孤独と猫と私
猫は孤独を愛する生き物だとよく言われる
しかし、そんな事は決してない
私は2匹の保護猫と暮らしているが、全く孤独を愛してなどいない
たしかに、過度な干渉を好まないのはあるかもしれない
気まぐれなところもある
だが、本当に猫は愛情の深い生き物で、感情をボディーランゲージで伝えてくる愛の深い生き物だと思う
私は日々孤独を感じる
それは悪いことではないのだろうけれど、とても寂しく、苦しい事の様に思えてくる
人は皆孤独を多かれ少なかれ抱えているというような事を本で読んだ事がある
自分の事以外はわからないからなんとも言えないが、私は孤独を日々の何気ない時からとても多くの場面で感じる事がある
私は孤独が嫌いだ
これは自分のルーツでもある、
いじめが原因だとは思うけれど、
幼い頃から寂しいや孤独をとても恐れていて、とにかく嫌いなのだ
子供の頃、私達兄弟は同じ部屋で一緒に寝ていて、両親は別の部屋に寝ていた
子供は早く寝るが、父の帰りはいつも遅く、そんな父を母は毎日起きて待っていて、駅に着くと母は車で毎日の様に父を迎えにいっていた
玄関のドアをそーっとかちゃりと開ける音ですぐに私は目を覚ます
置いていかれるのではないかという不安でいっぱいで、半べそをかきながら、大急ぎで走って母のもとへいくのだ
母は困った顔をして、「また起きちゃったの?お母さんすぐ戻るから、寝ててね」と言うのだ
私はそんな母の言葉を信じるよりも小さい弟と2人きりの家にポツンといる事が、本当に怖くて怖くてたまらなかった
だから、いつも連れて行ってくれとお願いをして、泣きながら連れて行ってもらっていた
そう、この小さい頃の自分が思った不安や孤独感は、今の私の中にもあるのだ
それに加えていじめられていた辛い過去の体験から、人にどう思われ人からどう見られるかを異常に気にしてしまう自分の性格のせいで、不安や孤独を感じると、私は誰からも必要とされないいらない人間なのかもしれないと言う気持ちが湧き上がってきて、
目から自然と涙が溢れてきてしまうのだ
どうして私はこんな人間なのだろう
皆んな楽しそうに生きていて
孤独なんか微塵も感じないようにみえる
友達がいて
ひとりぼっちではないようにみえる
とても羨ましいと思う
なぜ私は同じ様になれないのか
寂しくて人と関わり、人から頼られ、好かれたいと常に思うのに、そうなれない自分がとても情けなくて、悲しくて、辛い
大人になって、人は強くなると思っていた
でも、そんな事はなく、むしろ経験を積んできて色んな人と出会った事で、よくわからなくなってしまった
若い頃は、キャラクターを演じる事で何か、なんというか、強くなれた
社交的でみんなの為に行動して、心から何でも楽しんだ事で、本当にたくさんの人と出会い、たくさんの幸せな時間を過ごせた
しかし、結婚して子供ができ、大好きな故郷を離れることに成ってから、大きく人生が変わってしまった
今の生活が嫌な訳では決してない
好きな所もたくさんあるし、家族はとても大切でとても愛していて、家族との関係はわるくはない
ただ、大好きだった場所や友達と離れて、両親とも離れてしまい、私を形作ってきたものと離れた事で、私は心にぽっかりと大きな穴が空いてしまったようなのだ
ビュービューと風が吹いていて、強い孤独を感じてしまうのだ
どうやったらまたあの頃の様に毎日が本当に楽しくて、充実していた日々を過ごせるのだろうか
充実していれば、この孤独は癒せるのか
それすらも、今の私にはまったく見当もつかないから悲しい
40歳という女性が通る、更年期なのか、自律神経の問題で精神的に不安定なのか
この孤独感とうまく付き合うための方法と、幸せな日々を取り戻すにはどうしたらいいのか
今日も私は不安や孤独と戦わなければならないのだ
でも、私には愛する家族と家族である猫がいてくれる
猫を撫でて目を見つめて語りかけると、言葉はなくとも私を抱きしめてくれる様な暖かさを感じられるのだ
だから私は今日も猫に甘えるのだ
彼らは私を受け止めてくれるから