アンパンマンの世界に見る、お金不要論

アンパンマンの世界にはお金がない

先月くらいから、1歳の娘が「アンパンマン」に異常にハマりだした。

どのくらいハマっているかというと、アンパンマンを見たいと思った時に

「アンパン、アンパァァァン!!!」と絶叫し、

違うアンパンじゃないのかな?と将来が不安になるくらいにはハマっている様子。

それでよく一緒に見るようになったんですが、そこで気づいたことが1つ。

「アンパンマンの世界って、お金の概念がない?」

そう、ジャムおじさんは作ったパンをアンパンマン号に積んで街へ繰り出しては無料で配布しているし、鉄火のマキちゃんはお腹が空いた子がいればどこからともなく現れる屋台で鉄火巻を作り振る舞う。どちらも請求したり支払ったりというポーズもない。あるのはお腹が空いていた子が笑顔になり、振る舞った側も笑顔になっているピースフルな空気のみ。なんて素敵な世界なんだと思うと同時に、こんな疑問が湧いてきた。


どうやってみんな生きているのか?

アンパンマンの世界は広い。本当に様々なキャラクターが存在している。2009年には最もキャラクターの多いアニメとしてギネスに認定されているほどだ。2009年時点でその数なんと1768点!※1

言葉を選ばずに言うと、たまに食べる程度で良いようなレベルの食品をモチーフにしたキャラクターも多く存在している。でも、彼らは特にそれ以外に仕事をしている様子もなく、ただただ自分の魂である食品を作り、(カバオをはじめとした)消費者に提供する。

「彼らはどうやって生きているのだろうか…?」

妖精みたいなもんだとは言え、食事シーンがあることからおそらく何かを摂取しないと死ぬ生物だと仮定すると、何かを食べないことには生きていけないということになる。それを得る手段としてお金みたいなものでものを買ったりサービスを受けたりしていないのか…最初はそう考えていたんだけど、そもそも”お金”というシステムがなく”信用”のみで成立している世界なんじゃないかという仮説がなんとなく説明が付きそうだなという結論に。おぉ、まさかの”信用経済”。


”信用経済”で成り立つアンパンマンの世界

あの世界では、職業に貴賎はなく、それぞれがそれぞれの役割をただただ全うしていて、その姿勢に対してみんながリスペクトしており、生きていく上で必要な食事などは求められれば基本的に喜んで提供される。そんな世界の中でバイキンマンはいつも悪いことをしているので、求めても割と断られて、結果として武力行使に出るパターンが多い(そもそもの頼み方が良くないという話しはあるけど)。

つまり、逆説的に言うと

・職業に貴賎がない

・それぞれの役割を全うして、社会に貢献する

・それぞれがお互いにリスペクトしている

この状況が生み出せればお金がなくても世界は回るかもしれない可能性があるんじゃないか。


お金がなくても成り立つ世界

お金のある現在の社会システムでは、基本的に何かを食べたり、サービスを受ける際は対価として”お金”を提供するのが一般的。そもそもお金というシステムは、人口も増え、価値観も多様化してくることで生まれる”物々交換不成立の解消策”として、共通の価値を持つものとして生まれたもの。これは大いなる発明だし、人類が発展する上で必要不可欠なものであったことに異論はない。しかしながら、お金があることで生まれる不幸もあり、ZOZOの前澤さんをはじめとした”脱・お金”の動きが生まれれつつあることも事実。

基本的には先ほど挙げた3つの要素は超性善説に基づいたものなので、今の社会にそのまま反映することはかなり困難。だけど、すごく小さなコミュニティからその世界を作り出すことは可能なんじゃないかなと。

現代で近しい関係性は、田舎で農家が野菜を分け合うあの感じ。市場に回さなかった分を回りの農家でシェアし合う。作っている野菜に貴賤は無くて、それぞれをリスペクトしている関係性。ピース。

アンパンマン的世界を目指すのであれば、もっとスキルは多様であるべき。建築家と農家と清掃員に貴賤は無くて、建築家は農家や清掃員のために家を設計するし、農家は作った野菜をシェアするし、清掃員は町や家をキレイにする。そこにマウンティングがなくてみんなが自分の仕事を”良い!”と思ってて、他の人も”いつもありがとう!”と思っている世界が作れれば、もうそれは”アンパンマンの世界”だと思うのです。


すごく実現は難しい話しだけど、小さなコミュニティで実現することはなんとなく可能そうな気がしている。お互いがお互いを認めて行動し合う関係性。そこにはたぶん愛しかない。そんな場所を作っていきたいな~。

※1https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2013/10/15/kiji/K20131015006815280.html

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綾村 恭平|子育て中リノベプロデューサー
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