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【Day.8】小さな行動がもたらす大きな「ご褒美」


前回の学び

Day.8 タスクは可能な限り細分化すべし、タスクの腰の重さに関する基準値を上げよう

 皆さんはその日その日のタスクの中で、「どうやって進めよう…」と手が止まったこと、ありませんか?
 これ、私はよくあるパターンで、「これをするにはあれをやって、あれにも活用しないといけないからこっちも進めながら…」と考え、結局なにも進まず一日が終わることが多々ありました。こういう時、やる気がわいてくれたらなぁ~と、そんなことを考えるわけです。

 しかし、「やる気」というものは突然降ってわいてくるものではないんですよね。高校生の時に読んだ一冊の本が、「やる気の正体」を教えてくれました。

 「やる気」が湧くから行動できるのではなく、行動したから「やる気」が湧いて、もっと行動できる。この原理を知ってから、「めんどくさい…」と思う前行動することを意識しました。

 先日も絵画教室で、こんなことがありました。

 その生徒は「とっても絵が好き!」という熱量のある子ではありません。描けたらOK、めんどくさいことは嫌、やり方が分からないから手が動かないし、自己流で描いて失敗する、そんな生徒さんです。しかしこの生徒の良い所は、「自信」というスイッチが入れば素敵な作品をきちんと仕上げてくれる、まじめな生徒さんでもあります。
 あと少しで絵が完成するという場面。「海」をテーマに作品を進めていましたが、なんだがのっぺりした絵で、あと少し工夫すればいい作品に仕上がるのにな、という途中経過でした。
 そこでこの生徒に、実際の海の写真を見てもらい、自分の作品との比較をしてもらいました。この生徒が伝えたい、「海」に関する思い出も聞いていたので、その思い出が間接的に描ければと思いました。
 その生徒は自分と写真を見比べ、「光が足りない」と答えてくれました。じゃあきらきら光る水面を描いてみよう!と提案しましたが、その生徒はぶすっとした顔で、首を動かしません。
 「描くものは分かったけど、あとは何が分からないの?」と聞くと、「どう描いたらいいか分からない」と教えてくれました。

 「じゃあ想像してみよう。今から席に戻って、光を描くための準備をするよね。何色の絵の具を使おうか。」
「光描くから、白と、黄色と、オレンジ。」
「いいね!その3色を、よーくお水と混ぜて準備しよう。そしたら、どの太さの筆を使う?」
「細い方がいい。」
「そうやね、細かい所が描きやすいよね。そうそう、筆を水につけたら、筆の先にお水がいっぱい付いて描きにくかったよね。お水、どうする?」
「ティッシュで拭く」
「ええやん!そしたらお水の量も調節できるね。じゃあ筆に絵の具をつけて描いていくけど、この絵のどのあたりに光を描こうか。」
「(指をさしながら)この辺」
「写真とおんなじ当たりやね。じゃあ光を描いていくけど、光と光の間隔はどうする?この写真は、均等に光があるか、それともまだらに光があるか、どっちやと思う?」
「ん~…まだら。」
「確かにまだらやね。光同士が近い所もあるし、遠い所もあるね。じゃあ光の大きさは?」
「大きいのも小さいのもある。」
「そうそう!どう?かけそうじゃない?」
 そんな話を20分ほどして、やっとこの生徒は首を縦に振り、自分の席に戻っていきました。途中手が止まることもありましたが、どうにか光を書き入れることができ、光を入れる前と後の作品を見比べ、「光がある方がいい」と話し、完成を迎えることができました。

 どうやればいいか分からない、めんどくさいと思って止まってしまうと、手は全然進みません。ですが、タスクを細分化することでちょっとでも手を動かそうと思えると、不思議と「やる気」が湧いてきて、タスクを完了させることができます。

 最初の取り掛かりを小さなものにする。そうすると「やる気」が湧いてきて、さらなる行動につながる。「めんどくさい」のあとには、「めんどくさいけど、やってみるかぁ」と言葉を続けてみよう!

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