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地方在住40代主婦、洋服を買えない問題。
クワイエット・ラグジュアリー!
最近「おおー、これだよこれ!」という言葉に出会いました。
それは”クワイエット・ラグジュアリー”。
周囲に知らすこともなく、気づかれることもなく、自分だけが楽しむことを大事にする、そんな考えだそうです。
洋服なら、ロゴなどが全面的に出ていないものの、着ると素材の上質さが際立っていることを感じられるハイブランドのもの。
食べ物だったら、パンに塗るバターにこだわって贅沢を感じる、とそういうことのようで、要は、”素敵な自己満足”と私は解釈しました。
この言葉に出会えたときは「これよ、これ!私はこうありたいのよー!」と嬉しくなりました。
服選びの基準。
結婚して、東京から南九州に移り住んで18年。
18年もたつというのに、生活の変化の中で、いまだにクリアできていないのがファッションです。
私の洋服(や物)を買うときの基準として「自分が惚れて納得のできる服を手に入れたい。妥協して買うことはしない(値段に関してはその後)」ということがあります。
これまで、迷いこんだり失敗したこともあったものの、この考えは学生の頃から変わっていません。
ヴィトン、エピの思い出。
大学生のころ、赤、青、緑、黄色、黒…カラフルなヴィトンのエピをもつ人が大学やバイト先で溢れていたころがありました。
原色に近いカラーで、それなりの品もあって(ロゴも型押しだからわかりづらくていい)、友人や街中で持っている人を見ていてるのも好きでした。
見るのは好きでも欲しいとまでは思っていなかった私だったのですが、
ある時、路面店だったかデパートだったかのヴィトンのお店で出会ってしまったのです。オレンジ色のエピに!
当時、オレンジが好きだった私は、オレンジが展開されていることを知らなかったこともあって、見た瞬間に心を奪われてしまったのです。一目惚れです。
アルバイトでためたお金で、最初にオレンジのエピの二つ折り財布を、その後しばらくしてから手帳のカバーを買いました。
少しずつ馴染んでくる革。
ピカピカしていたオレンジが落ち着いてくる感じ。
かばんの中で見つけるたび、嬉しくなる感じ。
そんなことがたまらなくて、質のいいものを大切に使っていくということの喜びを始めて味わったような気がします。
周りからみたら、流行りのエピを持っているくらいにしか見えないかもしれないだろうけれど、「そんなことはどうでもいいの!」と思えていることも、まだ、ふわふわしていた若かりし頃の私には大きいことでした。
ブランドロゴそのものにとらわれることなく、自分のいいと思うもの、納得できるものを自信をもって持つ。その時はたまたま流行っていた(から出会えた)ブランド品ではありましたが、その後もスタンスは変わることなく、だから「クワイエット・ラグジュアリー」の考え方はぴったりくるものでした。
そんな私のクローゼットはどんどん空いてくる。
それから20年以上たって、ただいま南九州の店の少ない場所に住んでいる私。
毎日の服ですら、相変わらず、自分の納得のいくものを探したい、目で観て触って選びたいのですが、今、住んでいるところでは、そんな機会があまりありません。お店も物も少ないのです。よって、どんどん手持ちの服が減っていきます。ネットでもたまに買いますが、これぞというブランドがあるわけではないので、当たったり外れたりしています(そんな中、UNIQLOにはとても助けていただいています。重ねてよし、質よし、コスパよし!)。
そんな中でも、運よく、気に入る洋服、モノとの出会いがあった時には脳内がフル回転!
「この素材(できるだけ化学繊維を避けたい)が〇〇%入っているけれど、大丈夫かな?手触りはどう?許容範囲?
この服に何をどうやって合わせる?着まわせそう?
似たようなものは持っていない?
ちょっとの迷いがあるなら買わな言って決めているよね?迷いはない?
このレベルで気に入るものにはしばらく出会えないかもしれないよ?!
買う?買わない?!さぁ、どっちー?」
と、熱いディスカッションが私の中で繰り広げられます。
高速に乗って出かけた先で出会うことが多く「考えてからまた来ます~」と気軽に言えないので必死です。
ここで妥協して買ってしまうことも多かったけれど、40代も過ぎると「悩むならやめよ」と、加齢により図々しくなったことも相まって「ありがとうございます。一度考えさせてもらいます」と何も買わずにお店を出ることも多くなりました。
こんな風に、質と素材と値段に納得できるものしか着たくないわがままな私なので、年々洋服が減っています。
さらなる課題。
ここまでだったら「地方にはお店が少ない」問題だけで終わるのですが、
専業主婦である私は「そもそも着ていく場所がない」問題も抱えています。
正確には「そもそも着ていく場所がない。着ていく場所が欲しい!」問題です。
「素敵な洋服に出会えたとて、着ていきたい場所がない」
「素敵な洋服に出会えたとて、それを着て行動したいことが思い浮かばない」
のが現状です。
嘆くのではなく、動いていこう。
2023年12月にパートを辞めて、5カ月。
一時期は何に対しても欲がなくなり、人と接することもぐっと減り、世捨て人のようになっていましたが(いい意味で)、
最近、細々と続いている人と会うようになったり、同じように主婦だけど素敵だなと思える人との出会いが増えて、私ももう少し広い世界に出たいなと思うようになってきました。
「着たい服が見つからないなら、飛び出して探しにいこう」。
「着ていく場所がないなら、場所ができるような自分にしていこう」。
「クワイエット・ラグジュアリーを身に着けていく場に出られる自分になろう」。
ここ2週間ほど、近い人の入院や、子ども達の胃腸炎リレーに(どうせならまとめてなっておくれ)翻弄されていましたが、そんなことを考えられるようになったこの頃です。