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身体の性と性自認が一致している異性愛者であることが前提になっている社会

「彼女いる?」
「彼氏いる?」
「好きな異性のタイプは?」
「結婚しないの?」

このような質問は日常生活でよく聞きます。相手のセクシュアリティがわかった上での質問なら問題ないのですが、これらの質問は、質問する相手が身体の性と性自認が一致している異性愛者であることが前提になっていることがほとんどです。相手がレズビアン、ゲイ、アセクシュアルなど、身体の性と性自認が一致している異性愛者でない場合を想定していません。想定していないどころか、相手を身体の性と性自認が一致している異性愛者だと決めつけているのです。

ちなみに、身体の性と性自認が一致している人をシスジェンダー、異性愛者のことをヘテロセクシュアルといいます。以下では、マジョリティとされているシスジェンダーのヘテロセクシュアルの人をシスヘテと表現することにします。

たいていの人は、LGBTという言葉が浸透してきたこともあり、性的マイノリティの存在は知っていると思います。では、なぜこのようなシスヘテであることが前提の質問をしてしまうのでしょうか?

私は、性的マイノリティは特別な存在であってまさか周りにはいないだろうという一部のシスヘテの思い込みが原因だと思います。

性的マイノリティの割合は調査によってかなりバラつくのですが、10%くらいではないかと言われています(※本当に調査によってバラつくので参考程度でお願いします)。日本における左利き、AB型の割合とだいたい同じくらいです。

あなたの周りにも左利きやAB型の人はいると思います。特別な存在でもなんでもないと思います。それと同じくらいの割合で性的マイノリティの人はいると言われています。特別な存在でもなんでもありません。あなたの周りにもいる可能性が高いです。

とはいえ、マイノリティはやっぱりマイノリティです。 

  • この世界にいる人間はシスヘテがほとんどなんだからそれが前提なのは当然で仕方がない。

  • 改札や自動販売機も右利きの人が使いやすいようになってるじゃないか。

こう思う人もいると思います。

しかし、私はこう反論します。

あなたは周りの人が右利きである前提で行動しますか?右利きか左利きか知る必要があったら聞きませんか?
「聞く」と答える人が多いと思います。

前提と生活のしやすさは違います。
たしかに世の中には右利き向けのデザインが多いです。しかし、全員右利きであることが前提にはなっていません。
性的マイノリティの人も同じではないでしょうか?
世の中にはシスヘテの人が多いので、シスヘテ向けのコンテンツが多くなることは仕方ありませんが、全員シスヘテであることが前提となっている社会は間違っていると思います。

もちろん、左利きの人の生きにくさもまだまだあると思うので、そこは改善していくべきだと思います。

しかし、左利きと性的マイノリティは同じマイノリティでも大きな違いが1つあります。


それは、自身が性的マイノリティであることを他人に伝えるのは左利きだと伝えることに比べて圧倒的にハードルが高いということです。

左利きの人は右利きだと勘違いされても「左利きなんだ〜」と伝えれば良いのですが、性的マイノリティの人、例えばゲイの場合、「彼女つくらないの
?」と聞かれて、「いや俺ゲイだから彼女いらないし彼氏いるよ〜」と言える人は、性的マイノリティに対する世間の理解が十分とは言えないため、まだまだ少ないです。たいてい、曖昧にしたり誤魔化したりしてその場を凌ぎます。

性的マイノリティの人は他人にシスヘテだと誤解されたまま過ごすことになるのです。誰だって誤解されたままなのは嫌だと思います。あなたも、出身地を勘違いされたまま話が進んだら訂正したくなりませんか?そんな感じではないでしょうか。

じゃあどうすればいいの?

それな、私も正解はわからん。
とはいえ、なにか答えるとすれば、

性のあり方は無限にあるので、全ての性のあり方に対応した会話は難しいかもしれません。

ただ、

  • 彼氏・彼女という言葉をやめて「恋人・パートナーいる?」と聞いてみる。(そもそも恋愛対象が人間ではない人や、恋愛をしない人もいますが)

  • 見た目やイメージで性別を決めつけない。

ということはできるかもしれません。

でも、結局、多様な性のあり方を受け入れられるということが1番大切だと思います。内心ではちょっと思うことがあるかもしれませんが、とにかく、「あぁ、君はそういう性のあり方なんだ」と素直に受け入れられる人は、誰かを傷つけることも少ないのかなぁと思います。

曖昧なまとめ方ですみません。みんなが生きやすい世界になりますように!

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