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センチメンタルジャーニー

若い子置いてけぼりなタイトル。

台湾で行われたアートフェア「ARTFORMOSA」に出展しておりました。
7/12(木)*VIPオンリー、7/13(金)〜7/15(日)の4日間、松山文創の第2、第3倉庫と近隣にある誠品ホテルで開催せれました。

台湾のアートフェアだと、young art台北などが有名ですが、このフォルモサは今回で3回目のまだ若いアートフェア。じわじわと認知が高まって来ているようで、現地で知人に会ったときも、「もしかしてフォルモサに来たの?」って言われたりしました。

私が滞在した日は7/13の金曜で平日だったためか、そこまで込み合っては無かったものの、松山文創の倉庫2つとホテル借りきってるだけあって、規模はなかなかのものでした。

アートフェアとは?
様々なギャラリーが一つの会場に集まって、アート作品を展示販売するイベントのこと。古い言い方をすれば画商の見本市。

キュレーションと作家ファースト

知人のギャラリーも出展しているという事で、忙しい中にもかかわらず、少しだけお時間ご一緒させて頂きました。
いくつかギャラリーも紹介して頂きましたが、やはり紹介いただいたギャラリーの展示はすごく良かったです。

作品そのものは勿論なのですが、やはりギャラリーの手腕として、観せ方が上手いというか、観ていてノンストレスなんです。

わたしは描き手なので、あまりそういった部分は気を付けて観て来なかったのですが、今回のフォルモサは魅せ方の良し悪しが左右することが多かったと思いました。
いいなと思うギャラリーは、作品がすんなりと目に入ってきて、邪魔もないし、グループの場合は他作品との調和も取れていた。

逆に、違和感とか、作品の良さを半減する展示もあったかな…と。
作品に目を行かすための、あえての違和感とかならアリなんですが、それでは無いなと思います。

前者と後者を分けるものが何なのか、はっきりと言語化もできないし、なんとも提言しづらいんですが、観せ方ってそういう無意識に訴える事なんかな〜。


1/1サイズ…どでかい!
小田隆さんの作品 at G. gallery

知人のギャラリーは倉庫のブースにて展示。

「倉庫のブースは天井が高くて間延びしちゃうんだよね」

そうか、それを考慮に入れてこのドデカさと絵の強さなのか。
緻密な描き込みと、言うまでもない作品のデカさからしてパワー半端ない作品。
確かに、この広がりが大きい空間で作品の存在感を持たせる、となるとこれくらいパワーの在る作品じゃないと場に耐えられない。
場を考慮して、作家・作品・見せ方をキュレーションしているわけか。

あえてパーテーションとなる壁を使って空間を狭めているところもありました。
そうする事でだだっ広い空間を仕切り、作品に目が届きやすく促す効果がありました。

やっぱ意図があるんだよな〜ちゃんとしてるところは。
(あくまで個人的な見解ですよ、悪しからず)

マイベストワーク!
紹介していただいた香港のギャラリー(ADMIRE Gallery)にて展示されていた作品。ずーーーーっと観ていられる。すごい大掛かりな作品なのに、その作業量とかに相反してクスッと笑ってしまうファニーな所がある作品。好きだー


それから、個人的にちょっとお話させて頂いた、galleryUG
東京のギャラリーで、倉庫とホテルと2ブース出展。

キュレーターの方と色々お話させて頂きました。
まず完全なるコマーシャルギャラリーということ、さらに作品は最初に買取しているそう。作家が気持ち良く制作出来るように、経済的な部分で諦めることが無いように、十分なバックアップがなされていました。

「ギャラリーが本来やるべきことって作家のプロモーションだし、それをやっているだけなんだけど、それが機能していないところが多いよね」

そうなんです!
作家に出展費カンパさせるギャラリーが大半な上、大してキュレーションやプロモーションもなされていない事が正直多いんです。
わかるんですよ、機能させることがかなり難易度高いことも。あらゆる事情がありますし、ギャラリーも経営ですから。

だけど、とにかくここで聞いた話は作家ファースト。話していてほんと気持ちよかったな〜


ステージを上げたい

では、自分自身の展示はどうだったか…
結論から言うと、ちょっと残念でした。

というのも、今回初めて展示させて頂くギャラリーからの出展でした。
台湾で展示してみたい、という強い思いがあったため、オファーを頂いた時はグループ展示だし、作品のサイズ指定も小さいのでちょっと躊躇はしたのですが、まずやってみよう!と思ってお引き受けしました。

ですが、結果やはり、互いに信頼関係を築けていない状態での展示は危険だとわかりました。


そもそもキュレーション出来てへんやん!ってギャラリー多いな、と思うんです。
これディスりじゃなくて、それだけ難しいって事です。


特にグループのキュレーションなんて難解。
出展費のカンパの話が出ましたが、個展でコマーシャルではなく実費となるとキツい分、頭数増やして出展費を分散というわけ。
だからグループ展って多いんです。

意図を持って集められたメンバーとは言いきれない分、その場合、単なる集合展示になってしまう。そうなるとキュレーションしている、なんて言い切れない。

最近、グループエキシビションには限界を感じています。
そもそもキュレーションなんてすごく難しいのに、ましてやグループなんて難問中の難問。
その中でグループとしてもひとつの表現を達成しながら、さらに自分のよさを出すなんて、相当練られたキュレーション展じゃ無い限り厳しい。

しかし、ギャラリーがあれしてくれない、これしてくれない、って腹を立てて文句言ってるわけじゃない。
これが自分の今の実力なんだと痛感しました。

非常に多くのところからありがたいことにオファーもらえるようになったのですが、その大半が完全なコマーシャルでは無いギャラリーな上、グループ展示の打診がほとんど。
そういった案件からのオファーが多いということは、自分の実力がそれ位、ということだと甘んじて受け止めつつも、そういう状況にフラストレーションを感じるということは、次のステージへ行きたがってる、ということでもあるなと感じました。

セルフブランディングという言葉とか、アート関連以外のところでキュレーションって言葉が使われるようになったりとか、個の時代において、どう届けるか、どう見せるか、どう思わせるか、って事を考えなくちゃならない時代。

自分自身にもその能力が求められるし、その能力の高いところと組みたいのは当然。

果たして自分のよさが引き出されていたか…
自分自身では心残り。

商業クリエイターでも、ずっと同じ単価で仕事はしないし、キャリアを重ねて単価を上げる。それに対して価値を見出してくれるクライアントを選ぶようになる。
それと同じ。
いつまでも低単価でいちゃいけないな、自分を安く見積もるのは辞めよう。

知人のキュレーターさんに、
「もうキャリア的にもグループじゃないですよ!個展をやっていきましょう!」
と言われてすんなり腑に落ちたんだった。

そしてそれは、今回の事でさらに浮き彫りになったと思う。

前々から気づいていたんだけど、ようやく踏ん切りがついた、って感じです。

エキシビターパスも貰えないし、
パーティがあるはずなのにアナウンスすら無くて行けなかった…

あ〜あ、センチメンタルジャーニー…

そうだね、断捨離します!

ですが!

肩落として、しょぼくれて…そんな状態でトボトボと帰国するわたしじゃないよっ!ってな話を後編では綴りたいと思います!まだ台湾編続きます。

とは言え、なんだかジメッとした文章書いちゃったかな。
来週はいっその事、OLの旅ブログみたいな楽しいだけの薄っぺら〜な文でも書こうかな。笑

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