貿易業務で必要なスキルと注意点 – 「コレポン」とは？

貿易業界で働いていると、「コレポン」という言葉を耳にすることがあります。これは「コレスポンデンス（Correspondence）」の略で、文書のやり取りや通信を指します。特に、海外の取引先とのメールや商業文書を作成・やり取りする業務で頻繁に使われます。

今回は、貿易業務における「コレポン」の具体的な内容や注意点、必要なスキルについて解説します。

コレポンとは何か？

コレポンとは、主に海外の取引先とコミュニケーションを取りながら、商業文書を完成させるまでの一連のやり取りを指します。翻訳業務と似ていると思われがちですが、その目的や範囲が異なります。
• 翻訳業: 一つの言語で書かれた文書を、別の言語に訳す作業が主。
• コレポン: 商業文書を作成する過程で、相手先との交渉や必要な情報交換を外国語で行う。

例えば、輸出入を扱う企業では、取引相手から商品の詳細や契約条件について質問を受けることが頻繁にあります。このようなやり取りでは、単なる言語スキルに加え、商品知識や貿易慣習への理解が必要です。

コレポン業務で注意すべき点

コレポンは、単に英語で書類を作成するだけではなく、相手の意図を正確に読み取り、適切に返答することが求められます。そのため、以下の点に注意が必要です。

1. 用語の正確な理解

貿易業務には専門的な用語や略語が数多く存在します。これらを正しく使えないと、相手に誤解を与えたり信頼を損ねたりする可能性があります。

頻出する用語の例：
• Letter of Credit (L/C): 信用状。輸入者の代わりに代金を保証する銀行発行の書類。
• Bill of Lading (B/L): 船荷証券。貨物の引換証。
• Invoice (I/V): 送り状。明細書兼請求書。

優先的に覚えるべき用語をリスト化し、実際の業務で使いながら習得するのが効果的です。

2. 5W1Hを意識した文章作成

コレポン業務では、正確で漏れのない情報提供が求められます。特に急ぎの場面では要点を簡潔に伝えることが重要ですが、焦るあまり情報が不足してしまうことがよくあります。

例えば、以下のようなメールでは問題が生じる可能性があります。

例文: 「設備が急に止まりました。納期が近いので、すぐ修理に来てください。」

このような文面では、どの設備が、いつ、どの工場で停止したのかが明確ではなく、相手が対応に困ってしまいます。適切な情報を伝えるには、以下のように5W1Hを意識しましょう。
• When（いつ）: 設備が停止した日時
• Where（どこで）: 工場や具体的な場所
• Who（誰が関係しているのか）: 関係者や担当者
• What（何が問題か）: 停止した設備の詳細
• Why（なぜ起きたのか）: 可能な原因
• How（どのように対応してほしいのか）: 修理や対応の具体的な希望

改善例:
「第二工場のBという生産設備が、〇月〇日〇時に落雷の影響で停止しました。停止時には赤いランプが点灯していました。至急修理をお願いしたいのですが、対応可能な日時を教えていただけますか？」

このように、焦らず数分かけて情報を整理することで、業務がスムーズに進むケースが多いです。

コレポンに求められるスキル

英語スキル

コレポンでは、専門用語や略語を理解した上で、要点を正確に伝えるスキルが必要です。貿易書類には、以下のような略語が頻繁に登場します。
• P/O: 発注書
• CIF: 運賃・保険料込み価格
• C/O: 原産地証明書

これらの用語をスムーズに使いこなすことで、相手とのコミュニケーションが円滑になります。

文章作成能力

いくら英語が得意でも、伝える内容が相手に分かりづらければ意味がありません。特にビジネスメールでは、簡潔かつ明確な文面が求められます。以下のポイントを意識しましょう。
1. 簡潔であること: 長すぎる文章は避け、必要な情報だけをまとめる。
2. 敬意を忘れない: 相手に対する配慮を示す表現を盛り込む。
3. 文法の正確さ: 基本的なミスは相手に悪い印象を与える可能性がある。

まとめ

「コレポン」は、単なる文書のやり取りにとどまらず、取引先との信頼関係を構築する重要な業務です。正確な情報提供と適切な表現が求められるため、専門用語の理解や文章作成スキルを磨くことが成功の鍵となります。

貿易業務に携わる方は、ぜひこれらのポイントを意識しながら、コレポンスキルを高めるキッカケになれば幸いです。