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田舎移住の悲惨な末路

街の喧騒から離れ、のんびり静かに余生を過ごす。都市部のマンションを売り払い、田舎に土地を買う。

withコロナ時代。田舎生活に憧れる人が、現実味を帯びてグンと増えたようだ。

だけどよく考えてほしい。

過疎化がすすむ田舎に実家がある私が直面している『実家どーする?問題』

田舎の不安要素

確かに気負いなくゆったり時間を過ごすことができる田舎だが、中年以降の移住には大きな問題点がある。

年齢が上がれば、必然と医療機関のお世話になることも増える。しかし通いやすい範囲に満足できる病院施設があるのか?治療方針が合わない場合に選択の余地はあるのか?

また、公共機関が乏しい田舎には車が必須だが、いくつまで運転できる??車なくしては行動範囲は極端に狭まり、あっさり陸の孤島と化してしまう。ちなみに私の実家付近では、過疎化のあまり路線バスのルートが変わってしまい、最寄りのバス停まで徒歩30分になってしまった...。

修繕積立金だってバカにならない。

これまでは30代でマイホーム購入→定年後にリフォームというパターンが主だった。私の実家も、ちょこちょこと修繕しながら、両親の定年頃に大幅なリフォームを済ませた。

でも人生100年時代。有難いことに長生きできてしまう今は、亡くなる前にもう一度リフォームが必要になる恐れがでてきた。その後も住んでくれる家族がいればそれもいいけれど...。

私も兄弟たちも、実家が好きでよく帰省するが、本格的に戻るつもりは誰もない。

次なるリフォームをするのか、高齢者施設に入る準備金を蓄えるのか、悩みどころだ。

老後を見据え、前もってバリアフリーにして手すりなどたくさん付けてしまうと、云わずもがな漂う『お年寄りが住んでいました感』。この溢れ出す生活感が、いざ売却したり賃貸に出すとなると障害になるのだ。

本当にバリアフリーが必要な人が、わざわざ田舎の一軒家に移ろうという需要がない。その場合は、自宅を出て施設に入る方がほとんどだからだ。まして田舎移住を夢みる若者には、なおさら手すりの需要はない。

私自身、田舎の借家を探していた際に、家中手すりがある物件はためらってしまった。見映えの問題というより、その家のストーリーをダイレクトに感じてしまったから。

手放したいのに手放せない

観光地に近かったり、いっそジブリな限界集落だったらまだ好まれるだろう。

地方の寂れた住宅地の一軒。半端な田舎だから困るのだ。諸先輩方の話を聞く限り、相場の坪単価など当てにならないらしい。妥協した希望額の半値で売れたら万々歳。固定資産税や諸経費ばかりかかり、タダでもいいから誰か貰ってくれ!と懇願する人も少なくないようだ。タダで譲るにしても、「土地は要るけど建物はいらない」となれば取り壊す費用はこちらの負担になる。


さてさて。

今のところ両親共に健在で、二人で暮らしているのだけど。人の往来が少なくなった住宅地で、どちらか一人になった時は心配でたまらない。

「実家どーする?」は、兄弟間でもよく出る話題になってきた。思い出がギュウギュウに詰まった家を失うのは淋しいし、[お金のかかるお荷物状態]となるのはなんだか切ない。もう少し先かな...と思いながらも、必ず直面する問題なのであって。うーん、どうしたものか。


わざわざ田舎移住をして悲惨な末路にならないよう、歳をとってからの住み替えは十分 慎重に。

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an 👄雑談ソムリエ
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