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私のひみつ
長く書き留めておいた記事を遂に公開します。
この生活を終わらせて、ちゃんと整理がついたからです。
突然ですが私はシスジェンダーです。今のところは。
21年前に女として産声を上げた私は、21歳の今も、女の身体で女として生きています。
私は自分の身体と心が生物学上女性であることに違和感を持っていません。
でもこれが私の辛いことでもあります。
私には長らく一緒にいる男性のパートナーがいます。
そうそう、たまに登場するあいつね。相方というか親友というか、このまま一緒になるのか、ならないのか、そんな関係の奴です。
居心地はいいです、おもろいし、楽だし、好きで、まじで最高の相方。
周りからは、きっとただの仲のいい親友か、カップルだと思われている。
でも私は彼のことを彼氏と呼びません。
めんどくさいときはそう紹介するときもありますが、彼は彼氏ではなく、パートナーです。
私の彼に対する好きは、ライクだから。
なぜかというと、私には愛している人がいるからです。
これから綴ることは、一世一代のカミングアウトであり、私のことを好きで居てくれる何人かのうち数名は私のことが嫌いになると思います。
ごめんなさい。でも苦しいです。
嘘を背負って生きるということは。
誰にも言えないことを吐くためにSNSを始めました。
どうなってもいいから。
でも新しい居場所を見つけるとそこでの大切な人ができてしまう。
ここでも大切な人がいるけれど、でも私にはここでしか本音で生きることができないので言います。
怖いねこういう告白の前は。笑
もしよかったら、読んだ感想を送ってね。
嫌いになった、最低だね、とかそういうのでもいいから。
初デートは女の子でした。友達と遊びに行ったのではなく、あれはデートだった。今でもそれは確信に近い感覚でそう思っています。
突然のカミングアウトにはなりますが、私はパンセクシュアルです。
パンセクシュアルとは、全性愛者のことであり、誰かを好きになるときに相手の性別や性の在り方を特に気にしません。いろいろな解釈がありますが、私の感覚としてはこれが一番しっくりくるので今回は、この定義でお話を進めます。
私は今まで、男性、女性、どちらでもない方と恋をしてきました。
現実世界ではあまりカミングアウトしていないのですが、書かないと消化できない出来事があったので、ここでは公表することにしました。
もしお友達で読んでる子がいたら、そうなんだなと、思ってください。
パンセクシュアルでいて困ることは、「いろんな人を好きになれていいね」と言われることや「何でもいいなら、男と付き合いなよ」と言われること。
こういう勘違いがあるのは仕方ないことなのかなと思っています。
まぁ、左利きの人が改札通りづらい的な。好きでそうなっている訳じゃ無いのについてきてしまう厄介なことというか、そのくらいの感覚です。
パンセクシュアルでいてよかったことは、彼女を愛せたということ、彼女を愛してるということ。
わたしには愛している人がいます。
もう会えないけれど、連絡も取れないけれど、人生で一番大切な人です。
彼女について、少しだけ書きます。
あんまり書くと叱られちゃいそうなので少しだけ。
もう一度、声が聴けるなら叱ってくれても構わないんだけどね、
彼女は私より年上。書き言葉の一人称が僕で、話し言葉の一人称が私。
笑顔がかわいくて、ショートカットがよく似合う、猫とチョコレートとキウイが好きで、真面目で、不器用で、優しくて、頑張り屋さんで、泣き虫。
そしていろんな意味で強い。強くてほんとうに素敵な女性です。
そんな彼女と出会ったのは、ほんとに偶然でした。
運命という言葉が存在するのであれば、あれがそうだったのかも。
はじめて彼女の声を聴いたとき、はじめて耳に入れたその音が、ずっと前から知っていて、ずっと前から待ち望んでいた音のようなそんな気がしました。
私たちは出会ってから、仲良くなるまでに時間はかかりませんでした。
彼女は私のすべてを受け入れてくれ、私もまた、そんな彼女のすべてを受け入れてあげたいとそう思いました。
私たちは傷を見せ合って、笑いあって、涙し合って、きれいなものとおいしいもの、楽しかったことを共有し、大したこともない頑張ったことを自慢し、それを褒め合う。そうやって生きていました。
そんな穏やかな日々は、終わってしまいました。
(ここからは当時の考えです。)
私は小さなころから、お嫁さんになるのが夢でした。
それは純白のドレスに身を包むことでも、教会で愛を誓いあうことでもなく、ただ、愛する人と共に、〝みんなから認めてもらえるカップルになるということ〟に憧れていました。
私がその夢を持っていることは、誰も知りません。
彼女と共に生きるということは、その夢が叶えられないということ。
こんなにも愛おしい存在が、社会的にはカップルとして認めてもらえないということ。
それがどうしても耐えられる自信がなくて、私は彼女の恋人になるという道を選ぶことができませんでした。
ただ、彼女のよき理解者として、大好きな彼女の隣に居れたらそれでいいなと思いました。
でも彼女にとっては、手に入れられない大好きな私と一緒にいることは辛いことでした。
一緒になれないのに、付き合い続けているのは耐えられない。
だからただ隣に居たい私。
付き合えないのに、ただ隣に居るのは耐えられない。
だから一緒には居られない彼女。
私たちは気持ちは一緒なのに、ほんの少し違っていて。
こんな些細な違いが、私たちにはあまりにも大きすぎる壁でした。
彼女は強いと、いろんな意味で強いと書きましたが、彼女は私以上に自分の意思や芯をしっかりと持っている女性です。
何時間も話し合いましたが、やはり一緒にいることは耐えられないという彼女の芯の強い考えに揺らぎはなく、頑固な私も彼女の考えには納得して、
私たちはつい先日、一切の連絡を絶つことになりました。
彼女は強い人です。そして底抜けに優しい。
でもそれはいろんなことを耐えてきた強さと優しさです。
はじめて心の傷を見せ合った夜、私はずっと彼女のそばにいたいと思いました。なんでこんなに素敵な子がこんな傷を負わねばならなかったのか。なんで彼女ばっかり、傷ついてしまうのか。
烏滸がましくて、利己的な考えだけれど、幸せにしたいと思ってしまった。
彼女を手に入れたいと思った。誰のものにもなってほしくないと思った。
でも、もし自分の手で彼女を幸せにできなかったとしても、せめて彼女が幸せになる過程を見ていたいと思った。
それが、叶わなくなりました。
彼女が幸せなら誰と一緒になってもよかった。
ただ毎日笑って幸せに暮らしてくれていればなんでもよかった。
でもその姿はどうしても見ていたかった。
なのに、私は自分の意思で彼女と一緒にならない道を選んだ。
彼女には「あーちゃんが欲しかった」と言われた。
わたしだって貴女が欲しかったよ。
強くて優しくて、世界で一番かわいい貴女が。
ただこの人だけは、誰のものにもなって欲しくないと
そう思った人が、生物学上いまの日本ではたまたま
婚姻関係を望めない性別だった。
わたしと彼女は、同じ性別で生まれて別々に育って、ある時出会った。
何も悪いことはしていないのに、私たちは喉から手が出るほど欲しかったお互いを手に入れることができなかった。
それが、とても辛いです。
男とか、女とか。日本人の遅れって何だろう。
先日、こんなランキングを見ました。
「多様性についての遅れ」
あぁ、これなんだろうなと思いました。
みんなと一緒であることを最も重視した教育が長らく続いた日本では、私たち少数派はまだ幸せにはなれないんだ。
小さなこだわりだと、言われてしまえばそれまでですが、私も彼女も譲れないものがありまして。私たちはお互いが大好きだから、相手の譲れないものをへし折ることもできなかった。
私はあなたがいないと生きていけないのに、あなたはわたしがいなくても生きていけるのが悲しかった。
生きているうちに、やっぱり私がいないとだめだと
そう言わせられる、強くて魅力的な女になってやる。
そんなことも、思っているんだよ。知らないでしょ。
彼女と離れてから、2人で好きだった缶のココアが飲めなくなったこと。
天気予報で彼女の住む県を先に見るようになったこと。
彼女の飼っていた猫に似た猫を見つけると喉の奥がツンと痛くなること。
彼女の誕生日の春が近づくにつれ、会いたいと思ってしまうこと。
この先、絶対に幸せにはなりたくないと思ったこと。
もう誰のことも愛さないと決めたこと。
彼女と離れて、私に起きたこの変化こそが、
彼女が私の中にいるというただ唯一の縋りつける事実です。
彼女と生きる道を選べなかった。幸せにはならないから許して。
そういうと彼女は、「幸せになってね」と私に言いました。
冗談じゃないよ、あなたがいないなら幸せになんかなりたくないよ。
神様、来世はどうか男の子にしてください。
そして、また彼女と偶然めぐり合わせてください。
あぁ、もしかしたらきっと私たち、同じことを考えているかな。
だったらお互い男の子として、また出会っちゃうかもね。
その時はさ、一緒に逃げようね。
わたしも強くなるからさ。次こそは、どんな手を使ってでもきっとあなたの手を離さないから。
今世のうちに強くなれたら、会いに行くね。
ううん、あなたを選べなかったとき、私に絶望していた貴女はこんな言葉きっと信じてくれないよね。
絶対に、強くならなきゃだめだよね。
今でもまだ、貴女が欲しいよ。
だから、いつか会いに行けるように頑張らないといけないね。
それまで私のこと忘れないでいてね。
今でもずっと、愛してるよ。
私のひみつ、それは彼の彼女として生きながら、彼女を愛し続けているということ。最低でしょ。