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スライドを速く動かすコツは手首!
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トロンボーンで速い動きとか無理ゲーじゃん…
っと思いますが吹けたらかっこいいですよね~
確かに早い動きは難しいし無理ゲー臭たっぷりですが
手首や肘に注目すると難易度を下げることが可能です◎
今回は、ビッグバンドなどで現代的でトリッキーな
いわゆる「コンテンポラリー系」の楽曲をこなす機会が多かった私が見つけた
速い楽曲を攻略する際のポイントを共有したいと思います!
■スライドが速く動かせない理由
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速いテンポの曲や細かい音符で腕が間に合わない!
そんな人に確認してもらいたいポイントが2つあります。
✔ スライドを握りしめていないか
✔ 肘を支点に曲げ伸ばしができているか
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>スライドを握りしめている
速いし難しいので一生懸命スライドを握りしめてしまう
気持ちはとーーーーーってもよくわかるのですが
これが逆効果になっています。
隣り合うポジションへの移動は
手首の可動域で賄うことができます。
気合を入れてスライドを握りしめると
連動して手首までがっちりホールドされてしまうのです。
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>肘の位置がブレブレ
色んなポジションを取る時に
肘も前に行ったり後ろに行ったりしていませんか?
腕全体でスライドを動かすイメージを持っていると
肘から腕を折り曲げる動作が出来なくなっていて
動きが制限されているように感じます。
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■スライドを速く動かすコツ
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スライドを速く動かすときのコツは
手首や肘などの可動域を存分に活用することです。
そのためには
ある程度の脱力が必要になります。
右手を自由に動かかしたい時は
左手で楽器をしっかり持つこともポイントの1つです
>手首はブラブラ
たとえば
1,2,3ポジションを行ったり来たりしたい時。
腕全体を「くの字」の状態で力を入れて固定し動かすのと
肘を一か所で固定して手首の曲げ伸ばし(っていうの?)を使って動かすのでは
どちらの方がスムーズに動きますか?
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今は1~3ポジションを参考例で挙げましたが
基本的にはこの感覚でスライドを操っています。
ざっくりいうと
隣り合ったポジションの時は手首でポジションをとっていく感覚です。
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>肘の位置は固定して支点を作る
腕の力を抜いて!というと
自由気ままに腕を動かすことなのかな?と思いがちですが
肘の位置だけは出来るだけ1点に固定する意識をしてみてください。
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ざっくりいうと
肘を支点に腕を曲げ伸ばしして距離を変える感覚です。
まとめると
✔ 肘の位置を固定してそこを支点に腕の曲げ伸ばしで距離感を変える
✔ 手首の動きを使って細かいポジション位置を取る
とこんなイメージでスライドを操っています。
確認)音が出る前にポジションへ移動できてますか?
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速く動かすコツは上の通りなのですが
実はそこよりも重要なのがポジションに到達しているタイミングです。
トロンボーンに限らず
金管楽器は管の長さをスライドやピストン操作で変えて演奏しています。
出したい音にあったサイズの管の長さに変更してから息を入れている
と、こういう仕組みなのですが…
さて、
息が入る前(音を出す前)にポジションにちゃんと到達していますか?
トランペットなどの押すボタンで管の長さを変えるのは
指で押し込むその距離だけで瞬時に変えることができますが
トロンボーンは長くしたければ実際に長く管を伸ばす必要があります。
つまり
物理的に距離があるので移動に時間がかかることを忘れてはいけません。
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ここがうまくかみ合ってないと…
✔ テンポにあっていないと感じたり(走ってる、遅れてる)
✔ 音程がヘンテコになったり
✔ ポルタメントがかかったり
と不具合が多発します。
>早くするのは腕の動きだけじゃない!
意外と盲点なのが「タンギング」です。
これは指の楽器の人に多く見られる気がしますが(当社比)
指は間に合っているのに口が追い付いていないというケースです。
タンギングは基礎練習とかで鍛えていると思いますが
曲中で使えないと意味がないです。
「基礎練の形ではできるんだけどな~」はできていないのと同じです。
速い動きの箇所を口で歌えるのかどうかで結末が変わります。
楽器を使わずにタでもティでもトゥでもいいですが
しっかりとテンポに合わせて歌えるか
是非これも確認してみてください◎
■早く動かすトレーニングアイディア
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ではトロンボーンの話に戻して…
速く動かすには
様々な距離感を動かす腕の感覚を覚えるのが良いと思っています。
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こんな感じで
様々な距離を動かすときの腕の感覚をまずゆっくりでいいので覚えていきます。
腕がポジションで止まってから息を入れる
この順番を守ってください。
そしてテンポを少しずつ上げていくわけですが
この時に無意識に手に力が入ってしまっていないかよく観察して進めていくのがポイントです。
それなりに速くなってきたら
狙ったポジションの位置に到達したときにクっと止められるように
手首に力を入れるタイミングを研究してみてください。
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余談)スライドの調子はいいですか?
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スライドがガシガシして滑りが悪いと速く動きません。
無理やり動かすと力を入れることになるので
スライドが歪んだりといいことも全くありません。
>動きが悪くなる原因
動きが悪くなる原因は主に3つほどあります。
✔ オイル不足
✔ お手入れ不足
✔ 歪み、凹み
オイルやお手入れは日々の習慣で改善できます。
速く動かすコツを使わずに
スライドに負荷をかけて(力を入れて)吹いていると
スライドが歪んでしまって
ロックかけてないのに手を離してもスライドが落ちない!
というイリュージョンが起きます。
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>吹く前にオイルをつけよう
トロンボーンを吹く前にはスライドオイルをつけます。
このアイテムはスルスル動かすのを助けるだけではなく
錆防止などの成分も配合されているのでスライドにはとっても大事です。
クリームや液体、スプレーなど様々な種類がありますが
私はその時々によって使い分けています。
音色が変わったり(するらしい…私はあまりわからない…)
楽器との相性だったり
手軽さ(手が汚れないとか)
などいろんな観点から吟味して選んでます。
■まとめ
今回はスライドを速く動かすコツについて解説しました。
✔ 左手でしっかり持って右手はブラブラ
✔ 手首で動かす感覚と肘の支点を意識する
✔ 腕だけじゃなくタンギングとの連動も大事
速い曲は聞いている方も楽しいですが
吹けるともっと楽しいですよ!
次回(4/5配信予定)は
ブレスをとる時のコツをお話ししようと思います。
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