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日本からオランダへ行くと食に幻滅するという話

オランダへの引越しが決まって、その事を周囲に伝えた際の「えー!?」の後に続く会話の中によく出てきていたのが

「食事が美味しくないのよね?」

そう、この食事美味しくない問題はオランダへ行ったことがある人には何度も言われたし、実際に住んでいた友人からもレストランは期待しちゃダメ、高い、美味しくない、と聞いていました。
隣のベルギーみたいに美味しいお菓子もないし、そもそも食に興味がない国民性だから発展しないみたい、とも。

歴史的には古くから繋がりがあった日本とオランダですが、邦人が多く住むアメリカ、イギリス、フランスの様に文化や生活情報の発信が多い都市を有する国とは違うため、食についてはほぼ未知の世界です。
パッと思いつくのはお花と風車と木靴と自転車くらいでこれといった郷土料理が浮かんできません。
私も夫からオランダ行きの話を聴いた時は、即座に娘が風車の前でチューリップを摘むシーンだけが思い浮かびましたから(笑)。

生活するとなると、やっぱり衣食住の中でも食はかなり重要です。
私は日本にいる時はとにかく食いしん坊で、美味しいものの情報にはピピっと反応して現場へ向かうエネルギーを持ち合わせ、選ぶレストランも入念なリサーチで不案内なエリアでさえハズさない自信がありました。
友人の間では「あやなび」と言われ、現在日本にいないのに恵比寿でオススメのイタリアンは?なんてラインも来るくらいです。

そんな私が食に幻滅するんじゃないかと心配する家族や友人達。
期待しない方が心の準備も出来るのではと、美味しくない食べ物情報も着々と集まりました(笑)。私もこの際、食いしん坊魂が弱体化し自転車に乗りまくって人生初の細マッチョになる予想をして美食の国日本をあとにしました。

で、実際はですねぇ。。。

大ハズレです!!

自転車漕いでもお腹空いて美味しいご飯をいっぱい食べちゃって全然痩せません!!むしろ逞しく成長中です。

これは個人差があるので何とも言えませんが、これからオランダへお引越し予定の方はご心配なさらずにお越しいただいて大丈夫だと思いますよ。
美味しいものが大好きな私が大丈夫なのですから。

それでは一体どんな食事に満足できているのかと言うと

外食ではなく、自炊です!

こんな風に言うと元々お料理の腕があり自炊が苦にならないタイプ、または手を抜かない主義?と思われるかもしれませんが、私は基本的にズボラでお花関連以外については相当適当な性格です。
日本では週末は殆ど料理をしないで外食に頼っていましたので自炊から逃れたい気持ちはあったのです。
そんな私が不満を抱かずに自炊が出来ているのは、(料理に手間をかけない)オランダ人がサクサク食事を作れるように既に準備がされたものがスーパーで売られているからです。
例えば私がよく行くスーパーAlbert HeijinのHPをスクショして紹介してみましょう。

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Wok(中華)、Nasi Groente(ナシゴレン)、Fijne soepgroente(野菜スープ)など用途に合わせたカット野菜がブレンドされていて、その中にも組み合わせのバリエーションが色々あります。

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ひき肉は牛豚鶏共にあり、ミートボール大小に整形されていたり、ハンバーガー用のパテになっていたりするものもあります。
鶏肉は皮が剥いてあって余分な脂肪の処理も殆ど必要ありません。
ベーコンも日本でよく見るような長くて薄いスライスのものからダイスカットのものまであり、用途に合わせて選べます。
例えばスープ用のカット野菜とダイスカットのベーコンを炒めてお水とハーブ(ドライのミックスも根付きのフレッシュも各種売ってます)と美味しいお塩があればスープストックがなくてもお鍋に任せておけば十分に満足できる野菜スープができます。
ポイントは「まな板を使わない」ことです!!
まな板を使って洗って、って地味に嫌な作業ですよね。
私は最近パンやフルーツ、また和食用の野菜やお魚を切る時ぐらいしかまな板は使いません。カット野菜がフライパンやお鍋にザーッと入っていく気持ち良さったら♪
また細かくカットされた野菜は冷凍して必要な分だけ取り出すのも楽で解凍もスムーズ、結果的に無駄を出さないで使い切れるのも良い点です。

上記のような商品はオーガニックスーパーにもあり、ホールの野菜やフルーツ以外にも使いやすく工夫がされたBIO商品が沢山あります。食や健康に気遣う人でも楽して良いのです♪
週に1回は足を運ぶオーガニックスーパーのEKOPLAZAのHPにお買い物ガイド付きのレシピが掲載されていて、どれも美味しそうなので自動翻訳して見ています。
おひまな時にオランダのBIOな人々のレシピ、チラ見してみて下さい。

では実際に私がどのような食事に満足をしているかというと

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「きのこハーブミックス」+「ほうれん草のトルテリーニ」+「マスカルポーネチーズ」+「牛乳」+「ローストくるみ」でこんな一皿とか。

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オーガニックスーパーで買った「パン」+「ゴーダチーズ」+「ビーフパテ」+「レタス」でハンバーガー。
「炒め用カット野菜」+「みじん切りケール」+「スライスマッシュルーム」で副菜。
このランチはbio商品だけで出来ました。

上記は洋食の一例ですが、多種多様な人種が暮らすオランダには国際色豊かな食品が売られています。
中華、アジアン、インド料理etc...手間を省いた状態で始められるので食事の支度があまり苦になりません。
ただし、和食はやっぱり違います。
お野菜は基本的に大根、人参、蓮根などを皮をむいて調理に合った形にカットします。
お魚も鱗が付いていることが多いので処理をし、塩焼きや照り焼きに合う厚みにカットします。
お出汁をとったり、お米を研いだり、乾物をふやかしたり、やはり他のお料理に比べて和食は少し手がかかります。
それでもこんな遠い西ヨーロッパに居ながらほぼ日本在住時と同じような和食が頂けていることに感謝と喜びと驚きを感じます。
なので和食を頂く際は、「いただきます」の他に「ただいま〜」なんて言ってしまいます。
野菜も果物も美味しくて種類が豊富。お肉はフレッシュなものもハム、ソーセージ類もリーズナブルで美味しいですよ。お魚は日本のスーパーとは大違いで申し訳程度しかありませんが、市場や鮮魚専門店に行けば鯵や鯛なども買えます。海の近くに住んでるのにお得感のないお値段ですけれど。

こんな感じで「オランダの食事が美味しくない」問題は、楽々な自炊のお陰で問題なくクリアしています。
食いしん坊なのでお料理の写真を撮るのは忘れがちですが、またズボラな美味しいお料理をご紹介したいと思います。
(外食については、予想通り日本の様にはトキメキませんが意外にも美味しいお店やカフェが見つかっていてロックダウンが解除されたらまた出没予定です。高いけど(^_^;)、たまにはね。)

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