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秋の夜長に本とコーヒーを

秋になると空気が変わる
なんとも言えない澄んでいて、深呼吸したくなる様な気持ちのいい空気
金木犀はもう終わってしまったけれど、吹く風の心地よさや匂いに秋を感じる

読書の秋なのか、今年は本が読めている
知りたい欲求や、何かを得たい欲求が強くなっているのか、はたまた自分と対話したり、作者の人と会話するように読んだり

そうなんだ
作者の人の事を全く知らないのに、読んでいるとなんだか友達の様な錯覚に陥るから不思議だ
会話している様な気持ちになる
特にエッセイ

流石に物語やミステリーなどは作者というよりは、その中の主人公と話したり、友達のような気持ちになる

大人になってから
特に子供を産んでからは、自分の友達と会う事が減ってしまい、なかなか地元に帰れない為か、孤独を強く感じる様になった

今も感じている

でも、その中で、最近とても思うのは、本を読んでいると友達に会って話している様な不思議な気持ちになるのだ
若い時から話す事が好きで、友達とたわいもない話から、とても深い話をしたり、生きるとはのような哲学的な話をしたりする事がとても私の心の中を満たしてくれる、幸福な大切な時間だった

子供が産まれ子育てと仕事と生活を回すことに一生懸命で、そんな時間を少しの時間持てず、あっという間に子供も大きくなり、また自分の時間が戻りつつある中で、最近感じる事は孤独だ


人はいつも最後には1人

そんな言葉を誰かから聞いたのか、本で読んだのかはわからないが、この言葉がとても身に沁みるのだ

孤独は悪ではない

それはわかっているつもりだか、寂しいのは辛いのだ

孤独と寂しさもまた違うものだろうが、私が感じているのは、話し足りないのだろうと思うのだ

ここにこうして書いている様なたわいもない事や、答えのない事、答えが出ないことについて、自分はこう思う、あなたがどう思うと話し合っていたあの時間に得た幸福感をまた味わいたいと強く思っているのだと思うのだ


そんななかで、一冊の本と出会った


それは永井玲衣さんの
水中の哲学者たち

まだ読み終わってはいないのだが、この本を読んでとても不思議な気持ちになった
それが、対話している感覚

こんなにも自分の好きな文体というか、なんと言えば良いのか分からないが、文章だってその人の形がより濃く出る物だと思うが、それがとても心地が良いのだ

読んでいて、好きだと思うから不思議なのだ

初めてこの永井玲衣さんの本を読んだのに、なんだか知り合いかのような錯覚に陥るのだ


そして何よりやはり話している様な不思議な感覚になるのだ


あぁ、私は人と、それも気心知れた人と会話を楽しみたいのだなぁと痛感した

あれこれ相手の気持ちを考えて忖度した会話ではなく、ただ話したい事を話して、話しがとまらないという事を最近全然経験していないのだ
だから心が叫んでいるのだ
私自身に
会話をしたいと

自分自身と対話することも悪くはない

だけれども、今は、自分の中の自分との対話ではなく、あくまでも他人との話の中から生まれてくる事に飢えているのだ

秋になり、夜が長くなり、色々な事を考えてしまう中で、会話に飢えた私は今日もここに気持ちを吐き出している

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