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33歳の私が突然発症した1型糖尿病とは何なのか
こんにちは。フリーランス人事のすぎもとあやです。 @_Aya_Sugimoto_
TwitterやFacebookで日々投稿を見て下さっている方は、私が「何かの病気にかかったらしい」ことをなんとなくご存知の方もいらっしゃると思います。発病後、ぽつぽつと病気についてつぶやく中で、様々な形で応援や支援をいただいて、病気を患った引き換えに思わぬプレゼントをもらった気分で本当に嬉しい日々です。
まずは私の状況をきちんとお伝えしよう、と思いこのnoteを書くことにしました。まだ勉強し始めで自己流の理解をもと説明に挑むため適切でない部分もあると思いますが、今回は「なんとなくイメージを掴んでもらうこと」をゴールに、ご愛嬌ということで。
日々のことはこちらでつぶやいています↓
1型糖尿病を発症したことを話すと「なんでそんな前向きに話せるの?本当は辛いのに、本音を言わずに我慢してるんじゃないの?」みたいに思われちゃうことがしばしばある。
— すぎもとあや@フリーランス人事×1型糖尿病🦄 (@_Aya_Sugimoto_) April 25, 2020
ので、この病気を発症したことについて思っていることを、少し書いてみようと思う(続#1型糖尿病
なぜこの記事を書こうと思ったか
Twitterで出会ったヘンリー髙橋さん(@henrytakahasi)のこちらのツイートを見て、とても興味が湧きました。
日本糖尿病学会年次学術集会
— ヘンリー髙橋 (@henrytakahasi) October 18, 2020
オンラインでの学会は初参加
これ最高やな
子ども寝た夜中にゆっくり見れるし
気になったのは
1型糖尿病の療養場所でトイレで行う群はそうでない群と比べてHbA1cの値が高くなるて研究
興味しかない
1型糖尿病の療養場所でトイレで行う群はそうでない群と比べてHbA1cの値が高くなる
病気のことを周りにオープンにしていない(その場ではなくトイレに移動して治療を行う)が故に、正しい治療を行えず病状が悪化している方が一定数いるということ。周りに話すことに抵抗がある、話してみたら反応に傷付いた、どうせ分かってもらえないと思って話す気にならない、などTwitterでは色々な声を見かけます。
なりたくてなった体ではないのに、それによって心まで傷付く必要はないなぁと思い、まずは知る機会があるといいのかなとこの記事を書くことにしました。特に私の周りには人事の方々がたくさんいるので、自社の社員に1型糖尿病を患っている人がいたり、面接に来た方から聞くこともあるかもしれません。1型糖尿病について知る機会としても、「あ、こんな風にオープンに話しても大丈夫なんだ」と思う機会としても、何かしらのお役に立てたら嬉しいです。
1型糖尿病を発症しました
2019年6月12日、1型糖尿病を発症しました。「糖尿病」は日本でも聞き慣れた病名だと思いますが、「1型」と付くと聞き慣れないですよね。私なりに整理すると、「自己免疫疾患による膵臓の機能障害」という説明が今のところしっくりきています。
人間の体には、体内に入ってきた悪いもの(風邪ウイルスとか)をやっつける自己免疫機能が備わっています。私の自己免疫機能は、自分の膵臓を敵と認識して攻撃しているそうです。この勘違いが、喉に向かえばバセドウ病、関節に向かえばリウマチになるそうで、私の場合は膵臓に向かったので1型糖尿病、ということだそうです。幼少期に発症することが多いそうですが、私のように大人になってから発症する人も一定いるそうです。
膵臓は、インスリンという成分を分泌していて、血液中の糖を体内に吸収する役割を担っています。膵臓が機能しない=インスリンが分泌されない=糖が吸収されず血液中に溢れてしまう=高血糖状態、となります。
なぜ自己免疫機能が勘違いを起こすのかは解明できていないそうで、現在の医学では「原因不明」としか説明できないそうです。膵臓は再生機能が無い臓器のため、悪くなることはあっても治ることは無い病気、と説明されました。結構なショックを受けた瞬間でしたが、これはまた別のnoteで書こうかな(笑)
膵臓は「沈黙の臓器」と言われていて、自覚症状が起きにくい臓器のようで、病気が進行していてもだいぶ悪くなるまで気付けないことが多い&気付いた時にはもう手遅れ、ということが多いそうです。
実際私も、やたら喉が乾くなー水分たくさん摂らなきゃートイレに頻繁に行くなーめまいするなー立ってるの辛いなー、と自覚症状が進行するまで10日間くらいの出来事で、病院に行ったら問診だけで「恐らく糖尿病です。明日から入院してもらうことになると思います」と言われました(実際翌日から2週間入院しました)。入院後に分かったことでしたが、いつもより5kgくらい痩せていました。
一般的に知られている「糖尿病」は2型糖尿病と分類され、暴飲暴食などの生活習慣や遺伝から発症するそうです。「1型糖尿病になったの」と伝えると「そんなに食べるほうじゃなかったのにね」「太ってないのにね」という反応をもらうのは、世間では2型のイメージが一般的だからかなと思います。このおかげでなかなか居心地悪いこともあるのですが、それはまた別のnoteで書こうと思います。
ちなみに先ほど紹介したヘンリー髙橋さんは、理学療法士として患者さんと向き合いながら糖尿病TVというYouTubeチャンネルを開設し、糖尿病の名称変更に取り組んでいらっしゃいます。
合併症が怖い病気です
糖は結構大きい成分だそうで、血管をガシガシ傷付けるそうです。そのため、高血糖状態が続くと、体の所々の毛細血管が傷付きます。目の網膜が傷付けば網膜症、神経が傷付けば感覚麻痺、手足先の毛細血管が傷付けば怪我に気付かず悪化して壊死する、などに発展することもあるそうです。
ただ、血糖値が低ければいいということでもなく、低すぎると体はエネルギー(糖)を十分に摂取できず、別の場所からエネルギーを摂取しようとして脂肪や筋肉を破壊します。それにより体重が減ってしまったり、脳にダメージが発生したり、低血糖が行き過ぎると意識を失いそのまま絶命してしまうこともあり、実は高血糖より低血糖の方が怖いとも言われています。
毎日、血糖値コントロールと向き合っています
私の膵臓は、現在10〜20%程度しか機能していないそうで、インスリンが十分に分泌されていません。代わりに、インスリン注射を打って血糖値のバランスを保とうとしています。
一日3食・間食なども含め、何かを食べる時には糖質量を確認します。加工食品なら成分表を見て、"糖質"や"炭水化物"の表記を確認。レストランでの食事や自炊は、経験則で…!
糖質量に合ったインスリン注射量を算出して、食べる前にチクリ。適切な量が分からない、薬が効き始めるまでの時間と料理が運ばれて来るまでの時間とのタイミングを合わせるのが難しい、その日の体調(女性は生理周期も)によって薬の効きが違う、人前で注射を打つことへの抵抗や偏見など、様々な課題があります。
大変なこと
コントロールがうまくいかない場合、体に症状が出ます。高血糖 or 低血糖のどちらかで、症状は人によってもまちまちです。私の場合、高血糖だと頭がぼーっとする、心拍数が上がる、全身がだるくなる、など。低血糖の場合は、手が震える、大量の冷や汗をかく、目が回る、ひどくなると眠気が襲ってきます(恐らく意識を失う一歩手前で、そのまま放置すると命に関わります。救急車で運ばれることもあるそうですが、まだ未経験です)。
気付かれにくい症状が多いので、辛い時に周りに言い出せず無理をして症状が悪化する方もいるようです。例えば「あっ、低血糖かも」と感じた場合、飴やチョコなどで糖質を補給するのですが、MTG中だとなかなか憚られて食べられず我慢してしまい、MTGが終わる頃には震えと冷や汗でヘトヘト…慌てて糖分補給する、なんてこともあります。
発症して良かったこと
1型糖尿病を発症したことで、まず食事を見直すようになりました。これまで荒れた生活はしていなかったものの、発症したのが33歳の年。そろそろ体を気遣ってもいい年齢でした。今では、ほぼ自炊の生活に変わり、食材や料理グッズの開拓を楽しむ日々です。
買い物の際に必ず成分表を確認するようになり、表記方法にメーカーの思想が出る面白さも知りました(奥深いです)。それ以外にも、運動を始めたり、生理周期をより厳密に管理するようになったり、病院や先生の選び方や相性の見極め方など新たな発見や変化もあって、実は結構楽しい日々を過ごしています。
血糖値コントロールをサポートする機器もたくさん開発&発売されていて、腕にセンサーシールを貼っておけばこのデバイスでいつでも血糖値を確認できます。青いゾーンに収めたいのですが、この日は高血糖も低血糖も起こしてしまっていますね(笑)アメリカは研究開発が進んでいて、機器開拓も新しい趣味になりそうです。
何より、たくさんの1型糖尿病の方々と繋がることができて、これまでだったら出会うことがなかったであろう方々と出会えたり、コロナも後押しして全国の方とオンラインで情報交換会ができたりとぐいぐい世界が広がっていて、本当に心の支えだし、この出会いが嬉しい限りです。
これからのこと
ということで、まだまだ困ったり迷ったりしながらですが、新しい日々と向き合いながら、発見と開拓の日々を楽しんでいます。これから先、膵臓は減る&コントロールも難しくなる一方で、どこかでどすんと落ち込む日も来るかもしれないなと思っていますが、今はただ新しい世界を私なりに楽しめればいいかなと。どうせ一生向き合うやつなので、のんびり行こうと思っています。
こう思えるようになるまでたくさんの葛藤がありましたが、いろんな方の支えがあって今の毎日があります。日々応援して下さっているみなさん、そして色々な情報を教えてくれる1型糖尿病仲間のみなさん、本当にありがとうございます。
今後についてですが、フリーランス人事としての仕事も変わらずに続けていきますし、1型糖尿病についての情報も少しずつ発信していければと思っています。日々の仕事の場面や、就職・転職活動の場面でも、この病気とどう向き合うか悩んでいる方もいらっしゃるようなので、人事としてそこの架け橋の一助になれたらとも思っています。これからもどうぞよろしくお願いします!
P.S. お食事の機会を遠慮される声を聞くこともあるのですが、基本的にはなんでも食べられます◎(好き嫌いは除く。笑)これまでと変わらず会いたい人とは会いたいし、美味しいものは食べたいので、遠慮なくお声がけいただければ喜んで!1型糖尿病について興味がある方も、実は周りにいるんだよね、なんて方もお気軽にお声がけいただけたら嬉しいです。
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