家族は売らないでしょ。
*人身売買の話ではありません!
まだ前の会社の社長をやっていた時の「ビターな学び」のお話です
当時の私は、夫と離婚し、子供もいないし、自分の時間のほとんどを会社での仕事に費やしていました。
そのため、社員と一緒にいる時間は当然長くて、もう社員=家族みたいなものだと思って、仕事終わりに食事に行ったり、休日にBBQに行ったりして楽しんでいました。
だから対外的にも言ってました。
「私にとって社員は家族です。」と
でも、このセリフは友人経営者Sさんの言葉「家族は売らないでしょ」で「はい、違いました。ごめんなさい。」と深く痛感することになったのです…
ある経営者が集まる勉強会でのこと。
「今、自分の会社を売却するとしたらどんな条件でどのくらいの価値なら前向きに検討するか」
というお題目が与えられ、
数字と睨めっこし、マインドマップを書いたりしながら、真剣に検討した結果を各人プレゼンし、その場に同席されている「企業売却のプロ」なる方に講評をいただくというようなものでした。
当時、会社を売却するなんて思いもしなかった私もプレゼン。
そのプロの方に、
「売却先の事業とシナジーがあれば、希望金額以上の値段はつきそうだけどね」
と言われたわけです。
予想もしなかったお言葉に驚き、勉強会は終わり、そのままの流れで懇親会へ。
そして横に座ったSさんと売却の話の続きをしていた時のこと。
「売却なんて考えたこともなかったけど、私には子供もいないから、具体的に売却の計画した方がいいんだろうなぁ」と呟いた時、
Sさんから言われたわけです。
「今から上場するのは大変だろうし、EXITとしては売却がスムーズだよね。
でも、社員さんとの距離感を考え直すことも考えたらどうかな。
だって家族は売らないでしょ」
この言葉、相当心に刺さりました。
「私は、なんて自分勝手な綺麗事をほざいていたのか。」
「お恥ずかしい。」のひと言です。
実際に会社を売却するまでは更に長くかかりましたが、このSさんのストレートな意見のおかげで、履き違えていた自分の甘い考えを修正し、社員との関係性も以前より良くなったように思います。
振り返れば、社員の皆さんには、少なからずご迷惑をおかけしていたと思います(滝汗)
甘ちゃん経営者の私にとっては「ほろ苦い、とても大切な学び」でした。
今回も最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
このお恥ずかしい、私の未熟すぎるエピソードが、何かのリーダーをされているあなたのご参考になれば幸いです。
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