格形成に役立てるものでもある。

なんかかっこいいですよね✨

一方で「敷居が高そう」
という印象を持ってしまいませんか?

私自身、お香セミナーまでは
受けたことはあるんですが

「いつか機会があれば香席にいってみたい」
と思いつつも
実際に香道を体験したことはありませんでした。

開催されているところも少ないですし
出会うきっかけに恵まれなかったんです。

ですが、今回
人生初 憧れの『香席』
を体験させていただくことができました。

(お先に失礼いたします。)

・『香席』なんて知らない
・知っていても実際には参加したことがない

という方がほとんどだと思います。

ですので、滅多にない
私自身の貴重な経験を
今回は紹介させていただきます。

人生初の香席体験レポいってみましょう。

聞香(もんこう)というもの

お香文化を学ぶ中で初心者の私が
「お香ってなんかいいな」と思ったきっかけを
始めに共有させてください。

香りは通常は「嗅ぐ」ものですよね。

ですが、香道では香りを
「聞く」と表現します。

なぜ?って思いますよね。

これには諸説あるそうなんですが

この度、講師をして下さった
香道 安藤家御家流 門下
宇佐美 滋 先生のお話の中では

心を研ぎ澄まし
音を聞くように香りを聞く

という表現をされていました。

静かに香りを聞く

この言葉の中に
神髄が含まれているんじゃないかと感じます。

今や現代は喧騒に包まれ
静けさは求めないと見つけられないもの
になっています。

その「静けさ」の中で香りを楽しむという
贅沢で雅な行為。

忙しすぎる現代人には見えない
精神世界が香道にはあるに違いない。

そしてそれは
変革期にある今の日本人にこそ
必要なものなのではないか。

私はそう感じて
日本の香道に興味を持ったんです。

そして、実際に香道を味わう方法の一つ

『組香(くみこう)』

を体験する機会に恵まれました。

組香という雅な遊び

昔の雅な方々は

香りを文に忍ばせたり
着物に香らせたり

香りを日常に見事に組み込んで使っていました。

何より香りを愉しんでいたそうです。

その香りを愉しむ手段の一つに
組香(くみこう)というものがあります。

これはいわば 香り当てゲーム。

香木の香りを聞いて
その種類を当てるというもの。

流派によっても変わり
組香自体もいくつか種類があるそうです。

今回、香席で体験させていただいたのは
『源氏香』になります。

「源氏」の文字を見て
ピーンと来た方もいるかもしれませんが
『源氏物語』がモチーフになっているんです。

と言われても「?」だと思いますので
どのような流れなのか実際の流れを見ていきますね。

香りを当てるゲーム『源氏香』初体験レポ

今回お邪魔したのが
新潟市中央区にあります
旧日本銀行新潟支店長役宅『砂丘館』です。

昭和8年に建てられた近代和風住宅で
日本銀行が直接設計を行った
完成度の高い住宅だそうです。

戦前の日銀支店長役宅で今も残っているのは
新潟と福島しかないという貴重な建物。

そんな格式高い場所で行われるとあって
かなりドキドキでお伺いしました。

今回の香席は
新潟市民大学の講義『日本の文化と季節の行事』
の一環として行われたものです。

ですので、はじめの一歩としては
かなり敷居を低くしていただけて
本当にありがたいきっかけでした。

さて、和室に足を踏み入れますと・・・

ありました。

これぞまさに
THE 香道

非常に「格好いい」オーラがプンプンです。

それでは、いよいよスタートです。

(内心は長時間の正座で足が持つのかドキドキでした)

香道を愉しむ『源氏香』のルール

江戸時代中頃から
平安時代に憧れて始まったと言われる

『源氏香』

ルールは以下の通りです。

【源氏香のルール】

①5種類の香木を用意する
1種類を5つ刻み1個ずつ香包みに入れる。

②5種類×5個=25包
の中から、5包を無作為に選出。

③参加者たちは、順番に5包の香りを聞いて
同じ香木を当てる。

特徴的なのが、答え方。
ここに源氏物語が出てきます。

源氏物語にちなんだ
名前の図を元に答えを合わせていくんです。

左から蜻蛉・浮舟・東屋・宿木・早蕨という図になっています。(知らんけど)

香道を愉しむ『源氏香』スタート

始めにこれが回ってきます。

右側の白い紙が『名乗紙』と言うらしく
答えを書くための答案用紙みたいなものです。

黒い箱の中には硯や墨、筆が入っていて
その筆を使い名前を書きます。

こんな感じ

名前の書き方もお作法があって
・女性→ひらがなで2文字
・男性→漢字
というところも興味深かったです。

そして順番に香炉が回ってくるので
聞いたら次の人に回していくという感じです。

・3回吸って息を吐くときは床の間に向かって
・5回までは聞いてもOK

などお作法もいくつか教えていただきました。

途中の写真を撮れなかったので
この写真の奥にある香炉が
回ってくると思ってください。↓

全部で5つの香を聞き
同じ香りだったものを当てていきます。

答えの書き方も特徴があります。

【源氏香の答えの書き方】
右から1番目の香、その隣が2番目の香として
縦の線を5本書きます。

同じ香りだと思ったものを上の横線でつなぎます。

それを名乗紙に書いていきます。

右から1.2.3.4.5となっています。

例えば上の図だと
2番と3番が同じ香りだった
と意味。

どれも違う香木だったら
|||||
になります。

同じ形をあらわす名前は
この図から探して書いていきます。

ちょっと分かりにくかったかもしれませんが
とにかくあてっこゲームをするんだな
と思ってくだされば。
(雑)

参加者全員が答えを書いたら
このような謎の紙の入れ物に挟んで
回収していきます。↓

金の部分に挟んでいきます

そして主催者側が
全員の答えを取りまとめ
いよいよ正解発表となります。

初めて挑んだ『源氏香』香り当てゲームの結果は?

デレデレデレデレ~~

それではわくわくドキドキ
人生初の香席『源氏香』体験
正解発表です。

どんっ

正解は 紅梅。

全員ハズレ!笑

ですがハズレても
当たっていた部分が得点になるんだそうです。

その結果
私(あや)は2点。

第2位という成績となりました。

わーい!おめでとう私
ということでこの場は終幕といたします。

実際に香席を体験してみて

香りの記憶というのは
本当に曖昧なものだと痛感しました。

たった5つも覚えられないんです。

メモは取っていいので
途中、香りの特徴をメモするんですが
どう表現していいかもわからなくて。

すっきり
もわっとしてる
畳っぽい
草っぽい

とか書いてましたが
結局良く分からなくなってしまいました。

これも香箱だそうです。

話によると
同じ香木でも切る場所によって
香りが違うなんてこともあるそうです。

火が強いと
これまた変わってくるみたいで。

「そんなん当てられっこないじゃん!」

とか昔の人は絶対言わなかったはずなんです。

そういった微妙な変化を含めて
香りを当てることを愉しむゲーム。

当てたら勝ちとかじゃなく
ただ場や空間や人とのやり取りを
愉しんでいたのではないでしょうか。

静かな空間で、鼻に全神経を集中させ
遊び心も同時に愉しむ
”余裕”みたいなものを感じます。

やっぱり昔の日本人は
心が豊かだったんだろうなって感じます。

また一つ日本文化のとりこになった
綺麗道でした。

私の想う『綺麗道』は
愉しむことを大切にしています。

今回も『綺麗道』のかけらを見つけてしまいました。

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