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『あんのこと』

『あんのこと』に関する記事を偶然読んで、
Amazonプライムで探したらすぐに観ることができたので、
仕事中の昼休みに観始めた。
しかし、わかってはいたけれど、そんな気楽に観始めるべき映画ではなかった。

昼休みだけで観終わるわけもなく、
というか、むしろ途中で観るのをやめて、
移動中に携帯で観たり、自宅でパソコンで観たりして、
3度に分けて観た。

正直、それくらい観ているのが辛い映画だった。

でも、監督や出演者のインタビューをいくつか読むと
「重いという言葉だけで片付けたくなかった」
というようなことや
「忘れてほしくない」
という言葉が繰り返され、モデルとなった「ハナ」さんの朝日新聞の記事まで辿り着いた。

コロナの孤独ということ以前に、
誰かと繋がっていることや、安心した関係性があること。
それを手にいれることができたからこその喪失による失望。
助けてと言える相手がいないこと。
そして、それを思いつくこともできないこと。

そういうことがぐるぐると巡り、何より、一番自分を傷つけて人のように扱わない親に対する感情の難しさ(という簡単なものではない)が苦しくて腹が立つ。

先日最終回を迎えた「虎に翼」でも、実の親にされていた虐待によって連鎖していく苦しみ(これもこんな一言で言い表すことはできない)が取り扱われていたが、
そのような経験のない私にとっては、苦しいけれどこれが現実に起きている人たちがいるのだということを受け止める必要がある。
「経験がない」ということを、軽々と言えてしまうことも、正直自分の中で整理がつかない。

こればっかりは、「ああしたらいいのに」「こうしたらいいのに」と簡単に言えるものではないこともわかる。
だから、苦しい。

とりあえず、備忘録として、感情をここに置いておくことにする。


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