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私と毒

ここのところ、毒について考えている。
私が考えうる限りの美しいものには毒の要素があり、それらはエーリッヒ・フロム的に言えば人間を退行させるエネルギーなのかもしれない。だが、以下の項目を一切排除した健康的な名曲というものが浮かばない。

ネクロフィリア(死を愛す嗜好)
ナルシシズム(肥大した自己愛)
共生的固着(母胎への回帰への執着)

考えようによっては、これらを追体験することで克服する効果があるのかもしれない。
でも、正直そんな意図があるようにも思えなかった。

昨日改めてゼンパーオーパーでバレエのロメオとジュリエットを観たのだけれど、ジュリエットが先ず微量の毒を飲んだ理由が、ロメオへの貞操を守る為だったのを何故か今まで気づかなかった。

閑話休題。

哲人ソクラテスは自らすすんで毒杯を仰いだ。もしかしたら毒とは、いばらの冠のようなものかもしれない。

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補足をすると、エーリッヒ・フロムの書籍は心身に良いので、悩み多き方にはお薦めしたいです。

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